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「新・漫画ガスの話」10  
作成日2020/10/07 更新日2022/04/03

Bガスの科学/圧力の話 トリチェリの真空、ボイルの登場

旧来の哲学は、想念や観念が優先されます。世界はヒトの目には見えないものから作られています。それは現代科学では正しいと言えますが、中世の哲学者たちは、あてにならない実験よりも、頭の中に描かれる理路整然とした世界の方が重要でした。
哲学の巨人、デカルトもそのひとり、古代より伝わる「真空嫌悪説」を信奉して、ガリレオの弟子、トリチェリの作った「真空」を信じません。「科学的事実」よりも想念の方が正しいと思っていた時代の人々は「神=自然」は真空を嫌悪し、それを許さないと考えたのです。
神が存在し、真空を許さないというのが自然の本質であれば、それを認めるしかありませんが、トリチェリのように、そうではないと思う人も現れます。錬金術師を職業に選んだボイルも、古くから伝わる理由の分からない理論や権威には納得ができません。自分にとって理に適った方法を探り始めました。