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新・漫画ガスの話 48

作成日2020/10/23 更新日2022/04/06

Eガスの科学/温度の話 ヘンリー・キャヴェンディッシュ

ボイルの法則から100年たっても、科学はまだシャルルの法則にたどりつきませんでした。

日本では「ボイル・シャルルの法則」と教科書に載ることがありますが、こういう表現は他の国にはありません。「ボイル法則」「シャルルの法則」は全く別の法則で関連はありません。ひとつの式にまとめて「理想気体の状態方程式」と呼ぶことはありますが、無関係の法則を並べて呼ぶことは誤解を招きます。ボイルの法則は圧力の概念の発明、シャルルの法則は温度の概念の発明であり、1世紀半も時代が異なります。
気体の状態が温度によって異なるということの科学的意味に最初に着目したのは英国の天才科学者ヘンリー・キャヴェンディッシュでした。変わり者で有名です。
キャヴェンディッシュ家は英国では王家につぐ大富豪、ヘンリー・キャヴェンディッシュにとって科学の探求は純粋な個人的好奇心によるものであって、彼は科学界の権威も名声も全く興味がありません。
そのため、キャヴェンディッシュは次々と科学の大発見を繰り返しても、ほとんどが彼のノートの中に留め置かれていました。シャルルの法則の発見はキャヴェンディッシュの方が20年も早く、非常に正確な実験が行われていたようです。
ヘンリーの子孫が英国にキャヴェンディッシュ研究所を設立した時、最初の所長に任命されたマクスウェルはヘンリーの遺稿の調査を行い、その中から多くの未発表の発見を発掘しました。シャルルの法則がゲイ=リュサックによって発表される23年前にキャヴェンディッシュは法則を発見していました。