プリウス・インタビュー
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ハイブリッドカー・
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応援ページです

はじめに:
プリウス応援ページのQ&Aを書こうかと思ったのですが、Q(質問)はできても、正しいA(アンサー)は難しいことに気づきました。そこで、ありがちな質問に対する感想をならべて、プリウス・インタビューを書くことにしました。
FAQ(Frequently Asked Questions、よく聞かれる質問/答え
、というようにはならないと思いますが、プリウスを買おうと思っている人の参考になるのではないかと…。

話題その1:プリウスに乗り換える
インタビュワー an interviewer

インタビューされるひと  an interviewee

インタビューされるひとの紹介をして下さい。
お名前は?


このサイトの管理人で、ホームページの編集をやっている「ぷぷきっずのパパちん」なのですが、プリウスのページでは「いぷりうす」ということにします。

あいぷりうす? iPrius?
パソコンがアイマックだからですか?


いえ、前に乗っていた車がいぷー(トヨタ・イプサム)なのでイプサムとプリウスをくっつけて、いぷりうす、です。
たぶん、イプサムからプリウスに乗り換えた人は大勢いると思いますが、代表でもなんでもありません。一応そういう名前にしておきます。
  では、いぷりうすさん。主に運転されるのはどなたですか。またどのように車を使っているのでしょうか。


家族は4人とも運転免許を持っています。たまに女房が運転することがありますがほとんどは私の通 勤用です。
となりの栃木県の実家に車で行くことがありますが、ほとんど遠乗りはしません。
  運転歴などを教えて下さい。


夫婦の免許暦はおよそ30年以上です。私だけが2輪の免許と英国免許を持っていますが、他は普通免許です。
夫婦は、ゴールド免許ですが、子供達はまだ年数が足りないのでゴールド免許ではありません。4人とも免許証は運転免許の教習所、自動車学校と呼ばれているところで取得していますが、オートマ限定免許はありません。

なぜ車を乗り換えたのですか?


そ れまでに乗っていた、イプサムは7人乗りミニバンです。子供が小さい時は大勢乗ることができる車はとても便利だったのですが、通勤などで一人で乗ることが 多くなって、とても無駄な感じがしたので小さな車にしようと思っていました。ミニバンというのは何人かで乗っている時は楽しいのですが、一人で乗っている と、なんだか罪悪感を感じるようになってきました。我家の家族構成ではミニバンを卒業する時期に来ていたと思います。

イプサムの燃費はどのくらいでしたか?


新車時は燃費もリッターあたり12キロメートルくらい だったのですが、これはカタログのテン・フィフィティーン・モードの燃費と同じくらいです。しかし車が、古くなってくると10から8キロメートル毎リット ルくらいになりました。いくらなんでも、ひとケタはまずいなと、思い始めていました。

いくら環境にやさしい車だといっても、同じ車に乗り続けるのに比べて新車を買う方がずっとエネルギーや資源がかかると思いますが?


イ プサムは8年ほどの使用でしたが、まだまだ走れそうでしたので、確かにその通りだと思います。イプサムは販売店で整備して中古市場に出せるとのことでし た。同じくらいの年式のセダンだとそのまま解体・廃車になることも多いのですが、ミニバンは次に使ってくれる人が必ず現れるとのことでした。それで買い換 えることにしました。
このくらいの年数で廃車ではあまりにも無駄ですし、買い換えるのが一番環境にもよくないし、家計としても損だと思っていますが、次に使う人がいると言うことで買い換えてもいいと思いました。

要するにイプサムに下取査定があったから、ということでしょうか。


これまで車を買う時に前の車を下取にすることはほとんどなく、乗りつぶしていました。リセールバリュー(中古車価格)を考えて車を選んだことはありません。まともな下取価格がついたのはイプサムが初めてでしたので少し驚きました。

プリウスを選ぶときに、次に乗る車のことなどを考えましたか。


プリウスという車は、中古車価格や下取価格は非常によくないと聞いています。おそらくハイブリッドカーの中古車市場というのがまだ十分にできあがっていないのかも知れませんし、セダンそのものが今流行らない感じがします。

初代プリウス発売からまだ8年くらいしかたっていませんが、自動車評論家の中には歴代のプリウスを何台も乗り継いでいるという人もいます。
あれは、職業上、ある程度、仕方がないことなのかも知れませんが、ハイブリッドカーをもとっかえひっかえ乗っているというのは、ダイエット食品を大量に食べているようなものです。なんとももったいない気がします。
ハイブリッドカーという車はとても新しいタイプの車なのに「新し物好き」の人には、一番向いていない車かも知れません。 新しいものに目移りしやすい人はプリウスでも何年かすると飽きてしまうでしょうし、新型が出るとまた欲しくなるかも知れません。

プリウスを選んだのは環境にやさしいと言われているからでしょうか?


自家用車が環境にやさしいということはありません。自動車の存在自体は環境に非常に大きな負荷を与えています。
しかし、少しはマシな車を選びたいという考えはずっとあります。
環境によい車なんてありません。他の車に比べると少しはマシな方だとは思っています。、プリウスに乗っているから環境によいことをしているなんて考えたこともありません。

自家用車に乗っている限り、エコロジーを言う資格がないということでしょうか。


車に乗っているからエコロジーを考える資格がないという発想はとても危険だと思っています。自動車に乗っているからこそ省エネルギーや省資源のことを真面 目に考える必要があると思います。どうせ車は環境に悪いのだからどうでもいい、というように開き直らないようにしたいと思っています。
車を持っていない人からみると、なんとも勝手な理屈のように思われるかも知れませんが、バスや電車がいつでも利用できる都会に住んでいる人ばかりではありません。自家用車が必需品になっている地域は たくさんあります。都会に住んでいてもたまに自家用車の恩恵を受けたいと思う人も大勢います。

確かにイプサムよりプリウスの方がずっと省資源、省エネにはなると思いますが、何故わざわざハイブリッド車を選んだのでしょうか。
ハイブリッドでなくても経済的なコンパクトカーがたくさんあると思います。


もちろんリッターカーや軽自動車の省資源・省エネの性能はとても高いレベルにあります。今の軽自動車は、昔の360cc時代や550cc時代に比べたら快適性や安全性も桁外れによくなっています。生活用の車としては全く問題ありません。

しかし、一度、それなりの大きさの車に乗ってしまうと、たまに長距離走行すると軽自動車ではとても疲れるようになってしまい、やはりプリウスくらいの大きさの車が欲しくなってしまいます。
こうやってどんどん贅沢に慣れてくるのが最も地球環境にはよくないと思うのですが一度、便利さや快適さを味わうと戻りにくいものです。

プリウスと言う車、年寄り向けの車だと思います。若くて気力も体力もあって運転の上手な人は、もっと小さな車に乗る方がずっと経済的です。


初代のプリウスに興味はありませんでしたか?


量産車という意味では世界初のハイブリッド乗用車だったので興味はありましたが、ハイブリッドシステム自体は別に新しいものではないのでプリウスという車自体にはあまり興味を持っていませんでした。
ただ一般の人が使う量産車として、それなりの価格で販売したトヨタの決断には驚きました。
プリウスには従来車の部品や技術が流用できない部分がたくさんあり、この車だけの開発項目がたくさんあります。普通 に考えるととてつもなく高価になると思いますが、市販された価格は普通の車の値段だったのです。

買う気はなくても気になる車ではあったということでしょうか。


しばらく試験的に販売して採算が合わなければ廃止されてしまうのだろうと思っていたので、自分で買う気は全くありませんでした。しかし、いつまでも販売を続けている上に改良版が出されてくるようになると、本気で作って売っているという印象を受けました。
ト ヨタ自動車に関しては、どちらかというと市場ニーズにあった車、悪く言うとユーザーに迎合した車ばかり作っているメーカーという印象が強かったので、この ような提案型の車はトヨタらしくないと思っていましたが、プリウス以降、比較的思い切った発想の車が増えたような気がします。

プリウス以外のトヨタのハイブリッドカーを見ていると、やはりトヨタだなとがっかりすることはありますが、とにかく初代プリウスから、トヨタに対するイメージが大きく変わりました。

初代プリウスは10型プリウスと呼ばれ、大幅なモデルチェンジを行った11型というのも現れましたが、その時も購入対象にはならなかったのでしょうか?


初代プリウスの発売は、イプサムを買った直後でしたし、個人的なポリシーとして「新製品には手を出さない」主義なので初代を買うという気持ちは全くありませんでした。11型もまだ「新すぎ」ました

トヨタのハイブリッドシステムをまだ信用していなかったでしょうか。


初代のプリウスには、技術の先進性を感じましたが、今のプリウスには先進的な技術は感じません。自動車エンジンもモーターもバッテリーも長い技術開発や十分な実績を積み重ねたものだと思います。そういう意味では今は安心して乗っています。

プリウスに限らず自動車技術全般についてそんなに信頼していないということなのでしょうか?


今の日本の自動車の信頼性や安全性についてはとても信頼しています。これだけたくさん生産しているのですからたまには失敗することもあるでしょうが、全般 としてはとても安心して乗ることができます。
一般的に市販乗用車が使用する技術と言うのは、使い古しの技術でなければなrない思っています。
飛 行機のように常に品質を維持できるように管理されている乗り物などと異なり、自家用自動車は、毎日きちんと点検・管理するのは非常に困難です。こういう乗 り物に本当の最先端の技術を採用するのはとても危険でだと思います。いろいろな分野でそれなりの実績を重ねてきたものをうまくまとめあげていくのが量 産車なのだと思います。

プリウスもすでに先進的ではない、ということですか。


プリウスは、非常に歴史の古いシリーズハイブリッド方 式や他社の多くが開発を進めているパラレルハイブリッド方式を採用せず、パワースプリット方式という独自の方式でシリーズ・パラレルハイブリッドを開発 し、それを市販しています。とても画期的だと思いますし先進的だと思います。
シリーズハイブリッドを乗用車で実現するにはまだ技術の壁があるように思いますが、パラレルハイブリッドだけでは不十分だと考えたのだろうと思いますが、エンジン、モーター、発電機を同じ動力系でつないだ技術には感心しました。
2代目のプリウスは、基本的に初代のプリウスのエンジンやハイブリッドシステムを進化させたものを使っていますので、すでに先進性はありません。だから安 心して買えたとも思います。信頼することと安心して使うこととの間にはギャップがあって初代プリウスはそれを埋めてくれたと思います。

今の20型プリウスは、もう大丈夫だと思って買ったのですか?


信頼性については初代プリウスでも市販する以上は、それなりに高いものだと考えています。足りなかったのは実績だけです。
初代プリウスのおかげで、点検・整備や故障の修理などの体制が整ってきたこともあって、2代目はとても買いやすくなったと思います。
ただ、初代プリウスには、買うのをためらうような、気になる点がありました。

それはどんな点ですか?


エアコンの冷媒を圧縮するコンプレッサーがエンジン駆動という点が最も大きな問 題点でした。これはプリウスだけではなく他のハイブリッドカーも同じ状況でした。室内の空調を入れているとエンジン停止が難しくなります。モデルチェンジ したプリウスは電動のコンプレッサーを専用のインバーターで駆動しています。これで夏場や梅雨時のエンジン停止が楽になります。

それは新型プリウスの先進技術のひとつということになりませんか?


エアコンを電動にするというのは、電気自動車では当た り前の技術なのですが、プリウスのようなハイブリッドカーでは初めてです。電気自動車や燃料電池自動車はまだまだ航続距離が短いためエアコンも省エネ重視 になっていて足元は内部循環、上半分は外気導入というデュアルタイプのものが採用されますが、プリウスにも電気自動車用と同じようなエアコンがついていま す。
冷媒循環サイクルに使われる、コンプレッサーの動力は小 さくはないのでコンプレッサー駆動用モーターには専用のインバータを搭載しています。このような技術はハイブリッドカーだけではなく一般 のガソリンエンジン車でもアイドリングストップを自動化していくには必要な技術だと思います。
同じハイブリッドカーでもエスティマハイブリッドなどは電動とエンジン駆動を併用したエアコンになっていますが、室内が広く、大きな冷凍能力が必要な車なのでエアコンの動力もハイブリッドになっているようです。

それは燃費にもよいということですか。


プリウスに乗っているのにそれほど燃費を重視していません。本当に欲しい機能は、車が動いていない時に確実にエンジンを停止できる機能でした。いわゆるアイドリングストップ性能です。
動 いていない車のエンジンがまわっているということにある時からものすごく疑問を持つようになり、イプサムでも長めの信号待ちではエンジンを停止するように していました。プリウスだとそれがとても簡単にできてしまいます。イプサムだと夏場にエンジンを停止するとすぐに室内が蒸し暑くなりましたが、プリウスは 快適です。
あと、新型プリウスでは国内仕様には強制的にエンジンを停止できるスイッチがついたのも重要なポイントです。EV電気自動車モードすいっちと呼ばれています。

アイドリングストップは重要なのでしょうか?


駐車場などで停まったままエンジンが回っているのは論外なのですが、交差点での 信号待ちでもエンジンが動いていることに違和感があります。なぜそんなふうに考えるようになったのか自分でも理由はよく分かりませんが、やはり停まってい る車のエンジンが動いているのはすごくおかしいと思います。
福岡市のバスは30年くらい前から信号待ちでのアイドリングストップをやっていたと思いますが、渋滞の多い関東のバスは信号待ちどころか、客待ち状態でもエンジンがかかりっぱなしです。
有料道路の料金所などでアイドリング中の自動車の排ガスのために空気が汚れているのがわかりますしドライブスルーなどでは前の車の排ガスなどが気になります。

頻繁にエンジンを起動停止して機械が悪くなりませんか?


イプサムに関しては、 バッテリは7年ほど使えたので特別に消耗が激しいとは思えません。エンジンも特別パワーがなくなったということもないので、問題はないと思います。
それよりもカーナビやオーディオなどの電装品の方がバッテリーへの負担が大きかったかもしれません。
  車のバッテリーってもっと頻繁に交換する人が多いと思いますが?


我家の車では、バッテリの交換サイクルはおよそ6年から8年くらいです。ダイハツミラだけは例外的にもっと長持ちしていてまる10年たちますが、新車時のバッテリを今でも使っています。
最近のバッテリは値段も安く高性能なのでいつ交換してもよいのですが、やはり資源を考えたらできるだけ交換はしたくありませんので劣化が進む前に交換するつもりはありません。
  プリウスのアイドリングストップ性能には満足していますか?


とても満足しています。
赤信号の交差点では停止する前からエンジンが止まります。
そして、それこそ信号待ちの間はシーンとしています。
停車してからエンジン停止するのではなく、減速中にすでにエンジンは停止しています。こんなに上手にエンストできる車はありません。
エンストを正確に言うとエンスト=エンジン・ストールなのですがプリウスの場合は、発電機による強制的なエンジン・ストップですのでピタっととまります。
夏場は満足していますが、冬場は暖房のためにエンジンが停止しにくく強制的にスイッチで止める事がありますが、それでも一般的な車よりラクです。
プリウスの場合、停車中でもエンジンの暖機運転が必要な場合があります。しかしこのような時でも発電機をまわして高圧バッテリーに充電をしていますから、走行していないとはいえ、厳密にはアイドル状態ではありません。
効率はよくないかも知れませんが、エンジンは仕事をしていますから、アイドリングそのものが存在しないのかも知れません。要するにエンジンのアイ ドル運転がないプリウスには、アイドリングストップという用語は不適切なのかも知れませんが、車が走行していないのにエンジンが回っている状態をアイドリ ングと呼 ぶことにすると、やはり停車中はエンジンには止まっていて欲しいと思います。
  アイドリングストップにこだわっているというのであれば暖機運転はどうしているのですか


プリウスでなくても基本的に暖機運転はしないことにしています。どの車に乗ってもエンジンを始動したらすぐに発進しますが、プリウスでもシステムをオンにするとすぐに走り始めています。

大昔の車だとチョークボタンが戻る前に発進するとよくエンストしたものですが、20年くらい前の車からは始動後すぐに発進しても平気です。一応オイルがぐるっとまわるまでには数秒間は必要だと思いますが、水温の上昇を待つ必要はないと思います。
一方、停車したままできるウォームアップは基本的にエンジンの暖機だけであって、タ イヤやトランスミッションなどの機械部分のウォームアップには、車の走行が必要です。
した がって長い時間エンジンを温めてから発進するのではなく、その前に発進して機械をいたわりながらゆっくり走り始める方がよいと思います。その方が機械のた めにもよく、ガソリンの消費量も抑えられると思います。プリウスの場合、エンジンが暖まるまではモーターがかなり加勢してくれますので、エンジンに過大な 負担をかけることなく走りながら暖機ができるようです。




話題その2:プリウスの燃費
やはり、プリウスといえば低燃費ですが、実際に使ってみての感想はいかがですか。

購入後1年半くらいになりますが、これまでの通 算ではガソリン1リッターあたり19キロメートルです。 70年代の車だとこのくらいの燃費のも珍しくありませんでしたが、最近では極めて低燃費の車だと思います。何と言っても車体重量 が1トンを軽く越えていることを考えると優秀だと思います。
  でもカタログ燃費と比べるとあまりよくないと思いますが。どうですか。


カタログの燃費はリッター30キロメートルですが、車の燃費というのは使い方によって大きく変わりますから、カタログ値との違いを気にしても仕方ありません。せっかくの省エネカーなのにカタログ値や他の人の燃費と比較して乗っていたら精神衛生上もよろしくありません。

燃費の記録をつけていますよね。


プリウスを買ってからガソリンの充填量と走行距離の記録をつけています。毎回か かさず記録をするというのは、これは今までの車ではなかったことです。 燃費計が搭載されているので毎日の記録だとか、毎週の記録だといったことも可能ですが、面倒なことをすると長続きしないので満タン法の記録しかとっていま せん。
でも公道を走る車だし、通勤や生活に使う車なので、燃費記録にチャレンジする気は全くありません。ただデータとして記録しているだけです。

燃費計を見ていますか?


他のトヨタ車のようにスピードメータの横に燃費計の表示があればよいのですが、プリウスの場合は、手前のEMVに表示されるため運転中は危ないので見ることが難しいです。
瞬間燃費が棒グラフで表されるので加速中は棒グラフが極端に短くなり、アクセルペダルを少ししか踏んでいない時などは棒グラフが目一杯振り切れるのでその 様子は運転中でも視界にちらりと見えます。30分間の履歴が画面に示されるので信号などで止まったときは、その間の燃費を読み取ることができます。

燃費計には少し不満があります。
こ れは日本仕様なのでガソリンリッターあたりの走行距離、キロメートル毎リッターという単位での表示しかないことです。これだと車が停車中はいつもゼロ km/lという表示になるのですが、停車中でもエンジンが回って燃料を消費している時とエンジンが停止していて燃料を全く消費していない時が同じ表示に なってしまいます。
燃費計をじっと見るのは交差点などで信号待ちしている時なのです。
スイッチ切替でヨーロッパ方式の100キロメートル走行時の消費燃料、リットル毎100キロメートルという単位で表示できれば、停車中でも消費量ゼロなのかどうかがわかりやすくてよいと思います。

せっかく燃費のよい車なので燃費計の存在はとても大きいと思います。運転している時にも見やすい位置での表示と、逆数ではない普通の燃料消費率も表示できるようにして欲しいと思います。

燃費の記録をつけて気づいたことはなんでしょうか。


気温で燃費がずいぶん異なることです。今までの車には燃費計がついていなかったので分からなかったのですが、気温が高いときは低燃費、気温が低いときは燃料消費が多いことが分かりました。
  燃費運転てやらないのですか?


言葉の意味がよく分かりません。
  低燃費を達成するための運転法です。プリウスに乗っている人は燃費を気にする人が多いと思いますが、どうですか。


普通のオートマチック車と同じように使っています。ほとんどがコンピュータ制御なので機械まかせです。もちろん運転方法によって燃費が異なることは分かっていますが燃費を重視した走り方はしません。
雑誌などでは、プリウスに乗っている人の大部分が燃費を気にしているように書かれていますが、あれはメディアが勝手に書いているものだと思っています。
  燃費を「のばす」ために遠乗りをしたりはしませんか。


短時間の走行よりも長時間の連続走行の方がずっと低燃費なのはわかります。しかし、そのために遠乗りするというのは本末転倒なのでやりません。
距離を「のばす」とか「燃費を稼ぐ」いった発想はありません。
「のばす」、という言葉の意味は何となく分かります。燃費計の数字が大きくなると気持ちはいいのですが、 何の証拠も残らないのでただそれだけのことです。
  でもせっかくのプリウスなのに燃費記録にチャレンジしないのはもったいないような。


燃費の記録は自慢するものではないと思っています。
職場はほとんどの人が車通勤をしているところなので、車の燃費を気にする人も少なくありませんが、プリウスに乗っていると他の車と数字が違いすぎるので燃費の話題にはなりません。
燃費チャレンジは自動車レースのように同じ条件で競うのなら面白いと思いますが、普段生活の足に使っている車では条件がばらばらです。リッター10キロメートルくらいのプリウスもあればリッター30キロメートルのプリウスもあると思います。
モータースポーツと同じで、厳格なルールの下に技術や技量を競うというのであれば見ていて楽しいと思いますし。
サーキットなどで行われる燃費チャレンジでは、圧倒的な低燃費の記録が競われるので、こちらの方が、技術の競争としては面白いと思います。燃費ス ペシャルの車にに比べると実用車プリウスの燃費は平凡です。プリウスのすこいところは、普通の車なのに燃費がよいということだと思います。燃費チャレンジ をするのならもっと適した車があると思います。
  改造やいろいろな工夫をするともっと楽しいと思いますが。


市販車は大量生産車ですから自分と同じ車がたくさんあります。カスタムカーではないので個性がないのは仕方ありません。
そこで、パーツを変えたりいじったりすれば多少なりとも個性を出したりするのがこれまでのカーライフの楽しみ方でした。

しかし、プリウスの場合は、エコカーなので何か工夫をすればするほど無駄な資源を使うという矛盾にぶちあたります。

たとえば、タイヤは燃費に非常に大きな影響を与えるはずですが、低燃費をめざしてタイヤを交換したら、資源のロスが大きく、セーブした燃料とどちらが大きいのか、疑問になります。

とてもラフに考えて、タイヤ4本の重さから考えて、およそ100リットルくらいの燃料に相当するとすれば1年に1キロリットル使う場合、 1割余分によけいに燃料を消費することになります。実際はもっと多いのかも知れませんが、使えるタイヤを廃棄するのは大変な無駄になることは間違いないの です。今のタイヤが擦り減って交換時期が来たら、省エネタイヤというのはどういうものなのか考えてみたいとは思いますが、当分は考えても仕方ありません。
本当は、プリウスと言う車は、素材としてはおもしろく、いろいろ試してみたくなるのですが、エコロジーを考えるとと、できるだけ何もしないのが一番、というジレンマのある車です。
エコを楽しむ、というのは難しいのかも知れません。
  ガソリンの給油方法を教えて下さい。


燃料の残量計は10この目盛り(セグメント表示)あるのですが、残り4つから3つになると給油します。距離にしておよそ600キロメートルくらいです。
金属製のガソリンタンクを長い時間、空っぽにすると錆が発生しやすいと思っているのですが、プリウスのタンクは樹脂製になっているのでその心配はなさそうです。でも昔からの習慣で燃料計の目盛りが半分くらいになるとそろそろ給油しなければと思います。
  もっとからっぽになるまで走ることはありませんか。プリウスだと1000キロメートルくらい走ることができるのではありませんか。


車を運転していてガス欠になるほど恥ずかしいことはないので、できるだけ早め早めに給油します。特にプリウスだとガソリンが減っているのをついうっかり忘れてしまいそうなので注意しています。
オ イルショックの頃、休日や夜間にはガソリンスタンドが閉まっていたため、燃料補給を忘れた時は、休日に車を使えなかった経験があります。今でも燃料計が下 がってくると心配になるので半分を過ぎると気になります。 また、最近、台風や地震などの災害が続いたこともあり車の燃料だけはいつもきっちりと入れておきたいと思います。
普通に車を運転していて恥ずかしいと思うワーストスリーは次のものだと思っています。
  1. ガス欠
  2. ヘッドライトの球切れ
  3. テールランプやストップランプの球切れ

相変わらずロードサービスの救援理由の上位にガス欠があるそうですが、プリウスのような燃費のよい車でガス欠をやったら、みっともないなんてものではあり ません。あと、万が一ガス欠をやったら、燃料ポンプや燃料噴射ポンプなどがどうなるのか予想ができません。普通は燃料そのものが潤滑の役割を果たしている と思います。
  燃料が満タンだと重くありませんか。


エフワンではありません。500キログラムちょっとの車体に100キログラム近い燃料を入れて時速300キロメートルからフルブレーキをかける車とは次元が違います。1300キログラムの車体にわずか30キログラムほどの燃料です。 残り半分で給油しても15キログラム重いだけです。
  ハイオクガソリンを使っていますか



意味がないのでハイオクを充填したりしません。
毎 分1万回 転以上も回るエンジンでありませんし、オクタン価をあげないといけないような設計のエンジンではありません。そんなに高い圧縮比ではありませんし、レギュラーガソリン用に設計・設定されたエンジンにオクタン価の高い燃料を入れることに意味があるとは思えません。
さすがに、最近の車のエンジンだと、昔のようにレギュラー仕様車にハイオクガソリンを使用することによって、エンジンが壊れたりプラグがブリッジングしたり、あるいは溶けたりといった、重大な故障はなくなったようですが、指定外燃料は入れない方がよいと思っています。
何と言ってもミラーサイクルの低回転エンジンです。
エンジンをぶんまわして面白い車ではなく、エンジンをまわさないことが楽しい車です。

もっと軽いホイールやタイヤにすると燃費がよくなると思いませんか?


ばね下の重量の低減は、ばね上の重量低減の数倍の効果 があると、昔からよく言われていてアルミ合金などの軽量ホイールを装着する人が多いと思います。確かに、ばね下重量の軽減はサスペンションの追従性などの 向上といった効果は非常に高いものがありますが、車重そのものが大きく低減する訳ではないので燃費には全く関係がないと思います。
プリウスの場合、もともと軽量のアルミホイールが標準で装着されていますから、さらに軽いホイールに交換しても数キログラム軽くなるかどうかといったところです。燃費目的でのホイール交換は意味がないと思います。
プリウスの場合リヤサスペンションは独立懸架ではなくイータビームという構造のリジッットです。左右のトレーリングリンクはつながっているので、ばね下重 量という意味ではとんでもなく重いことになります。足回りを軽くしたくても、もともとの構造がこういう型式ではあまり大きな意味があるとは思えません。
  プリウスに乗っていると燃費、燃費となるのではないのでしょうか?


雑誌の記事などをみると、確かに燃費のことがたくさん書かれていたするのでそういう風に思われがちです。一般の人でも、燃費を気にして走っている人もいるとは思いますが、大多数のユーザーは普通の乗り方をしていると思います。



話題その3:車の性能や使い勝手について  
まずプリウスがハイブリッドカーであることを除いて、自動車としては、どのような感想を持っていますか。

この車は5ドアセダンなので、国内で販売されている車としては比較的珍しいカテゴリーの車です。ヨーロッパでは非常に多い型式ですが日本ではあまり売れないようです。
コロナの5ドアが廃止されてからトヨタには5ドアセダンが見当たらなくなっていましたが、コロナ=プレミオ=プリウスということを考えると、久々の5ドアセダン登場だと思います。5ドアセダンというのは思いの外使いやすいと思っています。
後部座席の上の部分が少し下がっているので狭そうな印象がありますが、一時代前のセダンに比べて全高そのものが高いため実際は狭苦しくありません。荷物もそれなりに積めますので日常の使用で困ることはまずありません。
比較する車があまりないのですが、似たような車ではマツダ・アテンザの5ドアがあります。スタイルではアテンザの方がずっとカッコよくてプリウスの方が「変な形」をしているように思います。

騒音について感想を聞かせて下さい。


停車中はエンジンが止まっているので文句無しに静かな車です。特に車外の騒音は圧倒的に静かです。高級車の中には室内はおそろしく静かなのに車の外には大きなエンジンが響く車もありますがプリウスは本当に静かです。
走っている時の音はエンジンが回っている時とモーターのみの時ではやや音質が異なりますが、そこそこ賑やかな車です。うるさいと思ったことはありませんが、特別静かだと思ったこともありません。

エンジンの感じはどんなものなのでしょう


ブオーンブオーンといった感じにまわります。キーンと 痛快にまわったりしませんが、苦しそうにまわっているのでもありません。これまでの常識から考えると少しも気持ちのよいエンジンではありません。音の感触からは、すごく頼りない感じがします。
音は頼りないのですが、上り坂などはモーターのアシストがあってぐいぐい登っていきます。回転上昇とともにトルクもパワーも上がっていくガソリンエンジンに対して、回転が上がるとトルクが落ちていく電動モーターの組み合わせなのでとても不思議な感じがします。

これからは、もっと小さなエンジンで、よりシリーズハイブリッドに近いシステムになるとよいと思います。ハイブリッドカーが進化するとエンジンの存在感がもっと希薄になってくると思います。
ユーザーがエンジンの型式や排気量にこだわっている間はまだまだなのだと思います。

で、実際の加速はどうですか。


日本国内の道路を走るのに何の問題もないと思います。もちろんGTやスポーツではないので普通 のセダンとして 考えるとパワーもトルクも十分です。やはり50キロワットもあるモーターは強力です。

ものすごくややこしいブレーキを持っていますが、これはどうなのでしょうか。


ブレーキペダルはただのスイッチです。マスターシリンダーにつながっている従来型とは異なります。はじめは、ものすごく心配でしたが、フィーリングは驚くほど普通のブレーキと変わりがありません。
回生ブレーキと油圧ブレーキを組み合わせていますが全く違和感がありません。効きが悪いとか逆にカックンブレーキになるとかいうことがありません。よくできたブレーキだと思います。
ディスク・ブレーキはパッドの粉をあたりにばらまく迷惑なブレーキシステムですが、プリウスの場合、回生ブレーキとの協調ブレーキなので非常にパッドの減りが少なく環境にやさしいものだと思います。

ごく普通の車ということなのでしょうか。


仕掛けは凝っていますが、実際に乗るとあっけないほど普通 の車です。ただし動力分割機構という独特のシステムを使っているのでトルクコンバータ付きのオートマチック車とは加速感が違います。ベルト駆動のCVTとも違います。

でも雑誌などにはCVT車と書いてあるのを見ますが、プリウスも無段変速ではないのですか。


最近のベルト型CVT車は途中にトルクコンバータを 使ったりしていますが、プリウスのTHSという仕掛けはエンジンとモーターが直結した無段変速機なのでフィーリングが違うようです。昔乗っていたホンダア コードがやはり無段変速機だったのですが、フィーリング的には似ています。あれは特別なトルクコンバータを使っていて無段変速と言うよりはトップギアのま ま発進できるトルコンのようなものでした。
CVTだとエンジンの回転が先に上昇して車の速度がやや遅れてついてくる感じですが、プリウスの方がエンジン音の上昇する感じと速度の間に妙な違和感がありません。無段変速と言うよりも無変速という感じの方が近いような気がします。

プリウスにもクリープ現象があると聞きますが。


トルクコンバータのようなクリープ現象はありませんが似たような動きはあります。正確にはモーターを使ったクロール機能がプリウスにはついています。 アクセルから足を離しても車がそろそろと動く機能です。
オートマチックトランスミッション(AT)車の大半が採用しているトルクコンバータは流体継手なの でエンジンが回っていると、出力側(車輪の方)へ必ず力が伝達されています。アクセルを全く踏まなくてもアイドリング状態でも車がそろそろと動くことがあります。
これはトルクコンバータの欠点なのですが、極低速、たとえば車庫入れなどではこれを使って車を動かすことができるので、運転のあまり上手でない人でもオートマ車の場合は簡単に車庫入れができます。アクセルを使わずにブレーキだけで車を動かすことができます。

プリウスにはトルコンがないのでクリープはないのですが、モーターの制御プログラムで同じような動きが出るようになっています。
最近欧州車に増えてきたツーペダルのマニュアルミッション車などでも極低速の走行を楽に行うようにと、オートクロール機能を持つ車がありますが、プリウスの場合は電気モーターを使うので非常にスムーズです。

クロール機能というのは必要なのでしょうか。


クリープ現象は制御できないので、クリープ力が強すぎる場合、たとえばエンジンがアイドルアップしている場合など、コンピュータ制御によってギヤを高くし たりして車が動き過ぎないようにすることがありますが、プリウスの場合、クリープ現象がないので、モーターによるクロール機能によってずっと高度に制御されています。
個人的にはブレーキは右足でも左足でも踏めるので、クロール機能は必要がないと思います。
ただ、右足ブレーキしか使えない人も多いため、ゆっくりと車庫入れなどを行う時などに速度の微調整が難しいドライバーもいます。こういう場合アクセルを踏まずにブレーキ調整だけで速度を調整できるクロール機能が便利なのかも知れません。

プリウスの場合、ブレーキペダルを踏んでいるとクロール機能がカットされ、モーターに通 電されなくなりますので一般のオートマ車のように不用意に動き出すことがなくとても楽です。ただ、プリウスに慣れてしまうと他の車に乗る時は意識的に強くブレーキを踏まないと強いクリープ力に対応できなくなるので注意が必要です。

乗り心地はどうなのでしょうか?


ゴツゴツした感じもありませんが、ふわふわした気持ち悪さもありません。毎日乗っているとだんだん分からなくなってきますが、普通 なのでしょうか。

足回りはどうですか。ツーリングセレクションに乗っていますよね。


正直言うと、少しがっかりしています。ハイブリッドにお金がかかったので足回りまでお金をかけられなかったのかなと思います。
しっかり感はありませんし、しなやかさも感じません。
ハイブリッドカーはどうしても重くなり、モーターやインバータのある前の方は特に重くなるようです。もう少ししっかりした足回りにして欲しいと思いました。
セダンなのでこの程度でも合格かなとは思いますが、最近の車であることを考えると不満です。

空力に気をつかったボディではないのですか。


レーシングカーのようにダウンフォースをつけるための空力ではありません。乗用車でありエコカーなんですから空気抵抗を減らすための空力設計のはずです。
乗用車などでもリヤスポイラーをつけた車がありますが、せいぜいリヤのリフトを抑える程度であってダウンフォースまで発生させることはまずありま せん。プリウスのリヤハッチゲートにも少しだけリヤスポイラがありますが、あれなんかは車体上面の気流の剥離点を後方に下げて、ドラッグを抑えているよう な構造に 見えます。

プリウスの場合、なぜだか、はるかに背の高いイプサムより安定感がありません。 真横や斜から強い風が吹くとかなり気をつかいます。
まあ速度を落としてゆっくり走ればどうということはないのかも知れませんが、道路のわだちなどにもよく反応します。接地感に乏しい感じがします。
空力がどうのというよりもサスペンションの構造なりセッティングなりが、あまりよくないような気がします。



話題その4:プリウスを買う 
プリウスを買う時に悩んだりしませんでしたか

いろいろな意味で目立つ車なので、恥ずかしい車かどうか、少し気になりました。

プリウスって恥ずかしい車なのですか。


そうではなく、プリウスのようなハイブリッドカーに乗っていると変な人だと思われないか、ということです。下品な車だと思ったことはありませんが、やはり変な車だとは思っていました。

近くでプリウスを見たことは?


勤務先のある茨城県つくば市はプリウスをよくみかける場所です。県庁や村役場の車などでも見ますし、一般の車もみかけますが乗っている人は高齢の人が多いですね。
本当はトヨタ車に乗っているだけもオッサンぽくなるのでできればセダンは避けたいと思っていましたが、新型のプリウスの現物を見た時に、今度のプリウスは購買層がもっと若くなるだろうと思ったので、まあいいか、と思いました。

車を選ぶ時にスタイルを気にしますか?


あまり気にしませんが、周囲に不快感を与えるような車だけは避けたいと思っています。あと高級感のある車は泥棒に狙われるだけなので、できれば安っぽく見える方が好みです。
車の外観は室内や荷物室の広さなどとも密接に関わりますが、プリウスの場合は、それなりの妥協点を見出しているように思います。
スタイルは個人的な趣味の領域になってしまいますが、カッコいいとも思いませんが、そんなにおかしいとも思っていませんので納得しています。
後から見るとかなり腰高で視界もよくない感じで、室内が狭そうに見えてしまいます。同じ5ドアでももっとスリムでカッコのいい車もありますが、プリウスはかなりずんぐりしています。

ずいぶん変わった意見ですね。
普通は高級感のある方が好まれると思いますが。


た とえば室内などは革製品は非常に嫌いです。ステアリングの革巻きくらいはいいのですが、シートや内装材に革が使ってあるとそれだけで嫌です。これは個人の 趣味の問題だと思いますが、木や布の質感の方が落ち着きます。欧米人のように革製品を上品に使いこなせるセンスを持っていないので、とても違和感がありま す。
また社会的ステータスを示すような車は嫌いです。トヨタ車のようにたくさんのラインナップがあってその中にヒエラルキーがちらちら見えるような車がとても嫌いです。車には走る道具以上のものを感じません。

買うと決めた時、お金はどうしましたか。


およそ10年に1回くらいは、車を買い替えていますので、プリウスくらいの値段はあまり負担に感じませんでした。1年あたり20万円の償却です。車が無いと生活できない地域なので仕方ありませんし高いとは思いませんでした。国の助成金も交付されたのでとても助かりました。

助成金についてはどう思いますか?


せっかくある制度なので利用させてもらいました。ハイブリッドカーのような車の普及のための制度ですが、プリウスの場合、車両価格の約1割くらいに相当するのでかなり大きな金額です。
個人所有の車の場合、社有車や公共団体などの車に比べて審査条件が少し厳しく書類なども煩雑になるのがやや不満ですが、それでも国の助成金としては手続きが簡単な方だと思います。

販売店では協力してくれないのでしょうか?


助成金が得られるといった宣伝を行って車を販売したり、申請を代行したりすると違反になると思いますが、申請書類の書き方や方法については、販売担当者の方にひととおり教えて頂いたのでとても助かりました。
一連の手続きの最後に、実績証明というのがあって、申請書に基づいて確かに車を購入したという証拠を示さなければなりません。販売証明が必要なので、販売店の協力なしには申請はできないと思います。

グレードやオプション、ボディーカラーなど悩みませんでしたか。


結論から言えばどれを買ってもプリウスには変わりはありません。エンジンやモーターは同じですからおまけの選び方だけです。
これはプリウスに限らず、最近の車の傾向なのですが、グレードを変えてもエンジンやサスペンションなどの車の基本的な部分はほとんど変わらないこ とが多いようです。一般ユーザーの自動車に対する知識や興味がどんどん低下しているのでメーカーとしてはおまけ機能で車を選んでもらうようにしているので はないかと思ったりします。

プリウスの場合、やはり、エコカーということで大きな矛盾があります。
いざ車を買う時になると、どうでもよい装備でも、それを選ぶことはユーザーにとって愉しみのひとつです。しかし、いろんな装備をつけるとエコロジーやエコ ノミーからはどんどん離れていってしまい、プリウスの良さがなくなってしまいます。このあたりのバランスが難しいと思います。

もったいないとは思いますが、カーナビだけはつけようと思いました。イプサムに8年乗って、カーナビとバックモニターの有り難さが身に染みたので少々高くてもつけるつもりでした。プリウスの場合、トヨタの他の車種に比べて純正カーナビが割安なので少したすかりました。

別のページにHIDにこだわったと書いてありますね。


消費電力を考えてもHIDを標準にすべきと考えています。
今までのハロゲンランプだとどうしても長持ちしないので、切れる前に頻繁に交換していましたし、常に車の中に予備の電球を置いていました。ものすごく無駄なことだと思っていましたし、フィラメントが垂れてきて光軸が変わるので調整も面倒でした。
これからLEDに替わると思われている時代です。今HIDの車を買っても10年後にはきっと陳腐化していると思いますが、そうなると、いまさら白熱電球もないものだと思いました。

明るさ重視ということではないのですか。


照度と言う点ではハロゲンランプでもHIDでも同じか、あるいは、高効率のハロゲンランプの方が明るいかも知れません。
色温度もあまり高いと非常に見づらくなりますがプリウスのHIDだとほぼ昼光色に近いので使いやすいと思っています。色温度は光源の波長の主な成分を示していますが、照らされる対象物によって感じ方が異なるのでむやみに高い色温度はよくないと思っています。

以前、6000ケルビンくらいのハロゲンランプを装着して、ほとんど使いものにならずに1週間程度で捨ててしまったという失敗がありま す。プリウスのHID程度がそこそこ使いやすいと思います。電球メーカーなどの宣伝方法に問題があるのかも知れませんが色温度を明るさの尺度のように勘違 いする人が多いようです。

あと、H4互換の後付けHIDという方法もあるかと思いますが、H4の2つのフィラメント位 置にHIDのバルブを移動させてハイ・ローを切り換える方式だと、ハイビーム時に手前が真っ暗になってしまう可能性があってやはり純正品が必要だと思いま した。シェード移動型だとこういう心配はないと思います。ロービーム常時点灯型の4灯式だと後付けでもよいのですが、プリウスは2灯式なので悩みました。

ヘッドライトには専用のコンピュータ制御があるようですが。


ツーリングセレクションのHIDにはオートレベライ ザーなどを制御するヘッドライトコンピュータがついています。HID装着の車のほとんどが室内からヘッドライトの光軸の調整ができるようになっています。 調整といっても上下だけですが、これはHIDの場合、光源の照度が高い場合が多く、対向車を幻惑することがないようにとの配慮からです。
大勢乗ったり、荷物を載せたりすると車の後が下がってヘッドライトが上にあがってしまうことがありますが、このような時にレベライザーを使うこと になります。プリウスの場合、室内にはレベライザーのダイヤルがありません。コンピュータが制御しているので運転者が調整する必要がありません。
制御の基準点についてはユーザーレベルでは調整できないのでディーラーの整備工場にお願いしています。納車時の初期設定ではやや光軸が高いように思えたので、一番低い位置に変えてあります。

ヘッドライトのオート点灯が標準装備になっていますが、使っていますか?


コンライトはHID車にもハロゲンランプ車にも標準でついています。
点灯する感度は3段階あります。日没時にいくら待っても点灯しないので、自分でスイッチを入れることが多く、ほとんど使えない状態でしたが、これ も整備工場で設定を変更して最も早く点灯する位置に変えてからはほぼ実用的になりました。ヘッドライトのスイッチは年中オートの位置になっていて、触るこ とがありません。
プリウスのようなスピードメータはそれ自体が発光するため基本的に夜間照明というものがありません。したがって、薄暮から日没までの間でうっか り点灯を忘れてしまう可能性が高いので、コンライト機能を使ってオートにしておくのがよいと思います。これはオプティトロンメータやFL管発光のメータの 車には是非欲しい機能だと思います。

HID目的でツーリングセレクションを選ぶとタイヤがワイドになってカタログの燃費も少し悪くなりますよね。


車重の関係で計測時のシャシーダイナモの負荷がかなり違うために大きな差になっているのだと思います。燃費マニアではないので、リッターあたり30キロメートルだろうと35.5キロメートルだろうと、何の問題もありません。十分に他の車より低燃費なのは分かっています。

ツーリングセレクションにはフォグランプもついていると思いますが、使っていますか?


茨城県は海岸線沿いで濃い霧が発生することが多いのですが霞ヶ浦近辺ではほとんど霧が発生することがなく、滅多にフォグランプを使うことはありません。
晴れているときにフォグランプをつけて走っている車をみかけますが、とても迷惑です。
きちんとした配光設計をして定期点検などでもちゃんと光軸調整をおこなっているヘッドライトに比べると一般のフォグランプは対向車などを幻惑する可能性が高く、濃霧などの特殊な天候時以外での使用は迷惑以外のなにものでもありません。
たまに晴れた日にリヤフォグランプを点けたまま走っているとんでもない迷惑車を見かけることがありますが、プリウスの場合は寒冷地仕様車にのみリ ヤフォグがあります。フォグランプは、使用頻度の高い地域とそうでない地域があり、また正しい使い方の出来ない人も多いのですから、ツーリングセレクショ ンのセットではなく個別のオプションにして欲しいと思います。

ボディカラーは青ですよね


初代のプリウスは、非常にきれいな色が多くて気に入っていたのですが、20型のプリウスはとても地味な色が多く、困りました。
メーカーにはもっと色のバリエーションを考えて欲しいと思います。

でも8色は、セダンとしては多い方ですよね。


いや、選べない色をはずしていくとそんなに選択肢はありません。青は消去法で選んだようなものでそんなに気に入った色ではありません。
色だけは個人の趣味なのでどうにもなりません。

濃い色は汚れが目立ちますが、洗車をしていますか?


これもエコカーとしては大きな問題です。水をかけてザーザー洗うのはエコカーにはおよそ似合わないと思いますが、確かに濃い色の車は汚れが目立ちます。出身が福岡なので、車は洗うと言うよりも掃除するという言い方の方が感覚的にはあっています

福岡の人は車を洗わない?


水不足の地域も多く、水をとても大切にするところなので、ホースでジャージャー水をかけて車を洗うのはとても恥ずかしいことだと思っています。今はどうか知りませんが昔はそんな感じでした。
つくば市や土浦市は水道料金が非常に高いところなので、やはり車を洗うのは控えたいと思っていますが、雨上がりは泥だらけになって目立ちますから、頻繁に雑巾がけをするようになりました。
イプサムはボディの下半分がシルバーグレーだったので泥はねが目立ちませんでした。

雑巾がけをするとボディが痛みませんか?


塗装には細かな傷はつくかも知れませんがボディは大丈夫です。そんなことを気にしていたら車に乗れなくなると思っています。最近は、自動車用の科学雑巾(化学雑巾)がとても便利です。

ボディのコーティングはしないのですか?


車の塗装は紫外線などで劣化したりひび割れたりするのでたまにワックスをかけています。きれいにするというよりは塗装を長もちさせるために半年に1回くらいは面倒でもワックスをかけています。
新車の時に行う高価なコーティング施工はイプサムを買う時にだまされたと思ってやってみましたが、費用対効果という点ではワックスの方がはるかに安いと思いました。

ところで、ABSやエアバッグなどは今のトヨタ車には全て装備されていますよね
    ABSに関してはイプサムとほぼ同じような動きです。ただしブレーキペダルがただのスイッチなので本物のキックバックなどはありません。
プリウスにはトラクションコントロールもついていますが、勢いよく発進させると路面 によってはタイヤから一瞬スキール音がすることがあるので完全にホイールスピンを防いでいるという訳ではなさそうです。これは空転によるモーターの過負荷をおさえるためのもののようです。


 



話題その5:プリウスに乗る 
買うときめる前に試乗はしましたか。

1度だけ試乗しました。以前エスティマハイブリッドにも試乗したことがありますがプリウスの方がはるかに乗りやすいと思いました。やはりハイブリッド車は、試乗した方がよいと思います。カタログからは分からないフィーリングがあります。
  このホームページにはGT3(グランツーリスモスリー)のコーナーがありますが、あのシミュレータでは体験できないのでしょうか?


続編のGT4には20型プリウス(新車)と11型プリウス(中古車)がありシミュレーションもよくできています。
GT3では免許試験に少し手こずりましたがGT4は数日で免許をとることができるので、ゲームの質がかなり向上している割には、難易度は下がったように思います。リアル感は相当なものなのでプリウスの体験もかなり本物っぽいのですがちょっと残念です。
  面白くないということですか。


このゲームは現実に存在するタイヤだと面 白くないのでかなり高性能なバーチャルなタイヤがついているのですが、さらにレーシングタイヤやいろいろなチューニングを施してもプリウスの運転は全く楽しくありません。
他の車種がスポーツカーやGTやホットハッチなど、それなりに楽しい車が多いためプリウスのようなセダンだと明らかに走行性能が劣る感じです。
他の車と同じような速度で走ると、曲がらないので楽しくありません。
現実のプリウスも普通のセダンなのですが、仮想現実のプリウスも走りを追求する車ではないということが体験できてしまいます。
  やはり本物でないとだめということですか


シミュレーターの方があまりにもリアルに普通 のセダンを再現してしまっているので本物に試乗しないとプリウスの楽しさは分からないと思います。
あのゲームはバーチャルに時速300キロメートルオーバーを楽しむためのものであって、現実的な車では楽しくありません。
トヨタの販売店で一時、GT4のプリウス限定版を配付していましたが、ゲームとしては全く面 白くなかったですね。 プリウスの楽しさはレーシングゲームとは全く別の方向にあると思います。
本物のプリウスの運転感覚はやはり試乗車に乗らないと分かりません。
  注文してから納車までかなり時間がかかったと聞きますが。


インバータやモータなどハイブリッドカー特有の部品があるため、供給体制が整うまでかなり時間がかかったのではないかと想像します。約2ヶ月程待ちました。車を買うのにこんなに待たされたのは初めてです。
おかげで納車までに取扱書を全部読む時間ができてしまいました。
  説明書をずっと読んでいたら、納車時の感動がなかったのではありませんか。


自動車を買う時にはそんなに感動したりしません。もちろん高価な商品を手に入れるわけですからそれなりにドキドキしますが、パソコンの新しいソフトを買った時と似たような気分です。それよりも前の車を手放すので少しさみしい気がします。
  納車された時の感じはどうでしたか。



別のページに書きましたが、やはり前車との違いがしばらく違和感になって現れます。乗り始めた頃はEMVの画面 を頻繁に見ていて、今思うと、危ない運転をしていたなあと反省しています。
最初にガソリンを入れた時はまだ全体的に慣らしが完了しておらず、プリウスにしてはたいした燃費ではなかったのですが、それでもイプサムの半分の燃費だと分かった時は、やはり、おっすごいな、と思いました。
イプサムではリッター8キロメートルぐらいだったのが、リッター16キロメートルくらいになったのですから、やはり驚きです。重量 は100キログラムしか軽くないのに不思議なものです。
  視界や運転のしやすさはどうでしたか?


乗り始めてすぐに車両の感覚には慣れました。イプサムに比べて明らかに車幅が広くなったことは分かりました。全体的に周囲が見やすくなったので運転は楽です。
前 が下がっているため ボンネットやフェンダーが見えなくて不安だと言う人もいますが、これまでボンネットが運転中に直接見える車に乗ったことがないので全く問題はありませんで した。ホイールベースの2700mmは比較的長い方だと思いますが狭い道で曲がりきれないというものでもなく、また内輪差を特別 意識しないで乗ることができるものです。 




話題その6:プリウスの装備
プリウスと言う車、ハイブリッドカーであると同時に、大きなおもちゃのようなところがあると思いますが、どうですか

ごちゃごちゃと色んなものがついていますが、これはプリウスと言うよりもトヨタ車だからではないかと思っています。確かに大きなおもちゃといった感じはあります。
ハイブリッドカーである点を除くと、あまり最先端技術が使われているようには思えませんが、おもしろ装備や目新しさで何となくごまかされているような気もします。日頃、他のメーカーの車を運転している人が同乗すると驚くことがあります。

たとえば、どんなことですか。


運転席と助手席のサンバイザーには鏡がついています が、これには照明灯がついていて、そのオンオフスイッチがついているだけでなく、鏡を隠すためのスライド式のふたもスイッチになっていて、さらにサンバイ ザーの根元の蝶番もスイッチになています。これを初めて見た人は、便利だと思うよりも、どうしてこんなところにお金をかけるのかと、半ばあきれたように見 ています。
ナビは電源をオンにすると日付をしゃべったり、かなり正確な音声入力なども可能です。これなどはトヨタ純正ナビの機能であって別 にプリウスだけの装備と言うものではありません。
しかし、ナビの便利機能がステアリングスイッチなどとも連動しているため、先進機能と勘違いされることがあります。とにかくステアリングには今まで見たことがないくらいたくさんのスイッチがあるため、そう思われるようです。

EMVという大きな液晶画面がまん中にありますが、あれがプリウスの特徴ですね。


最近はあの位置にカーナビの画面を置く車が多いので、特にプリウスだけが変わっているという印象はありませんが、燃費画面 やエネルギー画面はプリウス独特のものです。
さらにオーディオや空調の操作までEMVで行っていて、空調のスイッチはパネルにはありません。オートエアコンなので操作性はあまり問題ではありませんが、やはりスイッチがないのは直感的ではありません。

運転手はステアリングスイッチで設定温度や内外気切り替えなどがワンタッチでできるのでとても便利なのですが、助手席側から操作する時は画面 をタッチして行うのであまり簡単だとは思えません。ナビの音声入力でもエアコンの操作はできますが、おまけのようなもので実用的とは思えません。
最近は、燃費計がついている車が増えてきましたが、通常はスピードメータの近くなので見やすくなっています。プリウスの場合はEMVに表示されます。低燃費が特徴のプリウスですが、運転者からは燃費計が見づらくなっています。

EMVの使い勝手をもう少し教えて下さい。


最初はとにかくエンジンやモーターの動きを知るのに面 白がってみていました。ただしプリウスの特徴であるTHSシステムの発電機が省略されていてモーターと発電機が兼用になった図なので大きな誤解を受けそうです。このエネルギーモニター画面 は、運転中に眺めるとものすごく危ないと思います。それは一般のカーナビでも同じですが運転中に手元のEMVを見るのはやはり難しいですし危ないと思います。特にプリウスの場合は速度計が遠視点になっているためEMVの位 置とのギャップが大きく、バックミラーをちらちら見るのとは訳が違います。やはりこの画面 は助手席専用と考えたいと思います。

2003年型の初期ロットは、燃費画面とエネルギー画面の切り替えがEMVのタッチパネルでしかできなかったのですが、途中からステアリングス イッチで簡単に切り替えられるようになりました。我家のプリウスは初期ロット製品だったのですが、途中で故障して、無償交換となったため新型のものになっ ています。

エンジンと言うかシステムの起動方法が独特ですよね


キーを差し込んでボタンを押すと言うのは今までの市販車にはなかったものです。セルモーターをキーではなくボタンで操作する車はありますがメインスイッチをボタンにしたのは初めてではないかと思います。
慣れるととても使いやすいのですが、なぜこんなスイッチにしたのか理由はあまりよく分かっていません。

とても変わったシフトレバーですよね


プリウスのシフトレバーはただの電気スイッチです。このくらい小さい方が邪魔にならなくていいと思いました。オートマなんだから走行中にシフトレバーを操作することがあまりありません。
プリウスの場合、ブレーキの油圧が電動なのでシステムを起動していないとブレーキを使うことが出来ません。
電源オフのじょうたいじょうたい状態ではPポジションになってギヤロックされているのですが、このロックが外れて車が動きだすと危ないので、システムが起動しブレーキが使用可能な状態にならなければシフトレバーを動かしてもギヤのポジションは動かないようになっています。
プリウスのシステム起動もシフトレバーの操作も基本はブレーキペダルをきちんと踏んでいないと操作できないようになっています。

あまりにも簡単なシフトレバーなので子供がいたずらすると危ない、特にPボタンは危ないという話を聞きますが。


車の中は遊び場ではないので、いろいろなものを勝手に触らないようにしつけるのが重要だと思いますが、そもそも子供が前の座席に乗ること自体が危険です。 プリウスだけが危ないということはないと考えています。

トヨタラウムのようなステアリングスイッチが目立ちますが


とにかく最初はスイッチの多さに驚きますが。すぐに覚えられます。パソコンのキーボードや携帯電話の日本語入力などに比べたら楽勝です。とても便利です。
スイッチの形状や位置が非常によく考えられていて、間違って操作することはほとんどありません。また走行や安全に影響を与える機能はないので、もし操作を誤っても問題はありません。
セ ンターのスイッチが固定されていると、ステアリング操作中に指を挟んだりして危険なので、スイッチはステアリングと一緒に動いています。回転しているとこ ろに電気のスイッチや照明の配線を行っているのでかなり凝った仕掛けだと思いますが、ラウムで使われていたものよりもスイッチの数がかなり増えています。

カーナビがついていますよね。


プリウスのカーナビはオプションですが、装着率はかなり高いとのことです。
もともと標準でEMVがついているためこの表示部をカーナビも利用しています。したがって値段が他の車種に比べて安くなっていることもあって装着する人が多いように思います。。
イプサムについていた、8年前のカーナビに比べて格段に賢くなったと思います。
バックモニターはイプサムと同様にナンバープレートのところにカメラがついています。イプサムのモノクロに対してカラーになっていますが視認性は同じよう なものです。後方視界はミニバンのイプサムに比べるとかなりよいのですが、それでも真後ろの確認にはバックモニターがとても重宝します。

後方視界がよくないのでバックモニターがついているのでしょうか?


そ んなことはないと思います。最近ではセダンでもバックモニターをつける車は増えています。プリウスの後方視界が特別 よくないとも思いません。ノッチバック のセダンだとバックする時にトランクリッドの先端が分かりにくいのですが、5ドアのプリウスでは、ガラス窓から見えるところまでがボディなのでかえって運 転しやすいと思います。この車で視界がよくないと思うのなら、ミニバンやクーペは運転できなくなります。
もちろんバックモニターは駐車時には非常に役立ちます。

カーナビのおまけにインテリジェントパーキングアシストがありますが?


実用性という意味ではハテナですが、特別 に部品を追加している訳では無くオンオフスイッチ以外にはコストアップの理由もなさそうなので、試みとしては面 白いと思っています。
画 像認識システムが予想外に正確なのには驚きましたが、残念ながら自分で運転するよりも遅いのであまり使う機会がありません。操作や設定などは一度慣れると 簡単なのですが、バックする時の速度があまりも遅いため、よほどのんびりとした気分の時しか使うことができません。普通 のスピードでバックするとすぐに自動運転がキャンセルされてしまうため極めて低速で走行する必要があります。
あとステアリングの 自動操作があまり滑らかではないようです。
  オプションについて、装着して失敗したものはありますか。


オーディオをMD付きにしたのですが、ほとんど使って いないので失敗したと思っています。CDも6連チェンジャーになっいるのですが、これもCDを入れっぱなしにしてしまっているためあまり役に立っていませ ん。iPod買う方がずっと安いので、やはりもったいなかったと思います。
  車を買う時に車そのものと同じくらいいろいろな便利機能を重視して決める人も多いように思いますが、その他に感じたことはありませんか。


リモコンドアロックはイプサム以来使っていますが、確かにものすごく便利だと思います。うちにある他の2台の車にはリモコンがないので、乗り換えたときに一番初めに気づく点です。
イプサムでは8年間電池無交換で使えたので、普通に使っていて電池切れになる心配もなさそうです。プラスチックの箱のようなキーはイモビライザー機能があるリモコン発信機兼用なので水に落としたりぶつけたりしなように気を付けています。

リモコンドアロックは便利装備と言うよりは最近では必需品に近いと思いませんか。


プリウスの場合、リモコンキーあるいはスマートエント リーでしかドアを開錠することができません。メカニカルキーと呼ばれる機械式の鍵はドアを開けるためのもので、このキーでドアを開けると盗難防止機能が働 くためのあくまでも緊急用で、しかも鍵穴は運転席側にひつとあるだけです。イモビライザーを搭載する車が増えるとこのような機能がごく普通 になるのだろうと思います。

リモコンによるドアのロックおよびアンロックの時にハザードランプが点滅するようになっています。これはあまりもうっとおしいので点滅しないように設定しました。ロックとアンロックはスイッチが別 なので間違えることはありませんし、もし間違ってアンロックしたまま離れてもタイマーでロックされてしまうのはイプサムなどとも同じなので心配はありません。

スマートエントリー装備のグレードもありますよね


我家のプリウスには装備されていませんが、標準装備さ れている車もあります。10年程前にダイハツストーリアが採用したものと似たようなもののようです。最近ではスマートエントリーを採用する車が増えている ようです。トヨタの方式だと車から離れた場合にオートでロックするのではなくドアノブのボタン操作でロック行うため、ゴムのスイッチが外からみても分かり ます。

グレード間の装備の違いについてどのように思いますか?


プリウスにはSグレードとGグレードの2つしかないので、分かりやすいのですが基本はS-VSCだと思います。

VSCは横滑り防止装置として安全に寄与すると思いますが?


今 の電子技術や制御技術を用いれば、アンダーステアからリバースステアになりそうな状況において、ブレーキの油圧をうまく制御してスピンしないように車を減速させることができると思います。これは何か特別 な装備があるというよりは、もともとのブレーキが独立の電子制御なのでソフトウェアなどを工夫すれば比較 的簡単に負荷できる機能だと思います。
プリウスの場合は、電動パワステのアシスト量も制御してひとりでにカウンターステアをあてやすいようにしているのが特徴ですが、一種の保険のような機能だと思っています。

保険のような、というのは、滅多に使わないということなのでしょうか。


FF車でカウンターステアが必要な状況と言うのは、かなり無理な運転をしている状況だと思います。
安全運転に有効であれば、もっと普及すべきと思いますが、今のところS-VSCはプリウスだけの装備ですし、全グレード標準ではありません。S-VSCがなければ危険であるとは思えず、また、あれば、それで、絶対安心だという機能であるとも思えません。
乗用車のVSCというのは、本来、速く走るための装備ではなく、ゆっくり安全に走るためのものです。もし装備されていてもこういった機能の世話にならない運転が大事だと思います。





話題その7:何か変わりましたか?
運転が変わりましたか?

もちろんエンジンの始動という手順が、システムの起動に置き換わったため運転を始める動作が変わったと思います。

具体的にお願いします。


今までは、キーをさす、シートベルトをする、セルモーターをまわす。一呼吸おいてから、ブレーキを踏んでギヤを入れて、パーキングブレーキレバーを解除する、といった感じでした。
プリウスになってからは、キーをさす、シートベルトをする、というところまでは同じなのですが、ブレーキを踏んでシステム起動ボタンを押す、次にナビと燃費モニターの画面 をひととおり切り替えて、通算燃費などにさっと目を通してから、ギヤを入れるようになりました。
発進する前にEMVでいろいろ確認するようになりました。セルモーターを回すという手順がないことがものすごく快適です。
  出発直前にシートベルトをする人も多いと思いますが、シートベルトをしないとシステムが起動しないということはないですよね。


プリウスにはそこまでのインターロック はありませんが、シートベルトをしてからセルモータを回すというのが長年の習慣になっていたので、プリウスでもそうしています。プリウスの基本は、何か操 作する時はブレーキペダルをしっかり踏んでおく、という点で他のオートマチック車とかわりはありません。
  プリウスの助手席シートベルトは非装着警報装置がついていますよね。


そのうち法制化されると思いますが、プリウスでは既に装備されている機能です。しかけはあまり複雑ではなく助手席シート座面 体重センサーによる検出だけのようです。せっかちな人が車が完全に停止する前にシートベルトをはずすと警報がなります。

こういった警報装置は邪魔だと思いませんか。


重いカバンを助手席に乗せたりすると、 体重センサーが反応することがありますが、おかげで助手席のカバンが落ちないようにシートベルトで固定することが多くなりました。座席の上にあまり重いも のを載せているとブレーキをかけたときにドサっと落ちてあわてることがありますが、人間用のシートベルトでも意外にカバンが固定できることがわかりまし た。
座高センサーなどがついているとカバンと人間を間違えることはないと思いますが、プリウスは体重センサーだけのようです。
メーカーがせっかく装備したこのような装置を外す人がいるとのことですが、とても残念です。

シートやシートベルトにかわった所はありませんか。


後部座席のシートベルトが全て3点式になった点がイプサムとの違いですが、基本的には何も変わっていないようです。
後部座席、イプサムで言えば2列目のシートがスライドしなくなったのが残念ですが、セダンなので仕方ないと思っています。定員乗車することはほとんどないので気にはなりません。

後部座席でもシートベルトを使っていますか?


家族で出かける時は全員シートベルトをしています。子供達には小さい時 から「自動車の速さはジェットコースターよりも速く、ぶつかることもある」と教えて来たので、必ずシートベルトをするようになりました。テレビなどで衝突 実験などをやっているシーンなども見せて来たので後部座席の人がシートベルトをしないと前の座席の人にぶつかったり、車外に飛び出したりして危険だという ことも教えて来ました。
中学生になるまでは助手席にも乗せたことはありませんが、多くの先進国では常識的なことです。
日本ではシートベルトしないと運転手が罰せられますが、タクシーの乗客など、装着しない本人が罰せられるようになっている国もあります。法律を作る国会議員の多くが後部座席でシートベルトをしていない国です。安全意識が低いと思います。


サイドエアバッグを装備していますか?


オプションのサイドエアバッグは考えたすえ、装備しませんでした。
前席のエアバッグに比べて展開位置が乗員に非常に近いので、まだうまく使いこなせないのではないかという心配の方が強かったためです。
たとえば後部座席の乗員が眠ってしまった時など、エアバッグの展開部に頭がくっつていしまう心配があります。コートハンガーなどは使えませんし、アシストグリップやシートカバーなど装着が難しいものもあります。
シートカバーは使っていないので問題はないと思いますが、シートに何かをかぶせてしまったり、傘やハンガーをかけたりといった、 ついうっかり、というが心配です。
もちろんサイドインパクトに対しては非常に有効な装備だと思うのですが、正しい使用方法については、まだ自信がありませんでした。


パーキングブレーキが足踏みになっていると思いますが?


イプサムのパーキングブレーキはレバー式でしたが、プリウスはペダル式になっています。コラムシフト車だけでなくフロアシフト車でもペダル式が多くなってきていますが、使いやすいとは思いません。
特に左足ブレーキを使う時はペダル式のパーキングブレーキの操作は面倒です。

プリウスでも左足ブレーキは有効なのでしょうか?


エンジンの回転をあげて走る車ではない ので、効果 があるとは思えませんが、左足ブレーキを使っても別に問題はないようです。回生ブレーキはブレーキベダルではなくアクセルペダルの位 置検出を優先しているようなので、両方のペダルを同時に踏むと、普通の車と同じ挙動を示すようです。
左足ブレーキが使える人の多くが右足でもブレーキを使える、というか、もともと右足でブレーキを操作していたのが、練習して左も使えるようになったという 場合が多いので、普段左足ブレーキを使っていてもパーキングブレーキの解除時などは右足でブレーキを踏むようにすれば問題はないと思います。しかし、入替えが面倒なので発進直後は右足ブレーキを使うことが多くなってしまいました。
ブレーキ操作の技量は個人差が大きく、左足ブレーキにはかなりの練習が必要な場合もあると言われています。人によってはかえって危険な場合もありますので、他の人に勧められません。
オートバイからスクーターに乗り換えた時に、クラッチと勘違いして後輪のブレーキをロックさせてしまう人がいますが、4輪車でも左足でブレーキを操作するとうまく適応できない人はいます。特にカックンブレーキになる人には難しいと思います。

マニュアル車でもプロのレーサーだと左足ブレーキも使うことがあるようですが、通常はヒール&トゥーです。
乗用車のオートマ車の場合、ヒール&トゥーの必要性がほとんどないこともあって、ヒール&トゥーができない配置になっているため、(パワーのない車で山道 を走る時など)どうしても左足ブレーキに頼ることがありますが、プリウスの場合、車が上手に走ってくれる上に、エンジンを高回転に維持するメリットがあり ません。

(レーシングカーの多くがシーケンシャルギヤになっていますが、特にF1ではクラッチがステアリングについているためペダルは2ペダルです。少し前まで、 ルーベンス・バリチェッロだけが、特殊なペダルで右足ブレーキを使っていたようですが、基本的にはヒール&トゥーを使わず左足ブレーキとして設計されてい るようです。プロのドライバーは並外れた運動神経と頭脳を持っているので、あのすごい加速度がかかった状態でも、複雑なステアリングスイッチやパドル、ペ ダルなどを正確に操作できるのだと思います。)

発進加速は今までと比べてどうですか?


まわりの車と同じように加速しています。床までアクセルペダルを踏み込む必要は全くなく、普通 に運転できます。1500ccのエンジンで車重が1.3トン近くあることを考えると、やはりモーターのアシストは役立ちます。
発進時はプリウスといえども、かなり燃費はよくないようです。

燃費を考えて今までよりゆっくり走るようになったということはありませんか?


燃費計がついているので速い速度で走るとすぐに燃費の結果 に表れますので、それなりに精神的な抑制効果はあるようですが、基本的には、今までとあまり変わらないと思います。

走行距離はどうですか?


車を買った直後は、やはり新車だということで少し走行距離が増えるのが速かったように思いますが、1年くらいたってデータをみたら、これまでとあまり変わらないようです。





●プリウスに関する疑問
●プリウスってどこで充電するの?
これ、まだ時々聞かれることがあります。
プリウスは電気自動車ではありません。ガソリンエンジンの自動車です。電動モーターと高電圧バッテリーを持っているので電気で走ることができます が、その電気は外から充電しているのではなく、ガソリンエンジンで発電機をまわして作っておいたものです。駐車中に家庭用の電気などを充電しているのでは ありません。
●プリウスの電池ってすごく(値段が)高くて長持ちしないのでは?

これ、本当によく聞かれます。何回充電でき るのかというのも聞かれます。初代プリウス発売からまだ7年しかたっていないので、それ以上の長期間の経験(実験ではなく一般の人の使用経験)はまだあり ません。しかし20万km以上走行したタクシーなどもあるそうです。ノートパソコンや携帯電話の電池のようなものを想像すると間違えるのではないでしょう か。プリウスの電池はニッケル水素充電池ですが、高度な充放電用のコンピュータ制御をしており過充電や過放電をしないようになっています。充電池によくあ るメモリー効果もあまり問題になっていないようですが、トヨタの整備工場における点検は必要だと思います。しかし通常のガソリンエンジン自動車でも6ヶ月 点検が必要ですので、ユーザーのメンテナンスに特別なことは何もありません。
もし電池がだめになったら交換をしなくてはなりませんが、およそ10万円の費用だと思われます。そのようなことは滅多にないと思いますが、通常の車のエンジンやギヤが壊れた場合を考えると、交換の工数まで考えた場合、HV電池の交換が特別高価と言うイメージはありません。
●省資源になっているのでしょうか?

プリウスは非常に低い燃費を達成するために普通の車にないモーターやバッテリーなどを搭載しています。
これらの部品を作り出すためにエネルギーを使っているので、このエネルギーがガソリンの節約に見合わなければ全体として省エネルギーになりません。
またバッテリーなどの製造を考えるとそれだけ資源を使うことになります。
プリウスは同等と思われている車に対しておよそ50kgから100kgほど重くなっています。
ハイブリッド車でなくてもプリウスよりはるかに重い車がたくさん走っていますが、省資源・省エネルギーを考えたらもっと軽い自動車を作ることができるように研究開発が進められることが重要です。
●ハイブリッドカーのしかけ。エンジンで発電してモーターを回すのって効率よくないのでは?
  ガ ソリンを使ってエンジンをまわしてそれで発電機をまわして電気に変える、これではロスが大きくて意味がないのではないかと思われることがあります。もちろ んその考えは正しいのですが、自動車は低速で発進したり高速で走行したり、様々な運転をしなければならず、直接ガソリンエンジンで走行するのはいつも効率 がよいとは限らないのです。
直接エンジンで走るのが効率が良くない時には、上記のように間接的にエネルギーを使うほうがよいこともあります。
大雑把に言えば低速に強いモーターと高速に強いエンジン(本当はもっと複雑)をうまく組み合わせているのがハイブリッド自動車の特長なのです。
どのような時にどのようなハイブリッドの組み合わせが適しているのか、調べた結果を別のページにまとめました。→ ハイブリッド?

ハイブリッドカー・プリウスは電気自動車ではありません。トヨタでは最初にプリウスを売り出すときに、「ガソリンスタンドでガソリンを入 れる」ことと「充電器で充電しなくてもよい」ことを宣伝していました。プリウスはガソリンエンジンと電気モーターを持つ、ハイブリッドシステムの車です。
なぜ、ハイブリッドなのか、その理由は次のようなものです。
ガソリンエンジンは低速で力がない(トルクがない)ため、発進するとき低速走行では低速用のギヤで走ります。
これはとても効率がよくないため燃料を無駄に使います。ガソリンエンジンは回転がある程度高いときに効率よく使うことができます。
電気モーターは低回転で非常に大きな力を発揮します。したがってガソリンエンジンの上記のような欠点を補う動力としては最適です。しかし電気モー ターを動かすための電力をためておくのは大変です。ガソリンのような燃料であれば短時間で補給でき、長期間使うことができますが、電気を車の中にためてお くのは簡単ではありません。
そこでガソリンエンジで発電してその電気でモーターを動かすという考えがあります。
英国を走る列車の多くがディーゼルエレクトリックエンジンを積んでいますが、これはディーゼルエンジンで発電してモーターで走る電車なのです。おかげで英国の鉄道ではほとんど架線がなくとてもすっきりしています。
このような方式をシリーズハイブリッドといいます。
もうひとつの方式にパラレルハイブリッドというのがあります。ホンダのインサイトなど採用しています。これは前述の発進時などのガソリンエンジン の苦手な部分を電気モーターで補いながら走る方式です。これは、まだまだ自動車用のエンジンとモーターの性能や特性を考えた場合、ガソリンエンジンが優れ ていることが多いため、ガソリンエンジン主体、モーターが補助動力となる方法です。大きな電池を積む必要がなく自動車用として優れた方式だと思います。

プリウスはシリーズハイブリッドとパラレルハイブリッドの両方を使い分ける方式です。
ホンダ方式ではエンジンは基本的に常に動いていますが、プリウスの場合は、エンジンが完全に停止している時間がかなりあります。必要に応じてエン ジンを再起動していますが、運転者があまり気づかないうちにコンピュータ制御で切り替えられています。エンジンを頻繁に運転・停止するとかえって燃料を 使ってしまうこともあるため非常に細かな制御が必要になります。
プリウスの場合、バックギアがないため後退は電気モーターを逆回転させて行います。したがってこのときは完全にシリーズハイブリッドになりま す。一方、前進の発進時は、トルクコンバーターのようなしかけや変速機を持たないため最初は必ずモーターで動き出します。必要に応じてすぐにエンジンがか かることもあれば、そのままモーターだけの時もあります。エンジンとモーターの両方で走ることもあれば、エンジンで走りながら発電して電池に充電すること もあります。
ハイブリッドカーのすごいところはブレーキをかけたり減速したりするときに、その時の慣性力を使って発電機を回して、運動エネルギーを電気エネルギーに変えていることです。これは電車などが持っている回生ブレーキという方式です。
電車の場合、ブレーキをかけたときに発電をして送電線に電気を送って他の電車がこの電気を使うというしかけがありますが、車の場合は送電線がありませんので作った電気は電池にためられます。
プリウスでは動力用のHV電池と呼んでいますが、この電池は頻繁に充電と放電を繰り返してエネルギーを利用します。
たとえば下り坂で車が走っているときはエンジンが止まっていて車は惰力で走っています。そのままだとスピードがあがってしまいますが回生ブレーキが働くと電池に充電されます。この電力を次の発進時や平地、あるいは上り坂でのモーターの回転に使うことができるのです。
実際はもっとややこしいことをやっているのですが、全てはコンピュータが制御しているため、運転者は特別変わった操作をすることはありません。

電池やモーターや発電機を積むため、重量という点ではハイブリッドカーはとても不利になります。
燃料をの消費や環境への負荷を考えると重い車はよくないのですが、それでもハイブリッドカーの総合的な効率は非常に高くなっています。ガソリンの 消費量だけでなく電池などの製造にかかるエネルギーなど全てを総合して自動車にかかるエネルギーを評価する方法がありますが、現時点での技術では、燃料電 池自動車や電気自動車、ガソリンエンジン車などに比べてガソリンエンジン・ハイブリッドカーが今のところ最も効率が高い車であることが分かっています。

*ハイブリッドカーのことをHV (Hybrid Vehicle:ハイブリッド・ヴィークル:混成乗り物)と書きますが、高圧電池もHV電池(高電圧HighVoltage)と書きます。いずれもHVと書くので紛らわしい。
高圧電池(200Vニッケル-水素蓄電池)と補機バッテリー(12V鉛蓄電池)の2つを持っていますが、だからといってこれらを組み合わせているのではなく、完全に役割が異なります。2つあわせてハイブリッド電池と呼ぶ訳ではありません。
●プリウスは3ナンバー車:少し車幅が大きいので3ナンバー。でも自動車税は1000−1500cc
  2代目プリウスは普通乗用車、いわゆる3ナンバーです。小型乗用車(5ナン バー)として登録されるためにはいくつかの条件がありますが、プリウスは車幅が3cmほどこの枠より大きいため5ナンバーとすることができません。小型で ない車がはたしてエコカーか、という疑問が残りますが、ガソリンエンジンの排気 量が1500cc未満なので自動車税は1000ccから1500ccまでの車と同じ扱いになります。
「3ナンバーだから税金高いのでしょう?」というのは昔のことです。現在は、エンジン排気量だけで自動車税が決まっています。
●プリウスは静か?

エンジンが止まってモーターだけで走ることもあるプリウスはとても静かな車のように思われることがありますが、実際は普通の車です。確かに信号待ちなどで止まっている時はシーンとしているのでとても静かです。振動が全くないのがとても不思議に感じられます。
しかし、一旦走り出せば室内の騒音は普通の車とさほど変わりません。加速中は、ガソリンエンジン+変速機の車とはずいぶん異なった音がします。全般的に騒音が小さいため今まで気にならなかった自動車の音が聞こえてきます。
●燃費計:夏と冬の燃費はどっちがいいの?
  プリウスには燃費計がついています。これは瞬 間燃費と5分間の平均燃費を30分間のトレンドで記録する2つのものが同じ画面に示されるものです。 燃費の計算には走行距離と燃料の消費量の2つのデータをもとに行われますが、これは検定されたものではなく、自動車の速度計などの精度で許されている範囲 の誤差や、エンジンの制御に必要な燃料の量の精度に依存していますから、それほど厳密なものではありません。
しかし一般的なユーザーが、日常の使用方法で、およその燃費をつかむのには十分な精度があるように思われます。
一般的な乗用車では夏場にエアコンを使用するとエンジンの出力の一部がエアコンのコンプレッサー(冷媒の圧縮機)にとられるため燃費が上がってし まうことがありますが、プリウスの場合は、コンプレッサーの動力に電池を使用しているため直接エンジンに負荷がかかることがありません。もちろん電池に充 電している電力の大元はガソリンなのですが、全体の効率に優れていることと、気温が高い時の混合気(エンジンに供給する空気と燃料の混合物)中のガソリン の量を減らすことができるため夏場の方が冬場よりも低い燃費となります。頻繁にエンジンを停止させて燃料を節約しているプリウスですが、暖房に使用するの はエンジンの廃熱を利用した温水ですから、冬場は室内の暖房のためにエンジンを始動する必要もあって、気温が低いときはかなり燃費が高くなってしまいま す。
まだ年間を通じた記録をとっていないのですが、2003年の冬場では平均して、18km/L程度であった燃費が、春から初夏にかけては24km/Lくらいまで燃費が低下しており、かなり大きく異なっています。ハイブリッドシステムの特徴が出ています。



●プリウスに関する疑問・その2
●省資源:プリウスってやはり重い
プリウスは非常に低い燃費を達成するために普通 の車にないモーターやバッテリーなどを搭載しています。
これらの部品を作り出すためにエネルギーを使っているので、このエネルギーがガソリンの節約に見合わなければ全体として省エネルギーになりません。またバッテリーなどの製造を考えるとそれだけ資源を使うことになります。
プリウスは同等と思われている車に対しておよそ50kgから100kgほど重くなっています。
ハイブリッド車でなくてもプリウスよりはるかに重い車がたくさん走っていますが、省資源・省エネルギーを考えたらもっと軽い自動車を作ることができるように研究開発が進められることが重要です。
●ホンダのハイブリッドとの違い:

ホンダのIMAと呼ばれるハイブリッドシステムとトヨタのTHSと呼ばれるハイブリッドシステムが比較されることがよくあります。
(トヨタにはTHS-Cと呼ばれるTHSとは全く別のシステムもありますが、ここではIMAとTHSのことだけを考えます)

IMAは、パラレルハイブリッドですが、現在の仕様ではモーター単独走行(エンジンを停止してモーターで走行する)モードがありません。これはパ ラレルハイブリッドの特徴ではなく、ホンダのIMAがエンジンを主体にしてモーターは加速時のアシストなどに使うという設計思想によるものだからです。
プリウスはシリーズハイブリッドとパラレルハイブリッドの両方を可能としたパワースプリット方式と呼ばれる独特の方式を用いていますが、分類と してはシリーズ・パラレルハイブリッドになります。プリウスはモーター単独走行が可能ですが、これはこの方式だからではなく、比較的容量の大きなバッテリ と高出力 モーターを装備しているためです。

プリウスとインサイト(あるいはシビック・ハイブリッド)を比較して、モーター走行のできるシリーズ・パラレル方式のプリウスの方がモーター走 行のできないパラレルハイブリッドよりも優れているといった議論がみられますが、これは大きな誤解いであって、THSとIMAではハイブリッドシステムの 高効率を狙うための設計思想が異なることによります。
エンジンもモーター・電池も大きめにして、できるだけ頻繁にエンジンを停止しようとしたのがTHS方式、エンジンの排気量を小さくして低燃費をねらい、軽量化のために小さいモーター・電池としてエンジンをアシストするといった考えがIMAだと言えます。
まだまだハイブリッド自動車はこれからの技術ですから方式だけを見てどちらが優秀であるかという結論を出す必要はないと思いますが、販売台数を見る限りはTHS方式の方が先行して実績を重ねているようです。

その後、ホンダシビックがフルモデルチェンジしたときにシビックハイブリッドに搭載されているホンダIMAもかなりの変更が行われました。モーター走行は 行わないものの走行中にエンジンの気筒停止システムをとりいれたため、実質的にエンジンを停止したままの走行が可能になりました。エンジン内部の抵抗があ るため、完全にエンジンの回転を停止してしまうTHSとは異なり、わずかにエネルギーロスはありますが、頻繁にエンジンを止めてしまうトヨタ方式と、(停 車時を除いて)できる限りエンジンを回し続けるホンダ方式の違いがあるようです。
●トランスミッション:CVTと間違えられるTHS

マニュアル・トランスミッションでも、トルクコンバータ付きのオートマチック・トランスミッションでも、連続可変(無段変速CVT)でもないプリウスのミッション。
  エ ンジンの回転をそのまま車輪(タイヤ)に伝えると回転数が多すぎ、うまく走ることができないので、自動車にはトランスミッション(変速機)というものが必 要です。特にガソリンエンジンは1分間におよそ1000回転以上ないとスムーズに動かせません。車が発進する時は車輪は止まっていますから、ここからいき なり回転させようとするとエンジンが止まってしまいます。よく言うエンスト(エンジンストール)です。したがって発進時は低速ギヤ(変速比の大きなギヤ) でトルク(回転力)が出るようにします。しかしそのままで速度を上げていくと今度はエンジンの回転数が多くなりすぎるためギヤの変速比を徐々に変えていき ますが、これを何段階にするかによって3速ギヤだとか5速ギヤなどが作られます。エンジンの排気量が大きい場合はトルクが大きいため2速や3速のギヤでも 十分に走ることが可能ですが、小排気量の車ほどトルクが小さいため5段や6段のギヤが必要になってきます。
ガソリン自動車が発明されたときから、ギヤの変速を手動で行うもの(マニュアルトランスミッションMT)と自動で行うもの(オートマチックトランスミッションAT)がありましたが、技術が未発達の時代は主にMT車ばかりでした。
AT車は初めに米国で普及してきたのですが、米国車は非常に排気量が大きく2速程度の変速機で十分であったためそれほど複雑なしかけでなくてもよ かったことと、燃料費が安いため、燃費のよくないAT車でもあまり影響がなかったことなどが考えられます。ほとんどのAT車では機械式のクラッチではなく 流体継手(トルク変換機、トルクコンバータ)を使っていましたので、よく「トルコン車」と呼ばれました。
日本ではずっと長い間MT車ばかりでした。スバルなどに粉体継手(電磁パウダー利用のクラッチ)を使った半自動ATなどがありましたが、トルコ ン車は車の価格が1割くらい上昇する高価なものだったため、ごく一部の車種を除いてMT車が当たり前でした。これが1980年代以降、急激にAT車の普及 が進むことになりますが、次第に多段化していき、ついには無段変速も登場します。CVT(連続可変トランスミッション)と呼ばれる方式はそれまでのデジタ ル的なギヤの変更ではなくスムーズな変速が可能で変速のショックがありません。
そこでプリウスのギヤなのですが、分類としてはATとなりますが遊星歯車にエンジン、発電機、モーターが組み合わせられた独特なしかけです。
CVTの場合は、カタログなどに変速比が範囲として示されていますが、プリウスの場合は変速比の項が空欄になっています。機構としては変速を行っていないことになっており、無段変速ではなく無変速のようです。
要するにプリウスは無段変速ではないのですが、従来の方法では区分ができないため雑誌などではCVTに分類されることがあります。CVTだとベル トのロスがあったりエンジンの回転数とギヤの回転数の間にタイムラグがあったりしますが、プリウスの場合は、常にエンジンやモーターがギヤを介してかみ あっているためベルトのような損失はなく、エンジン回転数とと車速が一致しない現象も同じではありません。
これはもう乗ってみるしかない感覚なのですが、CVTではないことは確かです。
●なかなか正しく理解されないトヨタハイブリッドシステム THS
  トヨタの乗用車用ハイブリッドシステムには、 THS,THS-C,THS-Mという方式があります。THS-Cは前輪駆動CVTのパラレルハイブリッドと電動後輪駆動のシリーズハイブリッドを組み合 わせたものでエスティマハイブリッドなどに搭載されています。シリーズ・パラレルハイブリッド方式の代表的な方法で、市販車以外で各社が開発中のものによ く見られます。これに対してTHSはパワースプリット機構という他に例のない方式を採用しているのですが、これは初代プリウス(THS)と2代目プリウス (THS-II)だけのものです。
一般的なハイブリッドカーが発電機とモーターを兼用していて発電中はモータを使えないことが多いのですが、プリウスの場合は発電機とモータが別 なので同時 に使っています。(エスティマのように電動四輪駆動車の場合は、前輪のモーターを発電機として使用しその電力で後輪のモーターを回すということはできます が、その時は前輪を駆動するモーターはありません。)
プリウスではは発進時など大きな力が必要な時で、エンジンの効率がよくない範囲で、エンジンの出力→車輪、エンジンの出力→発電機→モーター→ 車 輪という2系統の動力を同時に使うことがあります。同じ動力軸のまわりでパラレルハイブリッドとシリーズハイブリッドを同時に行うことができるのです。し かもこの時にもっと力が必要とコンピュータが判断した場合は、HVバッテリの電力をモーターに供給しますので、EV(電気自動車)としても機能していま す。発進加速というガソリンエンジンが最も燃料を多く消費する条件でパラレルハイブリッド+シリーズハイブリッド+電気自動車の3つをハイブリッドさせて います。

要するにプリウスの場合,前輪の動力系まわりにエンジン、電気モーター、発電機の3つを持っているのですが、他の市販ハイブリッドカーにはこのような機構がないため誤解をされることがよくあります。
たとえば、プリウスは回生ブレーキという発電制動機能を持っているため、時々「モーターブレーキ」とか「モーター回生」などと言われることがあり ますが、プリウスの場合は、モーターは発電機(ジェネレータ)との兼用ではないため、回生ブレーキによる制動は発電機が行っています。プリウスには、「モーターブレーキ」はありません。
●トランスミッション:クリープ現象と似ている「クロール機構」
  もうひとつよく誤解されるのがクリープです。プリウスのクリープ(の動き)はモーターによって行われます。

車の場合、そろそろと這うような動きのことをクロールといいます。
(1)MT(マニュアル・トランスミッション)車で極低速で走行する場合は、
クラッチを滑らせながらつなぐ半クラッチ法や断続的に使う断続クラッチという方法でクロールを行います。

(2)ノンクラッチMT車の場合、
最近の欧州車に増えてきた、クラッチを自動化した手動変速機(シーケンシャルマニュアルやノンクラッチMTなど)ではアクセルを踏まなくても車がするすると動き出す機能を持っている車がありますが、これをオートクロール機構などと呼んでいます。

(3)トルコン車(トルクコンバータを用いたオートマチック・トランスミッション車)の場合、
トルクコンバータを流体クラッチ(およびトルク増幅装置)として使っている車では、トルコンの特性のためにアクセルを踏まない状態(エンジンのアイドリング状態)でも車がずるずる動きます。この現象のことをクリープとよんでいます。

エンジンが低回転で回っている時に流体クラッチであるトルコン内部の粘性抵抗のために車がずるずると動くと言う現象があります。
エンジン側にある インペラーと呼ばれる羽根車がわずかに回転している時に、ステーターと呼ばれるギヤ側の羽根車がほんの少し動いていしまうためです。機構的にどうしてもな くすことができない現象です。初期のトルコン車でも車体が重い車などでは、ほとんどクリープ現象がありませんでいたが、車庫入れなどの極低速時にアクセル ペダルを踏まなくても車がそろそろと動く方が運転しやすいという使用者側の要望もあって、トルコンのクリープ現象は、これをなくすのではなくむしろ積極的 に使おうというように技術が変わってきました。ずるずると動いてしまう欠点を逆に利用するようになってからは、トルコンのクリープのマイナス・イメージが 少なくなりました。

(4)ベルトドライブCVT車の場合、
初期のCVT車はクリープ現象がないのを(動力伝達に無駄がない)メリットとしてとらえていましたが、低速時の運転がギクシャクしやすく、これが 電子制御でもなかなかうまく抑えられなかったため、CVT車の欠点としてとらえらるようになりました。そこでCVTの(電磁)クラッチの代わりにトルコン を利用する車が増えクリープ現象を逆に利用することが多くなっています。

(5)プリウスの場合
プリウスにはクラッチそのものがなくエンジンやモーターは動力伝達機構の中に直接組み込まれています。したがって流体継手に発生するようなクリープ現象はありません。直接モーターで発進できるプリウスにはトルクコンバータやクラッチは必要ないのです

しかし、プリウスにもアクセルを踏まない状態でのクロール走行ができる機能が与えられています。
全てのユーザーがクリープやクロールを好む訳ではないと思いますが、日本でも圧倒的多数の車がトルコンAT車であり、アクセルを踏まない状態でも ずるずると動いてしまうトルコンの運転感覚に多くのユーザーが慣れてしまったため、他の車からプリウスに乗り換えた時に違和感がないようにという理由が働 いたものと思われます。

電子制御のTHSではモーターに微弱な電流を流すことによって、アクセルを踏まなくてもそろそろ動き出すプログラムが組み込まれています。
その動きがトルコンのクリープ現象によく似た設定になっていますが、クリープ現象が機構的に発生しているのに対してモーター走行によるではプログラムによって制御されています。

トルコン車のクリープ現象とプリウスのモーターによるオートクロール(メーカーではこういう呼び方はしていませんが)を比較した場合、プリウスの方がずっと扱いやすくなっています。
ガソリンエンジン・トルコン車の場合、エアコンのコンプレッサー電磁クラッチの入り切りやアイドルアップ装置によって思いがけなくエンジンの回転 数が変わることがありますが、その時にクリープ力が変わることがあり、驚くこともあります。暖機運転中などではけっこう強いクリープ力が発生するために信 号待ちなどではブレーキペダルをしっかり踏んでいないと車が動き出しそうになることもあります。
そのために、ブレーキを踏んで停車している間はは1速ではなく2速に固定し、発進時に1速にギヤを落とすように電子制御している車も多くあります。これなどは積極的にクリープ力を利用したために強すぎて使いにくくなった点を改良したものです。
一方、プリウスのモーターによるクロールではこのような不自然な動きがなくとても使いやすいものになっています。エアコンのオンオフやエンジンの 暖機による回転上昇などとプリウスのクロールは関連がないので全く気をつかう必要がありません。信号待ちなどで停車しているときもブレーキペダルと連動し てモーターへの電力供給をストップさせるので、そんなに強くブレーキペダルを踏み続ける必要がありません。
●運動エネルギーの回生はハイブリッドカーだけのものではありません。

回生と書いて「かいせい」と読みます。走っている自動車の速度を落とすときに使用するのは四輪に設けられたブレーキですが、プリウスの場合は、電車などと同じように発電制動を行うことができます。これを回生ブレーキと呼びます。
自動車では排気ガスの膨張エネルギーを使って膨張タービンを回転させ同軸上のブロワーを使ってエンジンへの吸入空気を圧縮するターボ加給器という のがありますが、工業装置では圧縮した空気を膨張させてタービンをまわして、空気に膨張の仕事をさせて系外に熱エネルギーを放出するシステムなどが一般的 に用いられます。 この時に熱力学的仕事を行うためにターボ加給器と同様にブロワー制動を行うこともありますが、発電制動させることもよくあります。
エネルギーの回生というのは非常に多くの場所で行われており、電車では減速時にモーターを発電機として使用し、発電した電力は架線を通じて他の 電車などへ送ることによって減速走行時の運動エネルギーを回収しています。一方自動車の場合は、架線がないため制動時のエネルギーを他車に送ることができ ません。そこでプリウスのような高電圧で容量の大きな電池を積んでいる自動車では回生したエネルギーを電池に蓄えることによって回生ブレーキを成立させて います。この電力は次にモーターが電力を必要とするときにまた取り出されます。
一般的なハイブリッド車や電車ではモーターと発電機は兼用されることが多いのですが、プリウスの場合は、パワースプリット方式という独特な、シリーズ・パラレルハイブリッドシステムを採用しており、モーターと発電機をそれぞれ装備しています。
回生されるエネルギーはもともとは車が走行している時の運動エネルギーなので減速をする(制動をかける)ということは、それだけエネルギーを損し ている訳ですし、発電機からインバータ回路などを通じで充電を行うときは発熱などのエネルギー損失もあるため、回生ブレーキはそんなに得なものではありま せん。できれば止まらずに走り続けるほうがエネルギー的には得な訳ですが、自動車ですから減速をしない訳にはいきません。
しかし、通常の自動車では、ブレーキの摩擦熱やエンジン内部の抵抗による発熱などによって失われるエネルギーは、全く無駄になっていたわけです から、これ を少しは回収しようというのがハイブリッドカーの回生ブレーキの考え方です。これは電気自動車などでも同じことが言えます。
回収されるエネルギーはわずかであり、長い下り坂などで、電池が満タンになったらそれ以上電力を保存するところはありませんから、そんなに多く の効果を期待することはできませんが、省エネルギーの観点からはとても重要な仕組みです。ハイブリッドカーが、発電機と大きなバッテリーを積んでいる車だ からできることです。
回生ブレーキはTHSだけでなくホンダIMAにも装備されており、ほとんど全ての電気自動車や燃料電池自動車にも装備されています。
またハイブリッドや電気自動車だけではなく、一般のガソリンエンジン自動車でも自動アイドリングストップ機能を持つ車で小さな予備電池を持ちエネルギー回生を行っているものもあります(トヨタ・ヴィッツ)。
なお、トヨタクラウンに搭載されている、マイルドハイブリッドシステム(THS-M)はモーターを一部使用しるため、助成金のシステムでは、ハイ ブリッドカーに分類されていますが、これは非常に小さなバッテリとモーターしか積んでおらず、文献によっては、自動アイドリングストップ車であってハイブ リッドカーとはみなさないというものもあります。



  ●おまけ編:プリウスに関する疑問や誤解(ハイブリッド以外のプリウス)
●プリウスの車格:広辞苑にもない、とてもあいまいな言葉ですが、日本人が気にする「車格」。それと「排気量」
乗用車の印象と言うのは、それまでにどのような車に乗っていたのかによって大き く異なるものですが、プリウスの場合は、大きな車から乗り換えた人や小さな車から乗り換えた人など様々です。「車格」という日本語は広辞苑にはありません が、人格や品格のようなものが「自動車」にも擬人的使われことがあります。もちろん辞書にないくらいですから明確な定義はありませんが、日本には、自動車 をステータスシンボル(社会的地位を表すもの)のように思う風潮があったため、未だに「車格」というものを口にする人が少なくありません。欧米では「クラ ス」という概念がありますが、日本にはなじみません。
少し前まではエンジンの排気量の大小が車格を表し、大きな排気量エンジンの車が高級車で高価格であるというのが当たり前でした。小さな排気量の車は大衆車などと呼ばれることもありました(高級車の反対語は低級車とは言いません)。
エンジンの排気量と車の大きさや価格が比例関係は、まずロータリーエンジン車でくずれましたが、ロータリーエンジン車があまり普及しなかったた め、やはり車の排気量が「車格」を表す時代が続きました。5ナンバーの上限がが1500ccから2000ccになってからは、ずっと2000ccエンジン が、普通に売られる車のエンジンの上限でしたが、これは3ナンバーになるといきなり自動車税が大幅に上昇するというのが大きな理由でした。税制が変更にな り2000cc以上のエンジンでも500cc刻みで税金が決められるようになると2000cc以上の排気量の車がどんどん増えてきて、普通の乗用車でも 2500ccや3000ccのエンジンを積むようになりますが、乗用車以外にもワゴンやミニバンなどが増えるようになると、高級車だとか大衆車などという 区分もよく分からなくなり、車の価格もエンジンの排気量とはあまり関係がなくなってきました。
同一の車体であればエンジンの排気量が大きい方が高価であるというのはあまり変わっていませんが、小排気量でもターボ加給器がついていたり、プ リウスやイ ンサイトのようにエンジンとモーターがついていたりすると排気量で車を区分する方法も次第に時代に合わなくなってきています。
プリウスの「車格」を聞かれることがあります。税法上は1500ccエンジン車なのですが、従来の1500ccエンジン車と同じように考えるのは無理があり、たとえば1500ccエンジン車として考えると、かなり重い車です。
車体の大きさはトヨタ・プレミオ(昔の名前はコロナ)と同じくらいですが、プレミオを知らない人には想像ができません。
ずっと排気量で車を表現してきたため、ハイブリッド車の場合、どうしても感覚的な部分で合わないのですが、「車格」などというあいまいな尺度(客 観的ではない)で説明しようとするとさらに難しくなります。そこで、こういう時は、時代遅れなのかも知れませんが1800ccから2000ccくらいの車 と同じくらいの大きさの車だと説明するようにしています。
排気量で表しにくいということでは、2ストロークエンジンのようにエンジンの性質が大きく異なる場合や、ロータリエンジンのように構造が通常のレシプロエンジンと大きく異なる場合、あるいは加給器がついている場合など様々な例があります。
●安全装備;
  PRIUSとは「さきがけ」という意味です。先進のハイブリッドシステムを搭載 したプリウスですが、やはり製造コストとの戦いがつらいのでしょうか、安全装備に関しては、それほど「さきがけ」という感じはしません。もちろん安全性が 低いという訳ではないのですが、これぞプリウスというものが見当たりません。

S-VSC(Gグレードに装備)は電子制御のスタビリティコントロールで目新しいものではありませんが、プリウスの場合は、電動パワース テアリングと四輪電子制御ブレーキの協調によって横滑り時にドライバーのカウンターステアを補助するという機構が世界ではじめて採用されています。プリウ スのような性格の車だと滅多に使用されることはないと思いますが、予防安全と言う意味では(ドライバーが過信しないことを条件に)先進の機能と言えるので すが、市場での評価はこれからです。車の基本的な装備として、四輪電子制御ブレーキとモーターによるトラクションコントロールがあるため、S-VSCの追 加にはユーザーの戸惑いや心配は少ないと思いますが、現時点では、グレードによる装備ではなくユーザーが選択できるオプションの方がよいと感じました。

安全性という点ではプリウスの視界はあまりよくありません。前方は柱(Aピラー)がぐっと前に出ているためドアの前に三角窓がありま す。しかし窓が小さく前方左右の確認がしづらいことがあります。後方の窓は空力ボディのためにほとんど真上を向いているのでサブウィンドウと呼ばれる追加 の窓がないと後方確認ができません。後部ドアの後ろの窓も天上が下がってきているため斜め後方の視界もあまりよくありません。もちろん、クーペなどに比べ ると車高の高さもあって視界は格段によいのですが、一般のセダンと比べると見づらいことは確かです。
ただし、最近の(国内仕様)トヨタ車のプライバシーガラスは色が濃く、安全性の観点からはあまり好ましくなかったのですが、プリウスでは薄いソフトプライバシーガラスになっています。
全体のシルエットからはコンパクトな車と錯覚してしまうことがありますが、FF車の中ではフロントのオーバーハングが大きい方で、運転席からはバンパーまでは意外に長いので注意が必要です。ピラーが前方に出ているため鼻が短いと勘違いするとゴツンと当ててしまいそうです。

シートベルトは全5席3点式です。フォースリミッタやプリローダーもありますが、これも今や普通です。
助手席シートベルト非装着警報装置は法制化に先立って装備したことには敬意を表しますが、乗員位置検知システムがない(体重センサーのみ)ことや 警報を切 る方法が残っていてその方法がユーザーにリークされたりと、対応の甘さが見受けられますし、他社の先進的な装備からみると見劣りします。
車の安全性能ということでは、「事故を起こさない性能」がより重要です。そのためには、ブレーキとシャシーの基本性能が高いというのが必要とな ります。ブレーキに関しては、回生ブレーキと四輪電子制御ブレーキによる協調ブレーキシステムの信頼性が高く、安心して乗ることができます。初めて乗って も全く違和感なく運転することが可能です。
●先進装備?

プリウスという車、 そのハイブリッドシステムのために、いろいろな先進装備が備わっているように思われがちですが、そうでもありません。 スタートキーや独特の画面表示、ステアリングについたたくさんのスイッチを初めてみた人は、ついつい「先進技術」と錯覚してしまいそうですが、車そのものをみると、これまでの常識範囲、あるいは少し時代遅れを感じさせる部分などもあります。
市販自動車の場合、安全性や信頼性が最も重要であり、各部品のコストも極めて厳しくコントロールされるため最先端の技術は使いにくく、他の分野で 長く使われて信頼性が確保されたものから徐々に使われていきます。それでも「初めて乗用車に採用された」りすると、ユーザーとしては何となく嬉しかったり 心配になったりします。
プリウスの場合、ハイブリッドシステムの信頼性が確かめられてきたとはいえ、初代のプリウス発売からまだ10年はたっていませんので、ハイブリッ ドシステム以外の部分では、あまり冒険をしていません。比較的珍しい機能を持っているプリウスですが、ハイブリッドシステム以外では、無理をせずに他車で 既に実績のある装備を取り入れているように見受けられます。新しい機械はどうしても故障が心配になりますが、プリウスの場合は、既に実績のある機能ばかり ですので、比較的安心です。

●基本装備
THS 初代プリウスから基本は変わっていませんのでそれなりの信頼性はあると思います。異なってい る部分で大きいのは、THSがHVバッテリーの電力をそのまま使用しているのに対してTHS-IIでは昇圧回路を用いて電圧を変えている点です。第二世代ということになると思いますが、初代ほどのインパクトはなく、その分心配もありません。
トヨタの他のハイブリッドカーもTHS-CからTHS-IIに変わっていくようです。
電動エアコン エアコンのコンプレッサー動力は電動です。これはガソリンエンジン車には珍しいのですが、電気自動車などでは既に使われて実績のある技術です。
空調 室内は上下2層のエアフローで外気導入は上部だけというものです。下側は、内部循環で、外気を取り入れないので、安全上問題ないのかと思いましたが、電気自動車などでは実績のあり、上側は外気導入ができるので大丈夫だと思います。
電子制御ブレーキECB 四輪の制御を電子制御で行うものです。
プリウスが初めてというものではありませんが、極めて重要な機能なので十分に長い期間を経て安全性を確保してきたものと考えています。
電子制御ブレーキ分配EBD プロポーショナルバルブで機械的に行っていたブレーキ油圧のディストリビューションを電子化していますが、これもプリウスが初めてではありません。
電子制御ABSとアシスト・ブレーキ ABSについてはトヨタ乗用車が標準化して10年近くたつ完成技術ですし、アシストブレーキも最近の車では標準的です。
協調ブレーキ ブレーキの油圧は電動ポンプで発生させていますが、ブレーキにかける油圧と回生ブレーキとの 間の協調作業はコンピュータが計算して指令を出しています。これはハイブリッドカーや電気自動車には必要な技術ですが、初代プリウスの実績があります。2 代目のプリウスではすでに先進技術とは言えないくらい信頼性を得ているようです。
電動パワー・ステアリング 軽自動車やレースカーなどエンジンの動力を補機類に奪われたくない車ではかなり前から電動パワステが使われています。我家のオプティも10年以上前の車ですが電動です。エンジンを頻繁に停止させるプリウスではエンジン駆動の油圧ポンプは使えないため電動になっています。
エンジン駆動のパワステ以外では、電動油圧型などもあるようですが、プリウスのものは直接モーターでアシストする電動アシストパワーステアリングです。アシスト位置はギア側ではなくステアリング側ですのでそれほど高度なものではなさそうです。
アルミボンネット これは最近では珍しいものではありませんが、このクラスのセダンとしてはやはり少ないようです。トヨタ車も対歩行者安全対策が進んできました。
インテリジェントキー トヨタ乗用車としては初の試みですが、ICカードを使った通信の技術は既に完成されているので心配はありません。
ヘッドライトコンピュータ HID装着車にはコンピュータ制御によるオートレベライザーがありますが、これも新技術ではありません。
VVT-i バルブタイミングを可変にする技術は市販2輪車に搭載され てから20年くらいたちます。プリウスでは給気側制御ですが、これによってミラーサイクルエンジンの実質排気量を変えています。
走行中でも頻繁に停止するエンジンなので機械的な負担が大きいと思いますが、初代のプリウスで既に信頼性が確認されているようです。
遠視点スピードメータ ミラー2回反射のメーターはとても見やすいものです。センターメータの採用に積極的なトヨタ車ではこのようなデジタルメータの技術もよく使われます。
●付加機能
S-VSC VSCそのものは新しい技術ではないのでそんなに心配はありません。プリウスの場合はステアリングアシストが追加されています。
ステアリングスイッチ トヨタ・ラウムのステアリングと同様に楕円形のステアリン グでホーンボタンのまわりにスイッチがあります。運転中に手を離さずにエアコンなどの操作ができます。プリウスの場合、スイッチの数がかなり多くなっています。スイッチの位置と形状が非常に巧みに工夫されているため、一度おぼえると間違えることがありません。
DVDボイスナビゲーション トヨタ純正ナビはプリウス専用のものではありませんが、ステアリングスイッチにボイスコマンド入力スイッチがあるので、プリウス専用ナビだと勘違いしそうです。
バックモニター トヨタ純正ナビのバックモニターは既に10年近い実績があります。他社のものだとカメラの存在が外部から見えるものが多いのですが、トヨタのものは存在がわかりにくくなっています。プリウスのものはカラー映像で暗視機能も備えています。
インテリジェントパーキングアシスト 通常のパーキングアシストは音声案内とガイドマークだけですが、プリウスの場合は、ステアリングの操作も行います。これは市販車初のものですが、「なくても困らない」装備なのでそんなに心配はありません。
スマートエントリーシステム これはもうかなり古い技術です。国産車ではダイハツストーリアなどがさきがけだと思われます。トヨタの中小型セダンではあまり採用されていませんでしたが、技術的には完成されていると思われます。
クルーズコントロール この機能自体は30年ほど前からあるものですが、プリウスの場合は、エンジンとモーターを持つため完全に電子制御になっています。
空力ボディ プ リウスは乗用車なのでレースカーのような安定性やダウンフォースといった空力とは全く異なる、空力ボディが考えられています。基本的には空気抵抗の低減で す。乗用車の場合、窓の段差やボディの下面などでの抵抗が考えられますが、プリウスのツーリングセレクションでは下面のでこぼこをなくすパネルがついてい ます。普通の乗用車としては非常に珍しいものだと思いますがハイテクというものでもありません。
●他車の最新技術:プリウスにも欲しい?
ナビ連動空調 ナビ情報から車の方向、太陽の位置などを得て運転席側と助手席側で空調の制御を別々に行うものです。
追突防止装置 ミリ波レーダーなどで前車との車間距離を測定し追突を防止したり、シートベルトをコントロールする装置です。国産車の一部に採用されています。
VSC プリウスのVSCは主にブレーキ制御によって車の安定をはかるものですが、先進のVSCは各車輪の回転を増速も含め、よりインテリジェントに制御することができます。これを行うには四輪駆動が必要です。
搭乗者位置検知機能付エアバッグ
プリウスのサイドエアバッグ・システムに搭乗者の位置検知機能がありません。サイドエアバッグhは、フロントエアバッグと異なりサイドエアバッグは乗員の顔に非常に近い位置で展開します。さらに安全性を向上させるために位置検知機能が欲しいと思います。
フラットフロア これは、やはり「技術」だと思います。ホンダ車にはフラットフロアが多いのですが、プリウスの後に発売されたトヨタポルテは非常に低いフロアがまっ平なので広々しています。真中にプロペラシャフトを通す必要のないプリウスならたいらにして欲しい です。今時の車でこんなに大きな床のトンネルは、ハテナです。
サスペンション
最新技術という訳ではないですが、プリウスにもきちんとした(もっとお金の掛 かった)サスペンションが欲しいと思います。重くて重心位置の高い車です。しっかりした、独立懸架のリヤサスペンションが欲しいと思います。リジッドサス ペンションでは、ばね下重量を議論する以前の問題です。
VSCなどにお金をかける前に車の基本部分にお金をかけて欲しいと感じます。
軽量ボディ
さまざまな軽量化を行っているはずのプリウスですが、「ハイブリッド車」にしては軽い、ということなのでしょうが、約1.3トンもあります。車としては並からやや重い部類になると思います。