「パパちんの頸椎椎間板ヘルニアのページ」

頸椎の椎間板ヘルニア
あまり聞き慣れないかもしれませんが、首のヘルニアになってしまいました。

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頸椎の椎間板ヘルニアと診断されたのは94年の夏頃のことです。
MRI検査という検査を受けてわかりました

 

MRI検査とは

 

 

 

90年から忙しかった仕事が一息ついた94年頃、目眩が続いて体も非常に疲れやすくなりました。
思いきって近くの脳神経外科(川崎市)に診てもらいました。
初めにCTスキャンで自分の頭の中を映像で見ました。あちこち調べて脳には異常なしでした。その時頸のレントゲン写真をみて怪しいと思った医師の勧めでMRI診断を受けました。
MRIというのは Magnetic Resonance Imaging の略で磁気共鳴診断と言われています。
核磁気共鳴 (Nuclear Magnetic Resonance)による測定器が普及していますが、医療機器では核磁気と言わずに磁気共鳴画像と呼んでいるようです。。
核磁気共鳴測定というのは、高磁場中でスピンがそろった原子核に電磁波などを当てて共鳴による信号を読み取る方法です。原子核のほんの小さなささやきのような信号なのですが、これを測定して画像にするという技術が発達してきて、その当時から各地の病院などで使われるようになりました。医療用の診断では水素の原子核をとらえることによって画像をつくります。最初はなぜこのような検査をするのか分かりませんでしたが、骨や軟骨の映像を正確にとらえるにはX線よりも優れているそうです。

初めて受けたMRI検査

 

 

大学病院を紹介されて、予約して検査を受けました。
具合が悪くて我慢できずに病院に行ったのですが、原因も分からない(したがって何の治療もできない)不安な中で検査を受けたので痛みのない検査とはいえ精神的にはかなりまいってしまいました。
検査の場所は大学病院の地下室で、大きなレントゲン室のようなところです。
検査の日は朝から絶食ということでかなりへばっていました。
金属製品を持っていないかといった様々な注意を受けて検査着に着替えました。
トンネルのような機械に仰向けに寝たまま入ります。廊下などに貼ってある写真などで機械の形や様子は分かっていたのですが、薄暗くて恐い場所でした。
室内は機械の音でかなりうるさいため異常があったら手に握っているゴムボールを押すことになっていました。検査を始めて10秒くらいで、緊急連絡用のゴムボールをすぐに押してしまいました。本当に連絡できるのか試したかったのと、狭いところが苦手で心の準備ができていなかったためです。検査の人が部屋の灯りを少しつけてくれました。
動くと映像がぶれるということでひたすら動かないようにがまんしました。トンネルが狭く、経過時間も分からない、廻りでは強磁場用の液体ヘリウムの液化機のポンプらしい不気味な音だけがします。1時間近くかかったのですが全く時間の経過がわからないためとんでもなく長く感じました。
狭さ、機械の騒音の大きさ、測定(検査)時間の長さ、など最近の機械に比べるとずいぶんと違います。苦痛のない検査とはいいますが、じっとしているのはかなり大変でした。

ヘルニアの診断

しばらく日数がたってMRIの検査結果ができてきました。頸椎の椎間板にヘルニアがあると診断されました。
人間の脊椎は、くびの骨と背骨がつながっていて、基本的には同じ構造をしています。
くびには、7つの骨があり骨と骨は関節のようにつながっていますが、それぞれの間には椎間板とよばれるクッションがあります。それぞれが靱帯で結合されていて、後側の管に脊髄が通っています。骨と骨の間からは腕などへの抹消神経が出ています。この椎間板の変型などが様々な神経の病気の原因になります。構造的には第5頸椎と第6頸椎の間に負担が集中して椎間板が変形しやすいのだそうです。

 

椎間板は中心に髄核という中味があり外側が線維輪(せんいりん:繊維でなく線維と書く)に囲まれた構造になっています。この髄核の一部が線維輪から飛び出して神経や脊髄を圧迫するのが椎間板ヘルニアという病気です。ヘルニアがあっても、全く症状のないという人もいるということですので、神経などを圧迫して自覚症状がある場合に病気と診断されるようです。

腰椎のヘルニアというのは比較的よく耳にするのですが、頸椎のヘルニアというのは初めて聞きました。先生の説明によると、腰と同様に首のヘルニアも少なくないと思うが、MRIのような検査方法ができるまでは発見されにくかった病気とのことでした。
私の場合、5ー6頸椎間の少し左側にヘルニアがあり、およそ上の図のような感じです。素人がみるとよく分からない映像が多いのですが、横から見た映像だと左の絵のような感じなので分かりやすいようです。脊髄の線が滑らかでなく、ボコンとへこんだように見えました。

ヘルニアを治す方法

椎間板ヘルニアというのは、ほっておいてひとりでにへこむ、というのはまずない、と言われました。手術を取ることができると言われたので、つらい症状をなくしたいので手術をしたいと言ったところ、その病院の院長先生と相談することになりました。
院長先生は年輩の先生で次のような話をされました。

安全に手術はできるが、リハビリも含めた休業期間がかなり長い。
ヘルニアを切り取る手術は患者の負担が小さくないので今の症状なら勧めたくない。
医療は進歩しているのでいつかもっとよい方法がみつかるかもしれない。今は牽引や薬を続けてがまんした方がよい。

結局、手術はしないことになり仕事の時間の都合をつけては頸椎牽引に通いました。
これは保存療法で頸の筋肉の緊張をとって血液の循環を良くするためのものです。私の場合は、効果があるときもあれば逆に悪化するすることもあり痛み止めも飲みました。しかし肩凝りや頭痛、目眩などの症状は続きました。

持病になってしまった椎間板ヘルニアの症状

同じ病気でも症状は人によって様々であり、また、他の人には痛みやつらさはわからないものです。特に高熱が出たり、動けないほどではないため、周りから見ると病気にはみえません。これが無理して仕事を続ける要因にもなり、ストレスもたまります。

周囲の人に、よく聞かれるのが「原因は何だ」ということです。
自分には思い当たることはないのですが、30才くらいの時に肩が非常に痛くてレントゲンをとってもらった時に、頸椎の間隔が一部狭いようなので気をつけた方がよいと言われたことが記憶にあります。事故などによる頸椎捻挫だと原因がはっきりと分かるのですが、ヘルニアになった原因ははっきりしません。自分では経年劣化ではないだろうかと思っています。

 

転勤で川崎から茨城に引っ越しました。
ここで病院をかわることになったのですが、たまたまいった整形外科がAPLD(自動経皮的椎間板摘出術)をするところでした。
この頃は、引っ越しなどの無理がたたったのか、上半身だけでなく足の筋肉が凝ってしまい歩くのがつらい状態になってしまい、なんとか治したいと思って病院に行ったのですが、残念ながらこの方法は頸椎には適用できないとわかりました。
この方法はニュークレオトム・システムというのを使い、直径2ミリメートルくらいのステンレスの針を髄核に挿してヘルニアをへこませるて圧迫を取るというものです、手術に比べるとかなり患者の負担が少ないということですが腰椎の椎間板ヘルニアのための治療法とのことです。

結局、頸椎牽引と薬で過ごすことになりましたが、よくなったり悪くなったりの繰り返しで敢然な持病モードになってしまいました。
薬も飲み続けていると健康診断の血液検査の値に影響してしまったのでがまんできないくらい痛い時だけ鎮痛剤を飲むという生活になり、牽引もかえって症状が悪化することが多くなりました。肩にブロック麻酔を注射する方法も、一時的に痛みはなくなりますが効果は長続きしません。この注射、脂汗が出るほど痛い。
持病をかかえるというのは大変なことだと思いました。病院の待ち合い室で過ごす時間がかなり多くなり、そのうち通院するのもつらくなり次第に病院にも行かなくなりました。治す決め手もないまま悶々と過ごすことになりました。

5年たって、やっぱり何とかしなければ、と思うようになりました。

症状が重かったり軽かったりの周期があるのですが、だんだんと悪い時間が長くなってくるので気が重くなります。全体的にじわじわと悪くなってくるのが分かります。

握力がどんどんなくなってコップを持つのも怪しくなってきた
朝起きた時は、しばらく物が握れず上半身が鉛のように重い
腱反射が強くなり、ちょっと触れらるだけでもビクンとする
太ももの筋肉が硬直することが多くなりつらい
炎症があると全身がだるく微熱がでる
階段を降りる時や会議中にひどい目眩が起こることがある

99年になって1年近く行っていなかった病院にもう一度行き、またMRI検査を受けました。映像からはヘルニアはほとんど変化していないことがわかりました。
今度の先生は、いろいろと検査をして、これ以上悪化しないうちに手術(切開手術によるヘルニアの除去)をした方がよいと勧めました。半分は観念したのですが、1ヶ月の安静とその後のリハビリのことを聞くとどうしても決断できません。

持病というのは付き合いが長いのでいろいろな情報が欲しくなります。周囲には腰椎のヘルニアになった人がいるのでいろいろ教えてくれたり本を紹介してくれたりするのですが、なかなか頸椎については情報がありません。 まして手術をするとなるとどんな情報でも欲しくなります。
そこでダメモトでインターネットの検索エンジンをたよりに探しました。素人なので専門書を読むわけにもいかないのですが、インターネットなら素人にも分かりやすく解説しているところがあるかもしれないと思いました。
PLDD法というのがあるのを知りました。(続く)