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アイドリング・ストップを自動で、と考えて選ん だプリウス。乗り始めて2年以上たちました。ハイブリッド車の種類がとても少ない中、選択肢は非常に少ないのですが、2005年の秋にフルモデルチェンジ したシビックのハイブリッドもエンジン停止時のエアコンの動力や低速時や停車時のエンジン停止の頻度をあげてきました。
プ リウスも初代のモデルではエアコンの動力源がエンジンであったため、期待するほどアイドリングストップがうまくいかなかったようです。2代目からはこの 問題が解消されたことが購入の動機になったのですが、シビックも同様の機能を持ったてめ、選択肢が広がったのはよいことだと思います。選択肢が広がるとあ らためてプリウスという車の○(マル)の部分だけではなく×(バツ)の部分を考えてみたくなります。もっと良い車になればと、思います。
 車の基本性能:信頼性  ◎

自動車が安全で快適あるためには、まず、故障しない高い信頼性が必要です。

  ハイブリッドカープリウスを買うときにもっとも心配だったことが、故障です。どんな車でも機械なので故障したり不調になったりしますが、まだ珍しいハイブリッドカーです。故障が心配です。なんといっても、ブレーキやアクセルペダルも コンピュータ仕掛けです。
  実際に乗って、全く故障がないのに驚きました。頻繁にエンジンを起動・停止するためオイルなど心配でしたが、全く問題がありません。ブレーキも普通のオートマチック車に比べると非常に強力で使いやすいものです。信頼性は二重マルだと思っています。
  名前はプリウスでも、使われている技術は「市販車」の技術。けっして「実験車」のものではなく、普通に安心して乗ることができるものだと思います。
 
 プリウスのサスペンション ×→△ 

プリウスが発売された時の、ある雑誌のレポートを引用します。「コーナリングはバッテリーが低い位置にあるので、下半身が安定している動きをする。1.5Lの実用車とは思えない重厚感がある。とくに高速道路での安定感がよい。」

 

レポーターの主観はこのようになっていますが、私の印象は正反対です。プリウスの足回りはどたばたした感じがあり、特にコーナリングでは鼻先の重さや腰高の印象があります。15センチメートルも車高が高いイプサムと比べてもフィーリングがあいまいです。

 

  横風が強い時はイプサムと比べてももずっと走りにくいようです。サスペンションは前がストラット、後ろがトレーリングリンクのリジッドです。FF車でもコ ストダウンのためか独立懸架にしない車がありますが、プリウスもそのような1台です。リジッドなのでばね下重要は非常に重く軽快感や乗り心地の点では非常 に不利なのは間違いありませんが、もう少し接地性や安定性を高くして欲しいと思います。

 

フ ルモデルチェンジしたシビックハイブリッドは、プリウスよりトレッドが広いこと、車高が5センチメートル低いこと、後ろのサスペンションがダブルウィッ シュボーンの独立懸架になっていること、車体の割りに軽量であること、などから考えるとずっとよいサスペンションではないかと想像します。まだ乗る機会が ありませんが、仕様を見る限りはかなりの差があるようです。

 

上のインプレッションを書いたその後、新車時に装着されていたタイヤが磨耗したため新しいタイヤに交換することになりました。

 

サ イズは同じ195/55R16のスチールラジアルタイヤなのですが、銘柄はブリヂストンPlayzというものです。燃費をあまり気にしなくてよいプリウス なので走行性能のよいタイヤを選ぶこともできそうですが、あまり多く流通していないサイズであったため選択肢はあまり多くありませんでした。トヨタ TF104,TF105のミシュランタイヤからTF106のブリヂストンタイヤに変更したほぼ同じ時期にわが家のプリウスもミシュランからブリヂストンに 変更することになりました。

 

タイヤを交換した後、走行安定性がかなり変わりました。

 

それまで強い横風に流され気味であったものがしっかりしました。普通の前輪駆動車になったという印 象です。コーナーでも前のようなどたばたした感じは減少し、鼻先の重さは変わらない印象ですが少し乗りやすくなった感じです。

  乗り心地や走行安定性はサスペンションだけではなくタイヤによっても大きく変わるようです。
 
 車種が5ドアハッチバックであるということ △? プリウスのスタイル △?

プ リウスは5ドアセダンです。セダンというよりはハッチバックなのだと思います。モデルチェンジしたシビックがプリウスよりひとまわり大きな4ドアセダン です。使い勝手の点などでどちらを選択するかとても微妙なところです。大きな荷物を載せるときはハッチバックも便利なのですが日常の使用では独立した大き なトランクルームも便利です。オーディオを良い音で聞きたい人だとドアにスピーカーを取り付けなければならないハッチバックよりセダンの方がよい場合もあ ります。

 

車のスタイルというのはかなり「主観」が入るものです。好き嫌いがあるのは仕方ないと思いますが、あえてインプレッションを書くと△マークになります。

 

現在発売されている車にはプリウスによく似たスタイルのものは見当たりません。よく言えば個性的ですが、見慣れない変な形とも言えます。

 

5ドア車というのはヨーロッパでは当たり前のようにたくさん走っていますが、日本ではなかなか成功しない車種のようです。
とて も保守的な車が多いようにみえるトヨタですが、大昔のトヨタ・コロナの時代からずっと5ドア・セダンを作ってきています。プリウスはコロナSF(5ドア) なのだと思いますが、スタイル的にはやはりあまりうまくいっているようには思えません。

 

斜め後ろから見るプリウスはかなりぼてっとした印象、とてもスリムとは言えない重さを感じます。

 

2代目プリウスは初代プリウスに比べて同じ全高に対して車幅を広げたので、 少し安定感がでるかな、と思ったのですがやはり腰高な印象はあるようです。

 
 ひと目でプリウスとわかること ×

自 動車に乗るとき、あるいは持ち物としての自動車は、それを所有する人の考えや主張が表れるものです。200馬力を越えるエンジ ンを搭載している車だと、運転者の技量はかなり高いだろうと想像し、さっさと先に行って欲しいと思います。小さな車で初心者マークがついていると、がんば れっと応援してしまい、重量級のSUVやミニバンが走っていると、頼むから資源を大事に使ってくれと願ったりします。

 

プリウスの場合、車体がハイブリッド専用車であり、それなりに数が増えたため、ハイブリッドカーのプリウスだ、と認知されやすくなりました。しかしハイブリッドであることを誇示しているようなところはあまり好きになれません。

 

確かにプリウスはエコカーだと思っています。自動車が環境に優しいわけはありませんし、車に乗ることの賛否もあると思いますが、他の車に比べると、マシなのは確かです。それでもあまり「主張しない車」であって欲しいと思います。

 

もし、トヨタがプリウスのメカニズムを利用してアリオン・ハイブリッドを発売していて、トヨタのハイブリッド車に選択肢が2つあったとしたら、おそらく4ドアセダンのアリオンの方を選んでいたと思います。

 

プリウスであることを誇示したい人には今のスタイルでちょうどよいのかも知れませんが、「普通の車が欲しい人」にとっては目立つスタイルとハイブリッド専用車であることは大きな欠点となります。

  ハイパワーの車で、WRCレプリカのスタイルや、オーバーフェンダーなどついていると(どこにでも乗っていけるというものでもありませんが)格好いいと思います。しかし、エコカーというのはもっと目立たない存在であって欲しいと思います。
   
 
 燃費がよいということ ◎と×

10・15(テンフィフティーン)モードの燃費にはとうてい及ばないものの普通に仕事に使っていての燃費は19.3キロメートル毎リットル。

 

満 タン法による燃費の記録をつけていますが、これまでの最低の燃費は7000キロメートル走行時のリッター 22.5キロメートル(季節は5月)。最高の燃 費は28000キロメートル走行時のリッ ター 16.1キロメートル(季節は1月)。100キロメートル走行に必要な燃料の量(容積)という国際的な燃費表示でいえば、最小、4.4リッターから 最大 6.2リッター、最小燃費からの比率で言えば、もっともよくない時は40%も多く燃料を消費していますが年間の平均で言えばそれなりに満足していま す。

 

燃費のよいプリウスの欠点は、運転者が燃費を気にしてしまうことです!せっかくの低燃費なのに!

 

車に燃費計がついていること、他の車に比べて燃費がよいことから、どうしても燃費を気にしてしまいます。せっかくの低燃費性能を持つ車なのだからあまり燃費のことを気にせずに走ればよさそうなものですが、やはり燃費計が気になることがあります。

 

エ コロジー的に重要なのは、燃費ではなく燃料を多く使わないことなのですが、どうしても簡単に表示される燃費の方が気になること が多く、あほらしいと思うこともあります。現在、年間の燃料消費量は650リッター程度。イプサムを使っていた時の半分以下です。本当はこれで十分なので すが、燃費計が邪魔な時があります。燃費がよくないと、なんだか損した気になるのは困ったものです。

  一人で乗っているときはEMVに何が表示されていてもよいのですが、家族が乗っている時は燃費・エネルギー画面にしておくと嫌がられるのでナビの画面にしておくことが多いのです。一発でディスプレイの電源を切るスイッチが欲しいで す。
 
 燃費マニアがいるということ ◎と×

高性能の車が販売されればスピードを出し過ぎる人が増えるのは当たり前のような気がします。プリウスの場合は、圧倒的な低燃費性能を持つので、さらに上を目指そうという人が現れるのも当然のような気がします。

 

速い車にはスピード狂、低燃費の車にも燃費マニア!ずっと安全です。

 

競 技としての低燃費競争というのはあってもよいと思っています。もちろんモータースポーツそのものはエコロジーに反することであり環境にもよくないので、エ ネルギーの無駄遣いの頂点にあるエフワンですら環境問題を口にする時代ですから、燃費競争などという競技もあってよいと思います。(見て楽しい競技ではな さそうですが)

 

圧倒的多数の人が資源を節約することによって、ごく少数の人によるモータースポーツの競技が娯楽として存在できるのなら、それも許容できるのではないかと思っています。

 

プリウスは競技用車両ではなく市販乗用車です。サーキットで行われるエコランに登場するスーパー低燃費車にかなう訳もありません。実用車なのですから低燃費といっても桁が違います。

 

そこでプリウスの場合は、(ラリーとは異なりますが)公道の一般走行での低燃費競争ということになりますが、自動車ディーラーなどが車両を用意して行われる公道エコランが時々主催されている程度であって、車両持込による競技などは行われていないようです。

 

ラッ プタイムように分かりやすいものに比べると、燃費競争はやや難しく、走行距離と使用燃料という2つの要素を正しく測定して初めて競争が可能です。マラソン のように異なった場所、異なった時間に走ったタイムが直接比較できないように、エコランも走行条件が異なれば競争になりません。エコノミーランの普及のた めの正式な大会がひとつくらいあってもよさそうな気がします。

 

ま あ、そこまで考えずとも、普通に走って、しかも安全運転の範囲内でどれだけ低燃費が達成できたかを報告しあうマニアがいること も事実です。インターネット上にはユーザーの報告に基づいた各車の実走行燃費の記録などがあり、プリウスはいつも上位にありますが、これは車の性能もさる ことながら、燃費マニアの存在も大きいのではないかと思います。

 

燃 費をよくするための努力を続けると、低燃費=エコロジーの図式があてはまらくなることも多いと思います。たとえばまだ使えるタ イヤを、低燃費タイヤに交換したりすると、タイヤ4本がガソリン何十リッターに相当するのか正しく計算するデータがないのですが、大変な量になることは間 違いありません。バッテリーなども同様です。もし交換部品と同じ重さのガソリンを捨てたと考えただけでも(本当は重さの何倍にも相当するでしょうし部品が 捨てられずに少しはリサイクルされるとは思いますが、)環境に与える負荷は非常に大きなものがあります。

 

燃費を向上させようとすればどうしても、環境負荷が大きくなってしまうジレンマが感じられます。低燃費競争とエコロジーは別物です。

  ほ とんどのモータースポーツがスピードを競い危険を伴うので、このような、燃費マニアや公道における燃費競争くらいはあってもよい、と思っています。データ には裏づけがなく、参考データにも目標にもならないのですが、楽しく安全に楽しめる範囲であれば、それはそれでよいのだろうと思っています。
  これは燃費マニアと言えるのかどうか分かりませんが、プリウスの場合は、「満タンでどこまで走ることができるのか」というのが話題になります。低燃費を競うのはそれはそれで面白いことだと思いますが、航続距離で争うのは危険が伴うのでやめて欲しいと思っています。
 

燃料タンクが空っぽになるまで走る続けることはガス欠の危険を伴います。燃料の残量警告が出てもすぐに給油しない人がいるということは残念です。

   

燃 料タンク容量一杯に給油する人がいること。ガソリンスタンドの給油装置は吹き返しなどを防止するために自動給油停止装置がついていますが、これを無視して 自動停止後にさらに「継ぎ足し給油」を行う人が後をたたないそうです。石油業界などでは、事故防止のために継ぎ足し給油をやめさせるためのキャンペーンを 行うようですが、航続距離を競うようになると、継ぎ足し給油はおろか、燃料系の安全確保のために設けられた気相部分にまで燃料を詰め込もうとする危険行為 まで予想されます。

   

長 時間、給油口をあけて給油すれば有害なガソリン蒸気を大気中に拡散させてしまうので、できるだけ短時間に給油を行う必要がありますが、プリウスは車体の割 には燃料タンクが小さく、給油時間も短いので環境対策としては有利です。モデルチェンジでガソリンタンクを小さくした車も珍しいものです。そのプリウスな のに航続距離を競うあまり長時間かけて継ぎ足し給油を行う人がいることはとても残念です。

   

現在までのところ、ガソリンの過充填による大きな事故はまだ起こっていないようですが、一度でも事故が起これば大変です。

    多 くの問題はセルフサービスのガソリンスタンドで起こっているようです。法令では監視員は常に顧客の充填作業を監視し、危険行為(エンジンを停止させない給 油や過充填など)を注意、止めさせなければなりませんが、有効に機能していないようです。ガソリンなどの吹きこぼれの半数くらいが継ぎ足し給油に原因があ るとの新聞記事を見て、本当に危ないなあと感じました。
     
  燃費競争も競技としてみれば、それはそれでよいのかも。でも公道での航続距離競争は危ないのでそこそこにして欲しい。特に燃料の過充填だけはあまりにも危険なので止めて欲しい
ガソリン事故は大惨事になりかねないし、事故にならずとも長時間かけての充填は環境にはよくないことは確か。プリウスユーザーだけでも止めて欲しい。
 
 プリウスに乗っていると発言しづらいこと ×

プリウスが誤って「高価な車」と思われることがあることから、プリウスに乗っていることが恥ずかしかったり発言しづらかったりすることがあります。

 

茨城県では県の条例で停車中の自動車のアイドリング運転が禁止されています。しかし実際は駐車場などでエンジンをかけっぱなしにしている車がとても多く、ルールがきちんと守られているとは言えません。

 

県 内の企業や各種団体でも、条例化される前からアイドリングストップ宣言を行っているところが多く、条例が発効されたのを機にわが勤務先の事業所でもアイド リングストップ運動をすべしと提言したところ、やはり「プリウスに乗っているからそういうことを言うのだ」という陰口が聞こえるのです。

  プリウスに乗る前から停車中だけでなく信号待ちなどでもきちんとエンジンを停止していたのに、たまたまプリウスに乗り換えたために、「プリウスだから、他の人にもアイドリングストップ運動を強制している」と思われるはとても心外です。
  まじめに環境のことを話そうとしても、プリウスに乗っているということで、変なマニアだと思われることがあるのが残念です。普通の車のはずなのですが、ハイブリッドカーが特殊な車だとか高価だといった間違ったうわさのためかも知れません。
 
 プリウスは経済的に得か? ◎
2000cc程度のガソリンエンジンを搭載した4ドアセダンと比べるとプリウスは40万円くらい高い値段がついています。
「ガソリンエンジン+二輪駆動」と「ディーゼルエンジン+四輪駆動車」くらいの差、あるいは高機能なカーナビと同じくらい値段が追加されるといった感じです。
  しかも生産が追いつかないことや直接のライバル車がないということもあってほとんど値引きがありません。
  他の車に比べてガソリンの消費が少ないからといっても自動車の値段に比べるとガソリンの値段はわずかなものです。本当にこれで経済的に割があうのでしょうか。
  自動車の購入で金銭的な損得を言い出したら、よけいなものを一切は排除して目的地に到達するに十分な機能を持つ小さな車を新車ではなく中古で買うのがもっとも得です。
  自動車を選ぶ時は、金銭的な損得で選ぶのではなく、快適性や様々な要因で車種を選択するものと思いますが、プリウスの場合、購入動機につながるのは、やはり低燃費・経済性というのが大きいのだろうと思います。
  職 場への通勤費は、リッターあたり8キロメートルの燃費を想定して計算されています。片道20キロメートルの通勤ではおよそリッターあたり20キロメートル の燃費なので、通勤距離を過少申告しているにもかかわらず、毎月かなりの額が浮いてしまいます。今時リッター8キロメートルという決め方が甘いのかも知れ ませんが、ガソリンの単価があがればあがるほど通勤費が浮いてしまいます。
  通常車との差額分40万円は、行政補助金と通勤費のために乗り始めて2年ほどでチャラになってしまいました。
補助金はハブリッドカーや電気自動車からの乗換えでは支給されないので、次にまたハイブリッドカーに乗り換える時は使えませんが、これがなくても、月に1000キロメートル程度走るのであれば、4年ほどで差額分の償却は可能と思われます。
  エンジンが驚くほど頻繁に起動・停止を繰り返すため、エンジンオイルの劣化や各種消耗品がかかったり、エンジンの耐久性に問題があるのではないかと、心配しました。
  プ リウス・ユーザーの中には、エンジンは半分しか回っていないのでオイルは2倍持つだろうとか、燃費のためにより低粘度のオイルを使った方がよいといったこ とを言う人もいるようですが、私は、止まり過ぎるエンジンが壊れるのではないかと逆に心配をしていました。もう少しで3年になりますが、エンジンやハイブ リッドシステムには全く不具合がなく、新車購入時にディーラーで契約したスマイルパスポートというメンテ契約だけで十分に足りています。
  特別にメンテ費用がかかる訳でもなく、ハイブリッドそのものがそれほど高価というものでもないためガソリン代で十分に元がとれる車だと言えます。
 
 プリウスは人や環境にやさしい? △
プリウスというハードウェアだけでは、環境にやさしいものかどうかは決めにくいところがあり、△なのかも。
  他 車に比べて圧倒的な低燃費は間違いありません。運転も楽です。買った最初は、走行距離が非常に多くなりそうな気配がありました。プリウスの前は、1週間か ら2週間毎にガソリンの補給に行っていたのが、3週間以上もつようになったため、とても気楽にどこでもここでも車に乗っていきそうになりました。そのくら い燃料残量計の指針が動かないのです。
  途中で反省してからは改善しましたが、燃費がよいため、つい車を使ってしまうという問題は残っています。
  自動車というのは、乗っているとつい自己中心的になってしまいがちな機械です。
  たとえば、どろよけ。2輪車や自動車のフェンダーは走行中に自分がどろだらけにならないように、また周囲のものを巻き込んだりしないように安全面を考えて取り付けられています。
今の乗用車についているマッドガードと呼ばれる泥除けは、同じ泥除けでもフェンダーとは異なり、後続車や歩行者に泥水などをかけないようためにつ けられるもの。本来の目的は、ファッションや自車のよごれ防止のためではありません。最近のユーザーは、他者への配慮からマッドガードを選ぶのではなく自 分の汚れを気にしてサイドマッドガードなどを選ぶ傾向があります。周囲への配慮、ついでに自分の車も汚れにくいというのが理想なのですがプリウスには専用 のマッドガードが用意されていないということは、他者への泥はねは少ないものと信じたいと思っています。
    ワ イパー。これがないと雨の日に自動車を走らせることができませんが、ワイパーの形状や動作によっては、周囲に水をまきちらし、特に低速走行時や駐車場での 発進時に歩行者に水をかけてしまうことがよくあります。運転手の方は自分が周囲に迷惑をかけていることなど気にしていないことが多く、周囲に歩行者がいて もウォッシャー液を飛ばしながらワイパーを作動させる人もいます
対向ワイパーやシングルワイパーのように周囲に水をばらまきやすいタイプではないので比較的よい方だと思いますが、こればかりは、プリウスの方でいろいろ設計を工夫してもやはり運転者が注意をしないかぎりは完全には防ぐことはできないように思います。
    エアコンの動作音と排熱。これは大型の車ほどひどく、社内の静けさに比べて車外騒音の大きいことが多いようです。
プリウスの場合、エンジン音がないため特にエアコンの音が響くようで、室内からは分かりにくいのですが、車の外にいるとかなりの騒音になります。 スーパーマーケットの駐車場などの極低速時は気になります。周囲にばらまく熱気もかなりのものがあります。エンジンを停止しているからといって油断はでき ません。プリウスの場合ステアリングスイッチで簡単にエアコンを停止できるので運転者がそれなりに配慮すればよいのですが、もっと騒音を小さくする工夫や 排熱の出し方にも工夫があればと思います。低速時の車外騒音は他車に比べて圧倒的に静かなプリウスなのですから、周囲への配慮がさらに進めばと思います。
  ハイブリッドカーは環境にやさしいという、間違った印象を与えたこと。
    プリウスやインサイト、シビックなどのハイブリッドカーは比較的小型で燃費もよく、それなりに環境負荷の低減をめざしたコンセプトで作られた車だと思います。結果はどうあれ、狙いは「環境にやさしい車」のはずです。

しかし、ハイブリッドカーの中にはハイパワー志向であったり、重量級の車もあります。
高速性能や快適性能を追求しながら、それ以上環境負荷を大きくしないための回答のひとつがハイブリッドシステムであるということなのだと思います。
明らかにプリウスやインサイトの発想とは異なります。
しかし、プリウスなどの存在は、ハイブリッド=環境にやさしいという印象を与えてしまっています。

トヨタ製の他のハイブリッド車は、プリウスと同じような技術を使ってはいますが、目指す方向は異ります。
プリウスが高級車だと間違えられることはありませんが、重量級のハイブリッドカーがエコカーの仲間だと勘違いされることがあります。ハイブリッドカーだろうが何だろうが環境に厳しいことには変わりはないはずです。車として仲間だと思われるのはとても困ります。

プリウスのような車を市販できる会社が、超重量級のSUVや高級車を売っていることにとても疑問を感じることがあります。どうしても必要 なこともあるのかも知れませんが、環境にやさしいことを売り物にしている車を開発しながら同時に環境に大きな負荷や不要な負荷を与える車を売っていること が釈然としません。
   
 
 カーライフ:タイヤ交換の負荷が相対的に大きいということ
自動車タイヤのライフサイクルアセスメントの推定によると、乗用車用のタイヤが排出する二酸化炭素の多くが利用者の使用時(ガソリン使用)によるものだそうです。
 
2001年のブリヂストン社の環境レポートによると、185/70R14タイヤ1本あたりの二酸化炭素排出量は296.4キログラム
その内訳は、次のようなものです。
 
タイヤのライフサイクルアセスメント
CO2(kg) CO2割合(%)
備考
原材料 12.2
4.1 185/70R14
生産 4.4
1.5 生産に使用するエネルギー実績
物流 0.5
0.2
使用時 258.0
87.0 タイヤ重量7.8kg、
使用距離35000km
車両の燃費10km/L、
燃費のタイヤ寄与1/8
廃棄・リサイクル 21.3
7.2
 
要するに、タイヤに関わる二酸化炭素の排出の多くが使用時であるため、ころがり抵抗の小さなタイヤなどを開発して低燃費に寄与すればそれだけ環境負荷が低減できるということです。
タイヤに関する二酸化炭素の排出の90%は使用時なので、燃費を低減できるエコタイヤの開発が重要であることが、他のタイヤメーカーでも同様のことを報告しています。
  ところが、プリウスの場合、車両の燃費がカタログ値で35.5-30.0km/Lであり、実際の燃費でもおよそ20km/L程度なので上記の計算は大きく異なってしまいます。
使用時の二酸化炭素排出量が低減すると、原材料その他のタイヤのライフサイクルにおける他の二酸化炭素排出量が相対的に増えることになります。
大雑把にいって上記のタイヤのライフサイクルにおける使用時以外の排出量38.4kg(13%)ですが、プリウスの場合は、全体が167kgほどになるため、約23%ほどになってしまいます。
絶対量は小さいのですが、燃費のよいプリウスは(他の車に比べて)相対的にタイヤの生産や廃棄に大きな負荷がかかることになります。

自動車タイヤは重要保安部品であり操縦安定性、安全性、乗り心地、静粛性、省エネ性など様々なものの要因になっています。
気に入らないタイヤや不安のあるタイヤは早く交換したいという気にさせるものですが、プリウスの場合は、そのタイヤ交換の負荷があまり小さくありません。

プリウスのタイヤは185/70R14より大きいのですがここでは上の表のデータを使うことにします。
タイヤを4本交換すると、それは154kgの二酸化炭素放出に相当し、これをガソリンに換算すると67リットルに相当します。
燃費が10km/Lの車だと走行可能な距離は、670kmですが、20km/Lのプリウスだと1340kmに相当します。小さくありません。

20km/Lの燃費で35,000km走行に必要なガソリンは1750リットルですから、これに1回のタイヤ交換の負荷分67リットルを加えると1817リットル。タイヤ交換の負荷を燃費になおすと、35,000/1871=19.3km/Lということになります。

これは、1セットのタイヤで、35000km走行したとしていますからもっと早くタイヤを交換した場合は環境負荷が大きくなります。
もしプリウスが実際に30km/Lの燃費で走ることができるとして、30,000kmでタイヤを交換するとしたら、同様にガソリン消費に換算すると、
30,000/(使用したガソリン1000リットル+タイヤ交換67リットル)=28.2km/L

燃費がよければよいほど、タイヤ交換までの距離が短いほど、タイヤ交換による影響が大きくなるということがわかります。
他の車に比べ、タイヤに関わる二酸化炭素排出量の総量は小さいものの、使用時の排出量が小さいプリウスの場合、交換時の負荷が大きくなり、やはり大事に使って長持ちさせる必要があります。

わが家のプリウス、26233km走行時にタイヤを4本交換しています。本当はもっと使っていたかったのですが、風の強い日や雨の日の安定性に問題のあったタイヤだったので少し早めに交換することにしました。
この時の燃料消費量は1354kmなので燃費は19.37km/Lなのですが、タイヤ交換分を加えると、18.46km/Lとなります。