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新・漫画ガスの話 53

作成日2020/10/26 更新日2022/04/06
Eガスの科学/温度の話 温度目盛りと熱力学温度ケルビン

科学温度は絶対温度だけです。絶対温度ではない「温度」は慣習温度と呼ばれる「尺度」であって物理量ではありません。絶対温度である熱力学温度は、K(ケルビン)という単位を持つ物理量です。ケルビンは寒暖の尺度ではありません。
日本の場合、ほとんどのところで「セルシウス度」という慣習温度が使用されています。あまりにもいろいろな場面でこの慣習温度が使われるため、時々、科学温度と勘違いされることがあります。温度が二倍とか温度がひと桁とか、とんちんかんなことが起こります。温度と熱を勘違いし、セルシウス度を科学的な温度と勘違いすると大変です。

国際機関では、ごく短期間だけケルビン度という単位を使用したことがあります。これは慣習温度と絶対温度の定義に関する話し合い混乱があった時代のものです。したがって℃や°Fのように尺度を示す「度」をつけてはいけません。ケルビンという名前の物理量を知るためには、まず「熱力学」を知らなければなりません。

なお、絶対温度にはケルビン以外に、ランキン度やプランク温度がありますが、SI単位系ではケルビンだけが温度の単位として使用できます。セルシウス度はケルビンから換算される慣習温度として使用することが認められています。