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取扱説明書は、本来、
使用する前に読むべきものですが、
その分量は少なくありません。
全部読まなくても車をなんとか動かすための
基礎をまとめてみました。


まえがき
新型プリウスは、はじめ月産3500台の予定であったものが、すごくたくさんの注文が入ったため、我が家のプリウスも納車まで70日くらい待ちました。 2003年12月時点では、半年待ちという情報もあります。こんなに待ち時間が長いと取扱い説明書を手に入れて読んでおこうという気持ちになります。
インターネット上にトヨタが運営しているGAZOOのサイトにはトヨタ車の取扱い説明書が置かれていたので、納車待ちの間にじっくりと読んで勉強しまし た。http://gazoo.com/auto/torisetupdf/2505/index.asp ←プリウスの取扱説明書のあるページです。
インターネット上で予め手に入るのは車本体の取扱い説明書だけですが、車が届いたときにはEMVとDVDナビゲーションシステムの説明書とあわせて3冊がありました。
初代プリウスの場合は、エンジンなどがあまりにも従来の車と異なっていたため従来の車との間で違和感がないように操作方法はそれまでの車と同じに なるように考えられたようです。しかしハイブリッドカー発売から6年たった2代目プリウスでは、「普通の車」を目指したというメーカーのコメントとはうら はらに操 作方法は非常に独特のもので「普通の車」ではありません。これまでにないものです。
メーカーが考えた「普通の車」というのは走行性能などについて「特にエコカーを意識しない」というものです。その結果、エコカー・イコール・パ ワーが無いという常識はくつがえされて普通の車になってしまったようですが(ただし普通のセダンとして考えた場合、加速が良過ぎるようです)、その操作方 法には慣れが必要です。
EMVというのはプリウス独自の情報表示画面でこれを操作できないとオーディオと空調の操作ができません。
オーディオは独立したスイッチがあるのですが、空調の方は、EMVがないと全ての操作を行うことができないのです。
パソコンやパソコンのソフトを買ったときはすみずみまで説明書に目を通さないと納得できない性格なのでプリウスの3冊の説明書を読むのに困ること はありませんでしたが、自動車の説明書としては確かに量が多いようです。便利な機能はあとでゆっくり試すことにして簡単な運転操作方法の習得が必要です。
↑本体の説明書を切り貼りして、
室内用常備マニュアルを
作ってみました。
これはプリウスの動かし方です。
↑室内用常備マニュアルの裏面です。

これはプリウスの止め方です。
●コクピット・ドリル(グレードS、ツーリングセレクション限定です)
我が家の車はSグレードです。Gグレードにはスマートキーというのがあって電波式のキーがあり車に乗り込むときからかなり違った操作になります
ここではSグレード限定のコクピット・ドリルということになります。
乗用車というのは、操縦席(運転席)に座って、 簡単な説明を受けるだけで動かせるものです。
レーシングカーでもコクピットドリルは非常に短時間だと聞きます。
右ハンドル車なので右側から乗ることにします。ドアハンドルは上からつかむことができるのでとても便利です。
運転席ドアハンドルにある鍵穴は滅多に使わないので、存在自体を考えないことにします。
ドアの横に立つとスイッチだらけの不思議なステアリングが目に入ります。
F1の場合、ステアリングにいっぱいついているスイッチは、とても重要なスイッチばかりですが、プリウスの場合、運転に関係のあるスイッチはついていません。そこで、初めは考えないことにします。
●プリウス・レッスン1 ●プリウス・レッスン2
プリウスのキーは黒い四角のプラスチックの箱です。リモコンキーになっています。
ドアの鍵をあけるのにはこのキーについているスイッチを押して行います。キーの横に緊急用のメカニカルキーというのがついていていますが、これはリモコン の電池切れの時にドアを開けるものです。警報装置が作動するので普段は使いません。
キーはエンジン・イモビライザー機能を持っています。
車に乗り込んで座席に座ります。
まずシート合わせが必要です。
運転席の下にあるレバーを持ち上げて前後をあわせます。
右側にはレバーが2つあってひとつはシートの高さを変えるシートリフター、もうひとつはシートの背もたれを倒すリクライニングレバーです。
ミニバンから乗り換えた我が家ではシートを一番高い位置からはじめて徐々に下げました。ヘッドレストは耳の位 置にします。
●プリウス・レッスン3 ●プリウス・レッスン4
次にハンドル(ステアリング)の位 置を調整します。ハンドルの真下にレバーがあるのでこれを操作してハンドルの高さを変えます。位置が決まったらがっちりと固定するのを忘れてはいけません。 シートベルトをします。プリウスの運転席シートベルトは柱の位置で上下にかなりの量動かすことができるので自分の座る位置にあわせます。
シートベルト側の金属の板をプレートとよび、車体側の固定具をバックルと呼びますが、プレートとバックルをしっかり固定します。
プリウスの場合、バックルは側は車体ではなくシートに固定されているのでシートを前後させるといっしょに移動します。運転席と助手席間に非常に大きなコン ソールがあるのですがシートにくっついているのでバックルを見失うことはありません。
●プリウス・レッスン5 ●プリウス・レッスン6
いよいよ始動です。
本当はミラーの位置をあわせないといけないのですが、ドアミラーは電動でも動かすことができるので先に電源スイッチを入れることにします。
キーをハンドルの右側のスロットという穴に差し込みます。その右側にある丸い大きなスイッチがプリウスのメインスイッチです。ブレーキペダルを踏んでパワースイッチを2度押します。
正面のメーターに電源が入ってスピードがゼロと表示されたら準備完了です。
ドアミラーをあわせます。運転席横のアームレストにスイッチがあります。スイッチは、直接目視できないので手探りで場所を覚えることになります。


●プリウス・レッスン7 ●プリウス・レッスン8
ブレーキに足をのせたまま、パーキングブレーキを解除します。パーキングブレーキは足踏み式です。踏むたびにブレーキをかけたり解除したりします。
パーキングブレーキペダルは左足で操作することになるので通常のブレーキペダルは右足で踏むことになります。
通常のブレーキを「フットブレーキ」、パーキングブレーキを「サイドブレーキ」などと俗称で呼ぶことがありますが、正しくは「ブレーキペダル」と「パーキ ンブレーキペダル」です。手で引き上げるタイプのパーキングブレーキは「パーキンブレーキレバー」と呼び、ブレーキ自体は同じものですが、操作するところ だけが異なります。
プリウスの様々な操作の中で、ブレーキペダルの操作はとても重要です。
自動車では安全のための仕掛けが多くありますが、特に運転者の操作ミスによる失敗を防ぐためにブレーキペダルを踏まないと操作できないようになっているも のがあります。パワースイッチを入れて走行可能状態にする時にもブレーキペダルが必要ですが、発進時のギヤ操作にも必要です。
写真のようにブレーキペダルとアクセルペダルは離れていて踏み間違いがないようになっています。ヒール&トゥー操作は難しい形状です。パ-キングブレーキ ペダルも離れていますが、こちらはフットレストとの間の段差も大きいため走行中に間違って踏む可能性はほとんどありません。
●プリウス・レッスン9 ●プリウス・レッスン10
次にギアを入れます。電子式のシフトレバーです。
はじめはPポジションになっています。
停まっている状態からはD(前進)とR(後退)とN(ニュートラル)を選ぶことができます。はじめからBを選ぶことはできません。
発進するためにDまたはRを選びます。このとき大事なことはブレーキペダルをきちんと踏むことです。きちんと踏んでいないと切り替えられないようになっています。
アクセルを踏んで発進。ブレーキを踏んで停止。ハンドルで左右に曲がる。全て普通 の車と同じです。 退屈なくらい何もすることがありません。
Bレンジというのは非常に急な下り坂専用なので普通は使うことはありません。Nレンジ(ニュートラル)にするとエンジンがかかっても充電などをし なくなり車も不安定になるため走行中に使うことはありません。高速で走行中にNレンジにすると発電機などが壊れる可能性もあるようです。
この写真からも分かりますが運転可能状態を示すREADYの文字はあまり大きくはありません。READYの時だけ大きなスピードメーターが表示されるので こちらの方が確認が楽です。シフトポジションはシフトレバーを見ても分かりませんので計器盤の左の表示で確認します。
●プリウス・レッスン11 ●プリウス・レッスン12
車を停めます。ギアをパーキングにする方法が他のオートマチック・トランスミッションの車と違います。ギアの上にあるPというスイッチを押すだけで、Pポジションにできます。
次にパーキングブレーキペダルを踏みます。
パワースイッチを切ると自動的にPポジションになるので車を降りるときにPポジションにすることを忘れることはありません。
パワースイッチを押してオフにします。 運転席正面の表示が全て消えて真っ暗になります。
キーを抜きます。
室内の照明がぼわっとつきます(室内灯のメインスイッチを切っていると点灯しません)。
車を降りてリモコンスイッチでカチャっと施錠します。
ドアをあけるとカーテシーランプ(courtesy light:いらっしゃいませ表敬ランプ)が点灯し、コンライトでヘッドライトがついていた場合は自動で切れます。
写真にあるメカニカルキーは緊急用ですので通常はリモコンスイッチでしか施錠ができません。
 
初めの2歩目!
慣れないとちょっとややこしいかも知れませんが、すごく簡単に走り始めることができると思います。でもこれだけだとちょっと不便です。
●コクピット・ドリル2
●プリウス・レッスン2−1 ●プリウス・レッスン2−2 ●プリウス・レッスン2−3
プリウスが届いたときに夜になることあります。本当は昼間のうちにたくさん乗って練習するとよいのですが、やはり夜でも乗ってみたくなりますよね。
ヘッドライトのスイッチは普通の車と同じです。スイッチにはオートの位置があります。Sグレードでもコンライトというスイッチがあります。最初はややこしくなるので普通 のオンの位置で使うことにします。
プリウスのスピードメータの光は強いのでそのままだとフロントスクリーン(前のガラス)に映ってしまいとてもみづらくなります。
ハザードランプのスイッチの右側にメーターの照度スイッチがあるのでこれを押して調整します。このスイッチ自体には照明ついていないため走り始める前に必ず調整しないといけません。
昼間ヘッドライトをオンにしてもメーターの照度は変化しないように設計されています。
ツー リングセレクションの場合、フォグランプがついています。このスイッチはヘッドライトスイッチより少しレバーの根元に近い方にあります。フォグランプは対 向車にはとても眩しいので濃霧の時以外は使わないようにすべきですが、何故か納車時はスイッチがオンになっていました。
●プリウス・レッスン2−4 ●プリウス・レッスン2−5 ●プリウス・レッスン2−6
納車時が雨のことだってあります。
ワイパーはこれも普通の車と同じです。
ミニバンから乗り換えるととても小さなワイパーなので驚きますが、プリウスはセダンなのでこんなものだと思います。
オーディオやEMVの操作は運転に慣れてから説明書を読めばよいのですが、走り初めてすぐに必要になるのは空調の操作です。いつまでも寒さや暑さを我慢して乗る訳にもいかないですから。
一番簡単なのはエアコンをフルオートにして温度を設定する方法です。
ステアリングスイッチだけでできるのでまず左下のスイッチを覚えることにします。
もし助手席に誰か乗っているのだったら、EMVの横のエアコンのスイッチを押せば画面 に全ての操作が示されるので簡単に分かるはずです。
有料道路などを走ることになると窓を開ける必要があります。プリウスの窓は全て電動です。ワンタッチ式なので全開と全閉の場合はカチっと音がするまで操作します。
ヨーロッパの車だと後席だけ手動の窓というのが少なくありませんが、日本車は全てパワーウィンドウというのが標準的です。
このような車では水に落ちたりしたときに窓が開かないことがあるのでガラスハンマーが必要です。

初めの3歩目!
ここまで来ると、昼でも夜でも、晴れていても雨が降っても運転が出来ます。普通 のセダンとしてこれで十分です。でもまだ何か忘れているかも!
●プリウス・レッスン3−1 ●プリウス・レッスン3−2 ●プリウス・レッスン3−3
新車を買ったときってあまり燃料が入っていないのが普通 です。でもプリウスだと100kmi以上は簡単に走ってしまいそうです。
でもプリウスを買ったらガソリンを入れましょう。完全な電気自動車ではないのです。運転席の右下に燃料タンクへの給油口のふたをあけるレバーがあります。給油口は左後ろ。レギュラーガソリン指定で45リッター入ることになっています。
無給油連続走行記録をねらっている人は別として、普通 の人は、無理矢理目いっぱい給油してはいけません。エコロジーに反するだけでなく危ないです。
燃料中に含まれているカーボンの量が多いと思われているハイオクガソリンを入れるのも変です。プリウスのエンジンはハイオク仕様ではありません。メーカー指定以外の燃料を使用しての燃費記録はレギュレーション違反だと思います。
プリウスのEMVには色々な情報が表示されますが、運転中に見るのは危険です。
でもタコメータの無いプリウスではなんとなく寂しい。そこでエネルギーモニターを表示させると車を運転している気分にひたれます。純正ナビ付きのプリウス だとステアリングスイッチの右上のスイッチでナビ画面 とエネルギーモニター画面を切り替えがワンタッチです。
●プリウス・レッスン3−4 ●プリウス・レッスン3−5 ●プリウス・レッスン3−6
他の説明書を読む前にパンクの時の対処方法を練習しておくのがよいと思います。
プリウスのサスペンションにはアルミ部品があるため不用意な場所にジャッキをかけることができません。でもツーリングセレクションにはスペアタイヤがありません。
パンク修理キットは本格的な修理道具ではなくパンク修理材とエアポンプのセットなのでとても簡単です。ただしパンク修理材は1本分です。
サイズ違いのテンパータイヤより安全かも知れません。
ツーリングセレクションのヘッドライトはHIDです。光軸合わせはヘッドライトコンピュータによる自動調整です。電球に相当する部分は一応消耗品なのですが素人が自分で交換することはありません。したがって予備の電球を持ち歩くといった従来の方法は使えません。
ツーリングセレクション以外のプリウスはH4のハロゲンランプですが、こちらは従来のランプと同様にフィラメントが垂れてくるので定期的に光軸を調整する必要がありそうです。
これ、はじめの1歩2歩3歩と関係ないかも知れませんが、プリウスには灰皿とシガーライターがついていません。12Vの電装品用のソケットがセンターコンソールの中についています。これがないとタイヤに空気を入れるときのエアポンプを使うことができないので必需品です。
その他の電装品を使うときはこのソケットから電源をとることになりますがあまり使いやすい位置ではないのでこれから改造しようと思っています。