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20型プリウスを使い始めて走行距離が1万キロメートルに達しました。休日などはできる限り自動車を使わないようにしていますが、それでも通勤で毎日50キロメートルくらい走るため、10ヶ月たたずに1万キロメートルに達しています。
すっ かりプリウスの運転にも慣れてごく普通の車になってしまい、新鮮味はなくなってしまいましたが、感じたこと、発見したこと、勉強したことなどを「プリウ ス・インプレッション」として書き始めようと思います。
 プリウス応援ページの他のページは、客観的になるように書いたつもりですが、ここは、1ユーザーの主観に基づいて感想を書いていますので他のユーザーの方 や専門家の方とは感想が大きく異なることがあると思います。
●カテゴリーレス?プリウス

プリウスの最大の特長はガソリンエンジンと電気モーターによるハイブリッドシステムを採用していることですが、もうひとつの特徴は、ハイブリッドカーの選択肢があまりに少なく、実質的にはプリウスしかないことです。
プリウスは実験車ではなく市販車です。数が売れなければエコカーとしてはあまり意味がありません。実際に国内で販売されているハイブリッドカーや電気自動 車はたくさんありますが、「普通の車並みの数」が走っているのはプリウスだけです。この選択肢の少なさがプリウスが抱える最も大きな問題かも知れません。
コンパクトカーが欲しい人から見るとプリウスはとても大きな車です。大型乗用車が欲しい人から見ると小さな車です。5人しか乗れないのでミニバンの代わり にはなりません。クーペが欲しい人から見るととても車高が高く、SUVが欲しい人から見るととても低い車です。四輪駆動車もありません。
実際にプリウスに乗っていると色々な部分が、とても中途半端に見えてきます。しかし、「プリウスしかない」ことを考えると、良く言えばバランスよく作られているとも言えます。
トヨタのコンパクトカー・ヴィッツやミニバン・ウィッシュ、大型乗用車クラウンなどにも同じようなハイブリッドシステムが搭載されていればプリウスはもっと違った車になっていたのかも知れませんが、まとめて1台にしてしまうとこんな感じになるのだと思います。
車のカテゴリーまでハイブリッドになっているようですが、一応、ファイブドア・セダンということになっています。
  ●最初の印象 

はじめのインプレッションは、他のページにも書きましたが、1万キロメートル走ってもう一度思い出してみます。
午後、届いたプリウスに早速乗ってみました。翌日からは通勤に使わなければならないのでまずは操作を確認です。
車に乗ったら、シートの位置をあわせてシートベルトを締めてハンドルの位置も合わせます。ここまでは普通の車と同じです。キーを差し込みます。
予習していたとおり、キーを入れて、システムをオンにしてギヤを入れて、パーキングブレーキを解除して発進です。

色々なところを触る余裕もEMVを見る余裕もありません。特にステアリングにつているスイッチは半年以上使って、完全に暗記してしまってからはとても便利なものと思えるようになりましたが、初めのうちはとても操作することができません。
とにかく、ハンドル、アクセル、ブレーキの3つを操作して運転に集中です。
キーを差し込む穴は四角です
ブレーキペダルを踏んで、 パワーボタンを2回押して起動です。
 
READY状態
  
  1. プリウスには「エンジンをかける」という操作がありません。そのかわり、システムのREADY状態というのがあります。計器盤の中にこれが表示されますが、じっと見て探すよりも、スピードメーターの方が簡単です。
  2. 停まっていて速度計に大きなゼロの文字があれば、READY状態です。パワースイッチがアクセサリーポジションなど他の位置になっているとスピードメーターが表示されません。小さなREADYという文字を探すよりも大きく示される速度ゼロの表示の方がはるかに役立ちます。
発車準備
 
  1. 本当はシートやシートベルト、バックミラーなどの調整を全て済ませてから「エンジンをかける」のが正しいのですが、プリウスの場合、どうしても「起動」が気になります。
  2. 乗ってすぐに、バックミラー(ドアミラー)とワイパーもかなり小さいと思いました。これは今まで乗っていた車がイプサムなのでそう感じたのだと思いますが、一瞬、こんなに小さくて使えるのかと心配になりましたが、セダンとしては特別小さいものではなさそうです。
  3. 走り始めて次に気づいたのが、方向指示器の動作音がとても小さいことです。ハイブリッドカーなのでエンジン音がない時にカチカチ大きな音をたてると邪魔だと思ったのか、とても小さな音なのです。もっと大きな音の方が分かり易いと思います。
最初の運転
 
  1. プリウスには燃費計というものがついています。早速ガソリンを満タンにすることにしました。EMVのすぐ下にトリップメーターの切替え兼リセットスイッチがありますが、これは他のトヨタ車と仕掛けは同じものです。
  2. し ばらく走っていると、あたりが暗くなってきましたが、ヘッドライトがなかなか点灯しません。プリウスにはコンライトがついているので、ライトのスイッチ をオートの位置にしておけば自動で点灯・消灯ができるはずなのですが、薄暗くなっても点灯しないので手動で点灯しました。
  3. オ プションでついているフォグランプが点灯してあわてました。茨城県は比較的霧が出やすい地域ですが、それでも街中でフォグランプが必要になることは滅多に ありません。何と言っても対向車に迷惑がかかるだけです。 このフォグランプはツーリングセレクションのパッケージに含まれているもので、わざわざ選んで取り付けたものではありません。フォグランプのスイッチが分 からず、あわてて駐車できる場所を探して、車を停めてスイッチを探しました。ヘッドライトのスイッチの内側にフォグランプのスイッチがあり、連動するよう になっていました。
  4. トリップメータのスイッチのとなりに計器盤の照度スイッチがあります。プリウスの速度 計などは機械式ではなく電子式の表示(トヨタ車ではオプティトロンメーター)なので昼間でも発光式です。したがって、そのままだと夜間の運転ではフロント スクリーンの内側にメーター内の明かりが反射して見づらくなります。計器盤の照度スイッチは昼間の明るさは変えられませんが夜間の明るさは何段階かに変更 することができます。工場出荷状態では、夜間減光なしの設定なのでですがとても見づらいと思いました。予め取扱書を読んでいたのであわてずにすみました。
  5. 交 差点で失敗をしました。信号待ちが長かったので、ギヤをDレンジからPレンジに切り替えてブレーキペダルから足を離してしまいました。次に発車する時に、 ギヤが入りません。ブレーキペダルを踏みながらでないと操作できないのは知っていたのですが、ペダルを踏むと同時にシフトレバーを操作すると、うまくいか ないようです。一瞬、間をあけると簡単にできるのですが、その時は後続車がいてあせってしまいました。普通のオートマチック車では信号待ちなどでパーキン グポジションに入れたりしませんが、プリウスの場合は、ボタンひとつで簡単に出来てしまうのが落とし穴です。
  6. ア クセルを踏まない状態でも車がずるずると動く状態をクロールといいますが、トルクコンバータを使っている自動車ではクリープという現象が生じてしまい、ギ ヤが入っているとずるずると動いてしまい、機構的にクロール機能を持っています。トルコン車では停車中にエンジンの回転数によってクリープ力が変化するこ とがあるため、比較的強めにブレーキペダルを踏んでいなければなりませんが、そのために停車中は自動的に2速にホールドするように制御している車もありま す。、一方、プリウスはトルククコンバータを使用していませんが、従来車のクリープに慣れている人のためにモーターを用いたクロール機能を持たせていま す。電気モーターでクロールを制御しているため、軽くブレーキペダルに足を乗せているだけでこの機能をキャンセルすることが出来ます。例えば、従来車では オートチョークやアイドルアップが働いているときやエアコンのスイッチのオンオフによって車が強く押し出されたりすることがあり、交差点で停車中などは意 識して強くブレーキを踏んでいる必要がありますが、プリウスの場合は、同じ強さでブレーキを踏んでいるだけで車は停止しています。これはとても便利なので すが、そもそもクリープに似せたクローリングの機能が必要なのかどうか、よく分かりません。
 
  ●プリウスの外観

トヨタのホームページには「スタイリングとパッケージの革新」について次のように示されています。
トヨタの謳い文句 感想です。
トヨタデザインのフィロソフィ『VIBRANT CLARITY』に基づき、フューチャリスティックでエモーショナルな魅力と高機能を両立した「5ドア+ハイデッキ」パッケージを特長とする新セダンスタイルを創出しました。
走りを予感させるエモーショナルな未来的スタイルを明快でシンプルなデザインで表現(トライアングルモノフォルムデザイン) これこそ好みの問題かな、と思います。全体的にずんぐりしていて愛嬌のある車に見えます。
空力特性とユーティリティを高次元で追求したエアロダイナミックフォルム(CD値=0.26) CD値は小さいかも知れませんが、車体の前面投影面積は小さくありません。狭い道で、対向車にプリウスが来るとかなり大柄な車に見えます。
後方視界に優れたサブウインドウと視認性の高いLEDストップランプを組み合わせた機能的かつ独創的なリヤスタイル 後方視界がよいとは思いませんが独創的なリヤスタイルは確かにその通 りだと思います。
外観については、それこそ主観の違いが大きいかも知れませんが、感じたことを書きます。
この車、今までのセダンと比べると、やはり、すごく変な形をしていると思います。
最初に試乗車を見たときの第一印象は、寸法以上に大きく感じる車でした。
初代プリウスのコンパクトなイメージがあるため、「でかい」、と思いました。
真横から見るとAピラーがかなり前方へ出ていて未来的にも見えるのですが、フロントタイヤからバンパーまでが不必要に長くみえます。エンジンルームが小さ くフロントのオーバーハングが短い方が、効率的でスマートというか賢そうに見えるのですが、プリウスの場合はやや間延びしたようにも見えます。実際に運転 していると鼻先が「重い」と感じますが、見た目も重そうです。
カタログの3面図を見ると、横置きエンジンのFFセダンとしてみても、フロント・オーバーハングがやや長いように見えます。
上の写真からも分かるようにフロントタイヤから前の部分が長いというかフロントタイヤが前ドアの近くまでせまっているため、室内側ではアクセルペダルの横 にホイールハウスが出っ張っています。その分後輪はずっと後ろ側にあるため座席への張り出しがありません。
短めのリヤのオーバーハングに比べて長めのフロントオーバーハングですが、ハンドルの切れ角度が大きく、最小回転半径が比較的小さいため実際に運転してみると、サイズの割には、取り回しが楽です。

車体の先端などが直接目視できないのは別にプリウスに限ったものではありませんが、 この車も運転席からはボンネットもフェンダーも何も見えません。初めてドアミラーの車を買った時に心配でコーナーポールをたてたことがありますが、数日も 乗れば不要になるのと、やはり「格好悪い」のでプリウスにもコーナーポールをつけていません。左の前輪がどこを走っているのかが感覚的につかめれば十分だ と思うのですが、ミニバンのイプサムよりはずっと分かりやすい車だと感じます。

この車を前から見ると他のトヨタ車に似ている部分もあります。全高は異なりますが、ウィッシュなどにもよく似ています。しかし、後から見た印象は、かなり特徴的です。
リヤウィンドウを寝かせて後端をスパッと切ったコーダトロンカ型の造形処理は空気抵抗を小さくするためのもので、プリウス以外にこのようなデザインを用い た車は少なくありませんが、やはりとても目立ちます。かなり腰高なデザインだと思いますが、想像していたような不安な印象もありません。

この車、横や後ろから見たときに屋根の上のラジオのアンテナが目立ちます。兄弟車とも言えるアリオンやプレミオと同じようなデザインですが、このアンテナがあるかないかで印象がずいぶん異なると思います。
「高級車」と呼ばれる大型のセダンなどには外部に見えるアンテナがないのが普通ですが、プリウスにはアンテナが見えるので、大衆車的で好感が持てます。ヨーロッパなどのFM放送とは異なり、日本仕様のアンテナは短いのですがデザイン的にはバランスがよさそうです。
●プリウスの室内(運転席と前席)

運 転席にはシートリフターがあり、チルトステアリングがあります。こういう装備はあってもなくても何とかなる(昔はこういうものがなくても少しも困らなかっ た)ものですが、やはりあると便利です。ミニバンからの乗換えなのでシートリフターは最初は一番上にしておいて、慣れるにしたがって一番下まで下げていき ました。チルトステアリングは全体的にかなり低いようで一番上にしてもあまり高い位置とは思えません。 いずれにしても一度位置を決めてしまうと、滅多に動かさないものなので少しもったいない気がします。
前席のシートベルトはセンターピラーの位置で高さを調整できるものですが、かなり調整代があります。

ステアリングは楕円形で上下が短いものです。スイッチが一杯ついているので見た目に重い感じがしますが操作には何の問題もありません。トヨタ・ラウムのものによく似ています。
大きなレバーがシートの高さ調整、
小さなレバーがリクライニング調整です。
目の前にはこんな形のステアリングがあります
フ ロントスクリーンは寝ているというりも、上側が普通のセダンと同じ位置で下側が思い切り前方に押し出されたような形になっています。スピードメータのある 位置はフロントスクリーンのすぐ下なので、ものすごく遠くにあります。スピードメーターは下から投射して鏡を使って運転席方向に見せているためさらに遠く にあるように見えます。これは運転中に前方を注視している時にちらちらとスピードを確認するのにとても容易な構造です。焦点距離をあまり変えずに見ること ができるので楽です。
ものすごく遠くに見えるスピードメーター
ハンドルの上から見ることになります。
ど真ん中の手前にあるEMV
一 方、プリウス独特のEMV(エレクトロマルチビジョン)は、タッチパネル式の液晶なので運転席から手が届く位 置にあります。かなり手前にあります。したがって、スピードメーターとの距離の差が大きいようです。運転中は、前方不注意になってしまうため、運転手は見 ないのが一番です。 プリウスに乗り始めたときに運転席からちらちら見ていましたが、今になってとても危険なことだと思うようになりました。EMVは基本的に、助手席側から見 るものだと思います。
 
前席で最も大きな不満は、大きなセンタートンネルと大きなセンターコンソールです。
プリウスにはFFしかありません。四輪駆動車はありませんが他車と部品を共用しているためか、床の上にとても大きなトンネルがあります。せっかくのFF専用車なのに足元が狭苦しいのがとても残念です。
センターコンソールはそのトンネルの上に置いてあるため収納スペースの割には大きなサイズになっていて結構邪魔ですが、ペットボトルは使いやすい位 置にあり、ハードディスク・オーディオ(iPod)の置き場に重宝しています。
 
  ●プリウスの室内(後席と後方視界)

後部座席は、兄弟車であるプレミオとあまり変わらないように感じます。(プレミオにはレンタカーで2日間ほど乗っただけ)
後部座席の後方は屋根が少し低くなっていますが、プリウス自体が車高の高い車なので見た目の印象ほど狭い感じはありません。最近の車には珍しく後部ドアのガラスがほとんど全開になります。
後部のドアにはスピーカーが組み込まれていますが、ドアポケットがありません。やや不便に感じますが、これはプリウスに限ったものではないようです。前席のシートバックにポケットがあるので後席側の物入れになります。
プリウスは5ドアで後部座席が折りたためるようになっていますが、シートベルトは3人分全てが3点式になっています。
センターにはアームレストがついていますがあまり便利なものではありません。フロアのトンネルは後部座席でも邪魔です。
後 方視界は、一般的なセダンとしては、あまりよくないのかも知れませんが、ミニバンよりははるかによいと思います。ほとんど真上を向いているような後部の窓 はあまり役立っていないように思えるかも知れませんが、後続車の車種くらいははっきりと分かります。その下にあるエクストラウィンドウ(サブウィンドウ) はあるとないとでは大違いと思えるほど、「必要」です。上下2枚のガラスを合わせると意外に後方視界はよいかも知れません。
上の窓は、視界を妨げるほど汚れることはありませんが、下のサブウィンドウは時々雑巾がけしないと汚れて見づらくなります。
車庫入れなどでバックをするときはナビ付き車にはバックモニターがあるので不自由ではありませんせん。
イプサムのバックモニターはモノクロでしたがプリウスのものはカラーです。視認性という意味ではあまり大きな差はありませんが、夜間は白黒の方がはっきり と見えるようです。イプサムの時はバックモニターのレンズにワイパーが欲しいと思うことがありましたが、プリウスではそのようなことはありません。
 
  ●ヒューマン・マシン・インターフェースの革新

トヨタの謳い文句 感想です。
軽い感覚でシフト操作ができる電子制御式シフトレバーとパーキングポジションスイッチを備えたエレクトロシフトマチック(日本初) 確かに便利ですが、普通のコラムシフトでも構わないと思います。
メーター類の視認性と乗降性に配慮した楕円ステアリングホイール
機能的なレイアウトとしたセンターメーター、視認性を追求した遠視点表示のスピードメーターなどのインストルメントパネルデザイン メーターは運転席の真正面にありセンターメータとは言えないと思いますが、遠視点表示は確かに見やすい。
車庫入れ、縦列駐車時の後退駐車運転支援システム インテリジェントパーキングアシスト(世界初) 画像認識システムはよくできていると思います。アイデアは面白いけれど実用的だとは思えません。人間が操作する方が圧倒的に早く、また制限速度が低すぎてすぐにキャンセルされてしまいます。
深夜、早朝に静かでクリーンなモーター走行が可能な EVドライブモード(世界初) これ確かにあったほうが便利ですが、スイッチの位置は不便です。シフトレバーに組み込んだ方が使いやすいと思います。
快適性を高め低燃費にも寄与する湿度センサー付電動インバーターオートエアコン(量 産車世界初) よく出来たエアコンだと思いますが、内外気循環モードの自動切換えがあまり賢くないので不便です。
空調設備としては、除湿ではなく調湿機能を持つため、乾燥しすぎないのがメリットです。
寒 い時に暖房のためだけにエンジンがかかることがあることがわかりました。信号待ちなどでのアイドリングストップが購入理由の大きな点であったのに寒い日は EVスイッチを使わってエンジンを切ることがたびたびです。そこでエンジン用ラジエターとインバータ用ラジエターの冷却材ホースに温度計を取り付けてしば らく様子をみています。
冬に温度計を取り付けてからしばらくみていたのですが、走行前ほとんど同じ温度だったものが車が動き始めるとインバータ用の冷却材の方がいつも高い温度を 示している様です。かなりテキトーな温度計をホースにアルミテープで貼ったものなのでそれなりの精度しかありませんが、インバータ側の方がエンジン側より 温度上昇が速く、いつも摂氏5度以上は高い値を示しています。これを暖房用のコア(室内側のラジエター)にまわして使えばエンジン停止に効果があるのでは ないかと思いました。
 
  ●プリウスの走り

エンジンとモーター
  
  1. こ の車、ハイブリッドカーだということを意識せずに乗るとどんなエンジンを積んでいるのかよく分からないかも知れません。ミラーエンジン(あるいはアトキン ソンエンジン)と呼ばれるガソリンエンジン自体がとても珍しく、市販車としてはマツダ・カペラとトヨタ・プリウスくらいしか見当たりません。 プリウスの場合は、可変バルブタイミング機構を用いて、実効排気量を500ccくらいから1500ccまで変化させていますが、気筒休止のような制御はし ていません。しかし、走行中にエンジンを頻繁に完全停止させることができる、不思議な車です。
  2. 低 速時の大きなトルクや急加速時には電気モータが使えるため、エンジンは高出力型、高回転型にはなっておらず、効率重視になっているようです。アクセルを踏 み込んでも、エンジンからは「ぶおーん・ぶおーん」という音がするだけ。高回転時の「キーン」という音は聞こえません。かと言って低速時に「どどどど」と 回るわけでもありません。エンジンが回る時はいつも「ぶおーん」といった感じなのです。
  3. 発進時は、電気モーターが「うぃーん」と音をたてて、「ぶるん」とエンジンがかかって、その後は、エンジンとモーターの音が混じったり、「しゅいーん」と加速したり、とても不思議な音のする車です。
  4. 山 道を登るときは、苦しそうなエンジン音がなく、モーターがぐいぐいと車を引っ張ってくれます。とても楽です。 山道を下るときは、エンジンはずっと止まったままです。回生ブレーキは、他のオートマ車のエンジンブレーキよりずっと強力です。長い下り坂だとバッテリー が満タン(表示の上で)になってしまうため、それから先はエンジンブレーキと機械式(油圧制御)のブレーキを使うことになりますが、少しも不安な感じはあ りません。
トランスミッション
 
  1. プリウスは「よくあるハイブリッド車」のような無段変速機を使っていません。エンジン+モーターの動力をCVTで伝達しモーターを発電機の替わりも使用しているタイプのものではなく、エンジン+モーター+発電機の3つを使って動力分割機構で動力を伝えています。
  2. し たがってCVTのようなエンジンの回転が先に上昇してその後で車速がついてくるような感じとは異なった加速感があります。 トルコンAT車でも加速中にロックアップ機構がはずれている時は、エンジン回転数と車速がずれて回転数の方が高くなる感じがしますが、プリウスの加速感は それとも異なります。かといってマニュアルトランスミッションのようなダイレクトな感じもしません。ぶおーん、と少し頼りないエンジン音とともに加速して いくのですが、エンジン音の上昇よりも車速の方が伸びていくような不思議な感じです。
  3. 速いかどうか、ということでは、普通に走って普通の加速をした感じでは、特別遅くもなく特別速くもありません。
 
   
  ●プリウスの走り(EV)

日 本仕様のプリウスにはEVモードスイッチがあります。これは強制的にエンジンを停止して、できる限り電気モーターで走行するためのスイッチです。「 できる限り」というのは、駆動用バッテリーに無理な負荷を与えない範囲ということのようで、バッテリー残量が低いとEVモードは使用できないようになって います。プリウスのEMVにあるエネルギーモニターには走行用のバッテリーの残量を示す画面があり、ここにはセグメント表示が最大8までのレベル計があり ますが、レベルが2になるとEVモードが自動的にキャンセルされます。
バッ テリーを保護するために、実際のバッテリーの満充電と空っぽの許容範囲よりずっと安全サイドに表示されているとは思いますが、普通に使っていてEV走行が できるのはバッテリーレベル6から3の間と考えるのが現実的のようです。カタログなどには、バッテリー走行は約1キロメートルくらい可能であると書かれて います。
通勤の帰宅時に自宅の手前2.5キロメートルの地点からは、道が曲がりくねっていて医療施設などがいくつかあり住宅地もあります。
制限速度も毎時30キロメートルなので、この道をEVモードで走行すると、エンジンを回さずに(バッテリーレベル3までで)帰宅することができま す。昼間だとEV走行は、音が静か過ぎるため危ないので使いませんが、夜間はヘッドライトを点灯してゆっくりと走ることができます。
この2.5キロメートルという距離はEV走行でギリギリで到達できるかどうかの距離のようなので、いろいろなことが分かります。
(1)速度があがると一気にバッテリーの残量が減ってしまいます。毎時20キロメートルくらいが効率的のようです。
(2)エアコン(クーラー)をつけているとまるで届きません。1キロメートルも走ることができません。
(3)EMVとオーディオはかなり電気を消費するようです。
(4)フォグランプはかなり電気を消費します。ハロゲンヘッドランプだとこの距離を走りきるのは難しいかも知れません。
(5)減速時にウィーンという回生ブレーキの音が聞こえます(窓を開けているとよくわかります)
(6)気温が低くても高くてもバッテリーの消耗が早いようです。
 
 
  ●プリウスの走り(乗り心地)

ツーリングセレクションは、エコカーなのになんと55タイヤがついています。幅広タイヤのせいか、路面のわだちには敏感に反応してしまいます。 足回りは、しなやかな印象はありません。
滑らかな道を走っている時は快適ですが、少し荒れた路面だと「ドシン・バタン」といった感じになります。アルミホイールなのになんだかすごく重く 感じます。前の車、イプサムに比べると重心が下がった分安定していて楽に走ることができますが、その前の車、コンチェルト(四輪ダブルウィッシュボーン) に比べると乗り心地も操縦安定性も今ひとつといった印象です。コンチェルトは17年も前の車なんですが..。
我家のプリウスは、扁平タイヤということもあって、あまり乗り心地が良い方ではないと思いますが、まあ合格かなと思っています。
FFなのに直進安定性があまりなく、風の強い日は気をつかいます。 足回りには、先進的(プリウス)なものは感じません。むしろすごく古い技術のような気がします。

  ●低燃費車・プリウス

プリウスと言えば、低燃費。
低燃費だけがプリウスの特長ではありませんが、市販車の中ではとの低燃費性能を持っています。
もちろんカタログ燃費と同じ条件で走ることはないので、カタログ燃費よりずっと高燃費で使っている人や、ほぼ同じくらいの低燃費で使っている人もいるのだ ろうと思いますが、我家のプリウスは1万キロメートル時点では、ほぼガソリン1リッター当たり20キロメートルになっています。
Sツーリングのカタログ燃費が30キロメートル/リッターなので、約50%ほど高燃費ということになっています。この表記だと分かりにくいかも知れません が、カタログでは100キロメートル走行当たり3.3リッターの燃料消費のところ、我家のプリウスは5.0リッター消費しますから5割増しということにな ります。走行可能距離という方法だと性能は66%ということになります。
こ の数字を見て、ハイブリッドなのにこんな程度か、と思うか、この大きさの車でこの燃費は立派と思うか、人それぞれの感じ方によると思いますが、ほぼ同じ区 間を通勤で使っている職場の他の車と比較すると、ダントツに低燃費であることには違いありません。個人的には、可もなく不可もなくといった評価をしていま す。
エコカーとしては、燃費性能も重要ですが、今は、普通に使っていて、実際にどれだけ燃料を使用するかということに興味があります。エアコンも普通に使い、 近場でも車が必要な時はプリウスを使いますが、それでも、年間1キロリットル以下に抑えられています。
 

続く