自動車とエコロジー 
ハイブリッドカー・プリウスがわが家にやってきました。
20型プリウスSツーリングセレクション2003年型。
教育的自動車と呼ばれるプリウス。
ハイブリッド・シナジードライブは
人間を教育できるか?
21st Century Prius are GO! 
プリアス・アー・ゴー!プリウス発進!
  ●まえがき
  自動車は人や者を運ぶ道具です。今や生活になくてはならない自動車ですが、環境に与える負荷はとても大きなものがあります。
  20世紀の世界、自動車は人々の生活になくてはならない存在になりました。先進国では人や物を運ぶ公共輸送だけではなく個人が運転して移動する手段(自家 用車)にも用いられています。21世紀になって、発展途上国でも自動車の普及が進むことが予想されています。
先進国に比べて自動車の発達が遅かった日本でも第二次世界戦争以降、国の復興と同時に道路の整備や自動車技術が進み、20世紀末には世界でも有数の自動車 生産・自動車保有国になりました。今後は、アジアやアフリカなどこれまであまり自動車が普及していなかった地域でも経済の発展に伴って世界規模で自動車交 通が発展するものと思われます。これからは、自動車の便利さだけではなく、自動車が環境に与える負荷の大きさにも着目しなければなりません。
日本の1世帯当たりの二酸化炭素排出量は年間6トンほどになっていますが電力とガソリンが4トン近くを占めています。
●自動車とエコロジー
自動車を持つことそのものを「反エコロジー」と言う人もいますが、これでは何の解決にもなりません。この考えはむしろ環境対策をおろそかにしてしまう危険があると思います。自動車を持っていても、エコロジーを考えることはできると考えます。
エコロジーというのは最近になってやっと普及し始めた考え方です。まだ研究中であり、誰もが勉強中のものです。すばらしい考え方や優秀な技術は広く普及されることが好ましいと考えますが、エコロジーは競うものではないと考えます。
このHPでも取り上げているハイブリッドカープリウスはカタログの燃費がガソリン1リットルあたり30キロメートル程度です。実際の道路でもガソ リン1リットルあたり20キロメートル以上走ることが可能です。これは他の車に比べると圧倒的に高い省エネ性能なのですが、車全体の数や燃料消費からいえ ば極めてわずかなものです。このチャンピオンデータともいえる数字は、全体の中ではわずかな効果しかもたらしません。
先進的な省エネ技術が進むのはよいのですが、現在の技術でも可能な取り組みや、小さな改善や努力の方が圧倒的に大きな効果があります。
目新しい技術や、ゲーム感覚でのエコ度競争は、啓蒙という観点からは、効果的であり面白いのですが、社会全体での地道な努力も重要だと思います。
●自動車とエコロジー:「エコロジー度」

本物もニセものもない、と考えます。省エネや省資源の考え方にも様々なレベルがあるはずです。
都会に住んでいて車を所有し、春夏は車に乗って行楽地へ、秋には紅葉を見に山道を車で走り、冬になるとスノータイヤを履いて雪山に遊びに行く、こういうラ イフスタイルは、発展途上の国からみるとどうしようもないエネルギー・資源の無駄づかいです。今の日本には、車が生活必需品となっているところもたくさん ありますが、不必要なところで資源やエネルギーの浪費をしているところもたくさんあります。
こういう生活をしている国民が、エコロジーや省エネを議論すること自体おかしいと思うこともありますが、むしろ、そういう国だから真面目に考えなくてはな らないのかも知れません。自動車の生産では先進国のひとつである日本ですが、広範な自動車の普及はわずか30年の歴史しかありません。日本にはじめて高速 道路ができたのは1963年のことです。
エコロジーのために今のライフスタイルを変えるというのもあるかも知れませんが、そんなに変えなくてもできることがたくさんあるはずです。私たちの国は、 まだまだ勉強中、発展中です。小さな努力や小さな効果に対して「エコ度が低い」とか「ニセのエコロジー」だと言って評価しないのが一番よくないことだと思 います。
今は、エコロジーを少しずつでも勉強し、小さなことでも実践していくことがとても大切だと思います。
●自動車とエコロジー:省資源、まずは安全から

自 動車を製造するには、莫大な資源とエネルギーが必要です。もし作ったばかりの車がすぐに壊れて廃車になったとしたら、大変な資源とエネルギーの浪費にな ります。大変な数の車の省エネの努力もたった1台の車の事故で帳消しになることがあります。1トンの石油で1トンの自動車を作ることなどできませんが、一 般の乗用車で1トンのガソリンを節約するのは容易ではありません。
現在の技術やシステムでは自動車事故をゼロにすることはできませんが、大切な命を守るためだけではなく、貴重な資源を守るためにも車の事故をゼロに近づけ る努力は必要です。まずは、事故を起こさない安全な車、事故を起こしても乗員や相手を守れる車が必要です。事故を起こさない運転も重要です。環境保護以上 に安全は重要なテーマです。
 
●CO2排出量の計算方法:エネルギー家計簿による二酸化炭素排出量の簡単な計算

項目
CO2排出係数
単位
 
電気
0.38 kg-CO2/kWh  
都市ガス
2.1 kg-CO2/Nm3  
LPガス
6.3 kg-CO2/Nm3  
水道
0.58 kg-CO2/m3  
灯油
2.5 kg-CO2/l  
ガソリン
2.3 kg-CO2/l  
軽油
2.6 kg-CO2/l  
燃えるごみ
6.7 kg-CO2/40リットル1袋  
 
●1世帯当たりの年間エネルギー消費 ECCJ 財団法人 省エネルギーセンター の資料より


原油使用量
自家用車 1139
給湯 390
暖房 305
エアコン 111
照明器具 71
冷蔵庫 75
テレビ 44

1 世帯当たりの年間エネルギー消費の原油換算量 (リットル)は次のようになっています。これは平均値ですから、日常的に自動車を使っている地域だともっとたくさんのエネルギーを自動車に使っているので はないでしょうか。一般家庭における省エネを考えるときに乗用車のことを考えない訳にはいかないようです。大変大きな割合を占めています。出典:スマートドライブ2003
 
●自動車関係の省エネ技術・安全技術の情報

独立行政法人環境再生保全機構のホームページ

自動車や地球温暖化・大気汚染に関する何でも資料館
→自動車の歴史や環境と自動車に関する様々な資料があります。とても勉強になります
●自動車産業の歴史と現状


●クルマ社会についての基礎知識


●クルマとエネルギーについての基礎知識


●クルマ社会と環境問題


●クルマ(単体で)の環境対策


●さまざまな低公害車


●環境を守るための社会全体の取り組み


●クルマ社会の未来に向けて

●身につけよう わたしのエコカーライフ!―環境にやさしい、車との10のつきあい方―


  1. 環境にやさしい車を選ぶ
  2. アイドリング・ストップ
  3. 空ぶかしをしない
  4. 急発進・急加速しない
  5. 不要な荷物を載せない
  6. 計画的ドライブ
  7. 定期的点検整備
  8. 相乗りの励行
  9. 公共交通機関の利用促進
  10. できるだけ徒歩、自転車を使って移動

●定量的なデータ


エ ンジンを再始動するときには燃料消費が一瞬多くなります。アイドリングストップが燃料削減に寄与するためには、アイドリングストップにより削減される燃 料消費量が再始動時の瞬時増加量を超えるアイドリングストップ時間が必要です。この時間は車によって多少の違いはありますが、一般的に5秒以上が目安とな ります。
5秒以上の停止が見込まれる時には、アイドリングストップを行うと効果があります。

空ぶかし0回で約60ccの燃料が無駄になります
10kgの荷物をのせて50km走ると約15ccの燃料が無駄になります。(2000cc乗用車ATの燃費から推算)
道に迷って10分余計に走ると約350ccの燃料が無駄になります。
空気圧0.5kg/cm2減のタイヤで50km走ると約150ccの燃料が無駄になります。
交通 エコロジー・モビリティ財団 エコモ財団

●交通バリアフリー事業

●交通環境対策事業   始めませんか!エコドライブ!エコドライブ10のすすめ
財団法人エコ・ステーション推進協会
ECCJ(財)省エネルギーセンター

省エネアンバサダー

交通の省エネルギー

2003スマートドライブ

生活の省エネルギー「スマートライフねっと」

省エネルギーポスターコンクール
石油化学工業協会JPCA

●製品安全データシートMSDS(Material Safety Data Sheet)

●石油化学用語辞典
(財)日本環境協会JEA

エコマーク

グリーン購入ネットワーク
(社)日本自動車工業会

セーフティーカーライフ  Car Safe(カセイフ)は見た!
安全運転.com
(社)日本自動車連盟(JAF) セーフティドライブとエコロジー
全国地球温暖化防止活動推進センターJCCA

地球温暖化用語集

地球温暖化防止キャンペーンロゴマーク
(財)新エネルギー財団
 
●自動車関係の省エネ技術の記録:

平成15年度 第14回 省エネ大賞
経済産業大臣賞 トヨタ インテリジェント アイドリング ストップ システム(TIIS)「ヴィッツ U “インテリジェント パッケージ”」UA-SCP13-AHXEK(I) トヨタ自動車
資源エネルギー庁長官賞 トヨタハイブリッドシステム II(THS-II)「新型プリウス」DAA-NHW20-AHEEB トヨタ自動車

エコドライブナビゲーションシステムMHS-01ミヤマ株式会社
省エネルギーセンター会長賞 世界最高レベルの低燃費軽自動車「ミラ V」U-L250S FMGV ダイハツ工業株式会社
平成14年度 第13回 省エネ大賞
経済産業大臣賞 ハイブリッド乗用車「CIVIC Hybrid」ZA-ES9本田技研工業株式会社

キャパシターハイブリッド中型トラックKK-MK252GB改 KK-MK252HB改日産ディーゼル工業株式会社
資源エネルギー庁長官賞 電動コミューター「パッソル」SY01Jヤマハ発動機株式会社
平成13年度 第12回 省エネ大賞(平成13年以降は家庭部門、業務部門、自動車部門の3部門)
経済産業大臣賞 新ハイブリッドシステム(1モータ・CVT式)を搭載した自動車「エスティマ ハイブリッド」
ZA-AHR10W-MFEGB,ZA-AHR10W-MFEGB(G)
ZA-AHR10W-MREGB,ZA-AHR10W-MREGB(G)トヨタ自動車株式会社
資源エネルギー庁長官賞 世界最高水準の超低燃費車「Fit」LA-GD1本田技研工業株式会社

新型ハイブリッド自動車(バス)「新型HIMR路線バス」HM-HU1JLEP日野自動車株式会社
省エネルギーセンター会長賞 アイドリングストップ&スタートシステム いすゞ自動車株式会社

乗用車用タイヤ「デジタイヤエコ」SP65e,SP70e 住友ゴム工業株式会社

GDIエンジンの触媒反応制御システム 三菱自動車工業株式会社
平成12年度 第11回 省エネ大賞(平成12年度は業務部門と家庭部門のみ)
資源エネルギー庁長官賞 ハイブリッドカー 「インサイト(insight)」 YA-ZE1 本田技研工業株式会社
平成12年度 省エネ大賞 企業特別賞
通商産業大臣賞 本田技研工業 株式会社
資源エネルギー庁長官賞 株式会社 東芝
省エネルギーセンター会長賞 シャープ 株式会社

株式会社 リコー

株式会社 竹中工務店
平成10年度 第9回 省エネ大賞(この年より省エネ大賞)
資源エネルギー庁長官賞 ガソリンエンジン『NEO Di+HYPER CVT(直噴ガソリンエンジン+無段変速機)』日産自動車株式会社
省エネルギーセンター会長賞 ディーゼルエンジン『NEO Di ディーゼルエンジン(直噴ディーゼルエンジン)』日産自動車株式会社
平成7年度 第6回 省エネ大賞(省エネバンガード21受賞機器)
通商産業大臣賞 『三菱筒内噴射ガソリンエンジン』 三菱自動車工業株式会社
 
●自動車の省エネルギーと燃費

自 動車が一般家庭にも普及して生活必需品になってからは、産業用の輸送だけではなく、自家用の自動車の省エネルギーもとても重要な問題になってきています。 自動車が消費する石油などをできる限り節約するためには、燃料消費率が低い車を増やしていくことと車をあまり使わない生活スタイルという2点で解決してい かなければなりませんが、燃料消費率の方は自動車の性能によって大きく異なることが分かっています。
燃費というのは燃料消費率という用語の省略形です。これはすっかり日常の日本語として定着していて「ネンピ」というと自動車の燃料消費率を示します。
ただし日本では、燃費を「ガソリン(燃料)1リッターで走れる距離」として表す習慣があります。通常は、その名前の通りに単位走行距離に必要な燃料の消費 量で表すためl/km(1kmあたりの燃料リッター)あるいはmpg(1マイル燃料ガロン)の単位が使用されますが、日本だけは逆数であるkm/l(1 リッターで走行可能な距離km)という単位 を使用しています。
マイレージだとか走行可能距離としておけばよかったのかも知れませんが、名称は燃料消費率のままで、単位は逆数なのでとても混乱しますが長年の習慣なので容易には変えられません。日本では燃費の「数字」が大きい方が「低燃費」ということになります。

燃費というのは、乗り方にも左右されますが基本的には自動車の性能です。普通 の人が普通に使用する場合、様々な省エネ運転の工夫やテクニックもありますが、車によって決まるのがほとんどです。たとえば3000ccのエンジンを載せ たミニバンをどんなに上手に運転しても660ccの軽自動車と同じ燃費で走ることは極めて困難です。
カタログにはいろいろな数字が書かれていますが、燃費も自動車の「性能」です。
自動車を買ってからそのエンジンの出力(馬力)を実際に測定する人はあまりいません。しかし燃料の補給はユーザーが日常的に行うものですし自動車には距離 計が必ずついていますから気にしないようにしていても「燃費」という性は実感してしまいます。細かな数字を記録していなくても、ガソリンの給油時に最近燃 費がよくないな、と感じることがあります。燃費計のついている車ならいやでも燃費性能を目にしてしまいます。

日本の一般の人が自動車に乗るようになった頃、アメリカ車などの大型乗用車は10km/lも走らないほどガソリンを大量に消費する車ばかりでした。後発の 日本の乗用車は技術は輸入車にかなわない時代がありますが、燃費と車の価格というこの2つの経済性では全く負けないものでした。
しかし、今では、日本車も非常に重く大きくなり、かつての輸入車並みの燃費の車も珍しくありません。これは、次第に自動車が大型化し、快適、贅沢になった というだけではなく、世界でも前例のない厳しい排気ガス規制への対応や近年重要視されるようになった安全性を追求するようになった結果、どうしても重くな るのは避けられなかったようです。
自動車の軽量化には莫大な費用がかかります。特に車体を構成している材料を変えるとなると大変なことです。レースカーのように製造台数が少なく高いコスト にみあった結果が得られる場合はアルミやカーボンなどの材料も可能ですが、市販の乗用車では容易ではありません。しかし燃費や資源の問題を考えると、軽量 化というテーマはとても重要です。

このまま車がどんどん大きく重くなるとますます燃料の消費量が増大していきますが、もうひとつトヨタプリウスなどが出した回答が、ハイブリッドシステムという方式です。
これは、ガソリンエンジンが不得意な領域を電動モーターでカバーすることによって低燃費・低排出ガスを達成するという方法です。
ホンダ・インサイトのようにアルミの車体による軽量化とハイブリッドシステムを同時に実施するという先進的な試みもありますが、トヨタ・プリウスのように 軽量化についてはコストを考えて既存の手法の範囲内として、ハイブリッドシステムに画期的な方法を採用したものもあります。
その結果、5人乗りの乗用車としては驚異的な低燃費を実現しています。しかも台数としては一般の乗用車並みに販売されており、数少ない成功例だと言えます。エコカーにとって、普及するということはとても重要なことです。