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新・漫画ガスの話 61

作成日2020/10/29　更新日2022/04/07
⑦ガスの科学/原子・分子の話　酸の素ではなかった酸素

塩酸を分解しても出てくるのは水素と塩素だけ、酸素は出てきません。ラヴォアジエが酸の素だと考えてオキシジェーヌ・酸素と名付けた元素は、実は酸素ではなかったのです。
しかし、デーヴィがラヴォアジエのミスを発見したときは、時は既に遅し、世界中にこの間違いが広まってしまました。ずっと後に西洋文化が広まった日本も別の名前を使う訳にはいかず、ドイツ語を直訳して「酸素」と呼びました。
化学における酸の素は水素イオンです。
酸素ガスの「酸」、二酸化炭素の「酸」、炭酸の「酸」、混乱しています。		 酸素ガスの会社の「酸」の文字、炭酸ガスの会社の「酸」の文字、科学的に正しい名前は後者です。
たった250年前の間違いですが、フロギストン説を破った酸素説は、とても合理的で一気に広まってしまい修正不可能になっています。生物、化学、医学、工学、あらゆる分野で間違った「酸素」の名前は、今になって変えることは不可能です。
宇宙で酸素の名前を間違えて使っているのは地球の文明だけではないでしょうか。