「パパちんの頸椎椎間板ヘルニアのページ」

PLDD法手術頸椎の椎間板ヘルニア)
専門家ではないので間違っているところがあると思いますが感想です。

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PLDD法手術のために入院しました。これはその日記です。

10月29日(金)

 

 

しばらく会社を休むので仕事の整理をして、午後は休み。
入院に必要な着替えなどを買うために日本シリーズ優勝に沸くダイエーに寄る。(我が家はそろって福岡ダイエーホークスを応援している)
ここ1週間くらいは、ヘルニアの調子が悪く、目眩や肩の痛みが続いている。へたに調子がいいと手術する気持ちが萎えるのでかえっていいのではと思うが、やはりつらい。
会社に戻ってくる時に元気になり過ぎて厳しくなるのではないかという部下達の心配や期待に応えたいと思う。

10月30日(土)

入院前日でやめたくなるのかと思ったが、症状が強くてつらいので、病院まで行けるのかという気持ちの方が強い。

10月31日(日)

駅まで女房が車を運転。二人で電車に乗る。
サトタクは留守番。最近結婚式で数日家を空けたのであまり心配していない。常磐線土浦ー上野ー東京ー外房線茂原のルート。東京駅のホームが京葉線なので地下のかなり遠いところにある。東京モーターショーを幕張でやっているため朝早いのに乗客が多い。ただし特急わかしおは、あまり混んでいない

日曜日は休診日なので守衛さんに入れてもらい受付をする。入院患者がいるので外来は休みでも看護婦さんは仕事中。病室に案内されて必要な手続きをするのだが、部屋に案内されて思わず「えっ。個室なんですか?」と言ってしまった。考えたら3泊4日なら個室の方が気兼ねがないかな、と思う。「そうです。個室ですよ」との返事。
後でよく見たら、3分の1は日帰り手術用の病室、3分の1は個室、残りは3人部屋くらいで想像していたのとはずいぶん違う。
部屋にはテレビ、バストイレ付きでビジネスホテルのような感じ。ただしベッドは上下したりリクライニングできる車輪付きのベッドでここだけに病院の雰囲気がある。

できる限り患者が自分でできることは自分でするという考え方のよう。
体温計は各自持参していて体温は自分で測って報告する。あまり人の手を煩わせることがない。食事も通常は食堂で入院患者が一緒に食べる方式。気持ちが病人にならないのがいい。ただし、翌日手術、3日後退院予定だとあまり人と会話する気分にはならない。
入院の説明を受けて、検査や治療の手順(マニュアル付き)を習い、必要書類を書いた後はひたすら暇になってしまったので女房は家に帰ることにした。

通常のマニュアルだと手術前日はいくつかの検査があるが、日曜日なのでほとんどの検査は翌日ということになった。前日には手術する場所の毛をそっておくことになっているが、首の正面のヒゲをそるのにいちいち看護婦さんの手を煩わせることもないので翌朝自分でヒゲをそることになった。
昼食と夕食をきちんとした時間に食べるとほとんどすることがなく、ひたすら体調を整えることに専念する。普段これだけ早い時間(夕方6時)に夕食をとることがないので夜は腹が減るががまんする。夕方ベッドでうとうとしていたので日本グランプリが始まる時間(夜10時)には目がさえてきた。入院中はきょうだけ風呂に入れるのでしっかり洗う。

買ってきたヘッドフォンをテレビにつないでベッドでF1を見る。看護婦さんに見つかって注意されるのではないかとひやひやして見ていたが偶然この時間には見回りがなかったので、ハッキネンの逆転チャンピオンまでしっかり見てしまった。おかげで手術前日の緊張もなくレース終了後はぐっすりと眠ってしまった。

PLDD法による頸椎椎間板ヘルニア治療スケジュール

安静

食事

カラー

検査・処置

点滴・注射

清潔

その他

手術前日

普通食

入院手続き
抗生剤テスト
心電図

シャワー洗髪可能

外出・外泊禁止

手術当日

手術後3時間絶対安静

朝:軽食
昼:絶食
夕:普通食

手術後3時間より常時装着

 

手術後のMRI検査予約

11時点滴開始
手術前1本
手術後2本
入室前筋肉注射

点滴前に手術着更衣
ストレッチャーで入室

手術翌日

歩行可能

普通食

常時装

9時:点滴
15時:点滴

清拭

手術翌々日

歩行可能

 

朝:普通食
昼:普通食

常時装着

9時:点滴
15時:点滴

退院

2週間目

常時装着

MRI検査・診察

重いものを持ち上げる動作は禁止

4週間目

MRI検査・診察

通常生活に戻る

11月1日(月)手術当日

大型の低気圧のために全国的に天気は荒れ模様。停電になったりしないかとやや心配。看護婦さんにもらった剃刀でヒゲをそる。
心電図の検査。抗生剤反応テスト。消毒用アルコールのテスト。

11:30/手術着に着替えて点滴を開始。手術用の点滴ということで金属の針を一度刺した後プラスチック製の長いものに交換。

13:00/そろそろ出番ですよと看護婦さんに言われてストレッチャーという車輪付きの担架に乗る。点滴はしたまま。廊下で肩に筋肉注射を2本した。前日の説明でも「かなり痛いですよ」と言われていたが本当に痛い。小学生の頃に受けたコレラの予防注射を思い出す。ズキズキするが緊張しているせいかすぐに忘れる。
病室で待っているという女房に、いってきますと言って出発。
ストレッチャーに乗ったまま廊下やエレベータを移動。頭が前なので天井の蛍光灯などが上から下に流れる妙な感じ。ゆっくり移動しているはずなのだが、かなりスピード感があるのに驚いた。自分で運転していない乗り物は速く感じる。

CTスキャン室に入って検査台のようなものに移る。後で動かしやすいようにと体の下にバスタオルを敷く。頭や腹の当たりにベルトが巻かれて固定。X線検査技師の人がCTスキャンの映像を見ながらパッチのようなものを首の付け根に貼っている。どうやら位置決めを行っているようだがCTスキャンのアームと天井しか見えないのでよく分からない。興味が沸くが、仕事の邪魔にならないようにひたすら黙っている。看護婦さんが首の周りに消毒液のようなものをたっぷりと塗る。

主治医の先生が入ってきて声をかけてくれる。注射のせいか眠くなってきた。手術中に眠ってしまわないか少し心配。先生とX線技師の人の会話が聞こえてくる。頸椎の間隔が狭いということも話していたので、ここまで来て手術が中止になるのではないかとやや不安。
それよりもいつ麻酔をするのか分からない。ひょっとして麻酔をかけるのを忘れているんじゃないかと思ったりする。顔に緑色の布がかけられて周りを見ることはできなくなる。手術の様子が見えると思っていたので少し残念。

先生が、チクンとしますよ、と言って首の付け根付近に注射。次に押しピンを刺すような感じで先生の指が首の付け根を押すのを感じる。どうやらチクンとしたのが局所麻酔のようなのだが全く痛くない。首の付け根に手術用の針が入っていっていることは何となく感じるが、全く痛くないので本当に深く入っているのか自分ではよく分からない。
針の先端の位置決めをするのに肩を下げたりする。自分の力だけでは十分に肩を下げられないので先生の合図で看護婦さんが両手をぐっと下に引っ張ったりする。どうやら看護婦さんは二人いるらしい。
どのくらい時間がたったのか分からないけれど、先生が、いい位置に針が入っていますよ写真を取りますよ、と言われて皆手術室から離れたようだ。CTスキャンの中に入って写真を撮ったらすぐに皆戻ってきた。レーザーを照射する前に針の先端を再確認したらしい。

ここまでがどちらかと言うと手術の準備のようなもので、ここまでは従来でも検査用の針を刺すことは多かったらしい。ただCTスキャンで念には念を入れて位置を確認するのはPLDD法のために特にやっているとのこと。
先生に始めますよと言われて、どうか治りますようにと祈る。

手術中は、なぜか忙しく、あっという間のことだったので後であまり正確におぼえていないかもしれない。その日の夜にメモしたのが次のような様子。

1回目のレーザー
照射

先生が気分はどうかと尋ねる。足が何となく暖かく感じると答える。太ももにあった強い凝りが急に楽になる

2回目のレーザー

なぜか頭がすっきりとする。少し眠気があるが気持ちよい。先生が他の患者さんの例などを話しながら進める。こちらもできる限りその時の気分を報告するが布がかぶっていて声がこもるので話しにくい。

3回目のレーザー

体全体が楽になっているのが分かる。

4回目のレーザー

肩甲骨の間にズキンという痛み。反応が出ているとの説明。

5回目のレーザー

念のためにもう少しやりましょうとのこと。最初の説明で、椎間板が狭いから出力を下げて他の人より時間をかけてやりましょうと言われていた。肩や両腕が軽くなったのが分かる

手術を終了。タオルケットごと、せーのでストレッチャーに移される。すぐに先生が腕の検査をしてくれる。これまで曖昧だった左手がかなりしっかり握れるのに驚く。ストレッチャーのまま病室まで戻るが、周りの景色が妙にハッキリ見える。最近老眼が出始めて焦点が定まりにくかったりいたのがきれいに見える。すごく不思議な感覚。
移動しながら、気分を聞かれてとてもよいと言うと看護婦さん達に、よかったですねと言ってもらえた。なぜか急に涙が出そうになってぐっと堪えた。とにかく嬉しい。

病室前の廊下で今日のスポーツ新聞を見つけた先生と昨日の日本グランプリの話しをする。
心配していた女房もひと安心。時計を見ると病室を出て50分くらいで戻ってきたようだ。病室のベッドで3時間は安静。(続く)