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新・漫画ガスの話 70

作成日2020/11/03 更新日2022/04/09 コメント2023/07/18

Fガスの科学/原子・分子の話 ブラウン運動

ブラウン運動の発見から80年後、アインシュタインなど3人の人たちがブラウン運動を説明する理論を提案し、これが分子の発見につながります。
生物学者であるブラウンが、それ以前にも発見されていた、微粒子の不規則運動を詳細に観察し「ブラウン運動」として公表してから80年もの間、この現象は科学の未解決問題として、放置されてきました。ブラウン運動は生命の運動ではなく、微粒子の周囲にある見えないほど小さな粒子、「分子」の運動によるものであることが判明し、これは、分子の実在の証明にもつながりました。

特許庁の職員、アルベルト・アインシュタインは、提出した学位論文(後の特殊相対性理論)が受理されず、ブラウン運動に関する論文を再提出しました。これが分子発見につながりました。科学にとって「軌跡の年」と呼ばれる1905年、アインシュタインは、このほかにも次々と重要論文を発表しています。
ブラウン運動の理論は、アインシュタインの論文より少し前に、サザーランドが、少し後にスモルコフスキーが同様の論文を提出しています。科学の世界では、先取権争いは日常的ですが、この時、3人は独自にそれぞれが論文を提出、お互いの論文の存在を知らなかったようです。
サザーランドは新聞記者、アインシュタインは特許庁の職員です。もしアインシュタインが偉大な物理学者にならなかったら、この業績は物理学教授であるスモルコフスキーの名前が残ったのかも知れません。
結果は、「アインシュタインら業績」ということになっていますが、これは欧州にいたアインシュタインの論文を見てすぐに実験にとりかかったフランスのペランが、分子の存在を証明するという難解な実験に成功したためではないかと思われます。
オーストラリア、スイス、ポーランドの3か所の人達が謎を解いたブラウン運動、理科の授業で習います。