■エフワングランプリ1950年以前(世界選手権以前)


1930年代以前のレースカー
自動車レースの歴史における最初の世界選手権はおよそ1925 年から1930年の間に始まったと思われます。
最初にグランプリに参加したのは自動車メーカー11チームです。
他のスポーツと同様に世界選手権という名前が与えらましたが、この時のチャンピオンシップは、自動車メーカーによる競争でした。
エフワンがドライバー選手権になるのはずっと後のことです。
プジョー
 1912
シュナール・ワルケール
スポルト
1923/ルマン
ブガッティ・T30
ブガッティ
インディ/1923
イスパノ・スィーザ
1924
ベントレー・スポーツ
1924/ルマン
ランチア・ラムダ
1925
アルファロメオP2
アルファ直8
1925
チリビリ
直4-1.5
1925
ディアットー
直8-2.0
1925
フィアット
直8-2.0
1925
エルドリッヂ−スペシャル
アルザーニ直4-1.5
1925
ドラージュ2CLV
ドラージュV12(2.0)
(1925)
ミラー
直8-2.0
1925
サンビーム
直6-2.0
1925
デュセンバーグ
1925
ロレーヌ・ディートリッヒB3-6
1925/ルマン
ベンツティアドロップ
 
1925
タルボ1500/8C
タルボ直8-1.5SC
1926
ロレーヌ・ディートリッヒB3-6
1926/ルマン
ドラージュ
ドラージュ直列6気筒1.5リッターSC
(1927)
ブガッティ・T35B
ブガッティ
 1927
サルムソンGP 8C
直列8気筒1.1リッター
スーパーチャージャー
1927
ベントレー・スポーツ
1927/ルマン
ベントレー
1928/ルマン
ラー・フロントドライブ
192


ベントレー・スピード・シックス
1929/ルマン
ベンツ
 トロップフェンヴァーゲン
Tropfenwagen
1924
ベンツSSKL
1929
   

1930年代のレースカー
AIACR(Association Internationale des Automobile Clubs Reconnus )が制定した1934年のフォーミュラ規定。
1932年、速過ぎるフォーミュラカーの速度を制限すために新しいグランプリ規定が決められた。
フォーミュラカーの歴史は「速さ」の追求ではなく、いかに「速過ぎないように」レースを行うかという、規定(レギュレーション)の歴史です。
フォーミュラカーだけではなく、モータースポーツは、野放しにするといくらでも速い自動車ができてしまい、危険なスポーツになります。事細かなルールが作られていきます。
  1. 車体の重量は750kgを超えないこと(ドライバー、燃料、水、タイヤを除く)
  2. 車体の最小幅は、ドライバーシートのところで 850 mm .
  3. 燃料は自由に選択できる
  4. レースの最短距離は 500 km
  1. ドイツ:レースから離れていたメルセデス-ベンツも興味を示し、新たに、DKW、アウディ、ホルヒなどを製造するアウトウニオン社がグランプリカー製造を計画。ヒトラー率いるナチはレースの宣伝効果を考え、ドイツメーカーを全面的にサポートした。
  2. イタリア:イタリアのメーカーはドイツのメーカーほどの予算を得ていなかったが、支配者ムッソリーニがレース・マニアであったことからモーターレーシングに国家予算が投じられた。
主なレースカー
  1. メルセデス-ベンツ:新型のW25を投入。3.3リッターエンジンを搭載。四輪独立懸架のサスペンションを持つ。燃料はメタノール系
  2. アウトウニオン:新顔のアウトウニオンはそれまで前にエンジンを積んでいたグランプリカーに対して画期的なリヤエンジンを採用。排気量は4.3リッター。タイプAあるいはP-Wagen(ペーヴァーゲン)。ベンツ同様に四輪独立懸架のサスペンションを持つ。
  3. アルファロメオ:ティーポBモノポストー(通称P3)をパワーアップし2.9リッターエンジン。フォーミュラ・リブレにはツインエンジン・モンスターが登場。スクーデリア・フェラーリがアルファロメオのレースチームを運営。プライベートチームへの販売を中止
  4. マセラーティ:3.0リッターエンジンの8CM。プラーベーターで最もポピュラーな車。後半から6CM-34登場(直列6気筒)
  5. ブガッティ:3.3リッターの新型エンジンを搭載したタイプ59が登場。
ボイチュレットクラス(1500cc)
  1. マセラーティ:4C-1500を供給。
  2. ブガッティ:タイプ51
  3. ERA:
  4. MG:
  5. ドラージュ
MG-マークIIIタイグレス
1930
マセラーティ・ティーポ26M
マセラーティ
1930
アルファロメオ 8C
アルファ2300
1931/ルマン
ブガッティ・T51
ブガッティ
(1931)
アルファロメオモンツァ
アルファ直8(2.3SC)
1931
ブガッティ・T54
ブガッティ
(1932)
アルファロメオ 8C
アルファ2300
1932/ルマン
アウトウニオンCタイプ
1932
アルファロメオ
ティーポB
ストリームライナー
アルファ直8
1932-35
アルファロメオ
P3/ティーポB
アルファ直8
1932-35
    
アルファロメオ 8C
アルファ2300
1933/ルマン
    
1934年頃
はじめて、AIACRのヨーロッパチャンピオンシップが開催されます。メルセデス-ベンツのルドルフ・カラッチーラが活躍。
主なレースカー
  1. メルセデス-ベンツ:エンジンは、3.7リッターから4.0、4.3リッターと増大
  2. アウトウニオン:エンジンは4.9リッターから5.6リッター。
  3. アルファロメオ:P3に3.2リッターから3.8リッターのエンジンを搭載。ティーポ8C登場
  4. マセラーティ:新型のV8-RI登場までは、6CM-34や8CMの改良版を使用。
  5. ブガッティ:エンジンは3.8リッターに増大。
ボイチュレットクラス(1500cc)
  1. マセラーティ:4C
  2. ERA:新型のERA-Bが活躍

アウトウニオンAタイプ
1934
メルセデス・ベンツW25
ベンツ直8-3.3
1934
ベンツSSK
ベンツ直6-7.9
1934
ベンツSS

1934

アルファロメオ
6Cストリームライナー
アルファ直8
1934
アルファロメオモンツァ
アルファ直8
1934
アルファロメオ 8C
アルファ2300
1934/ルマン
マセラーティ
ティーポ4CM15
マセラーティ
1934
マセラーティ・ティーポ8CM
マセラーティ
1934
MG-K3B
1934
MG-K3
MG直列6気筒1.1SC
1934
MG-K3C
MG直列6気筒1.1SC
1934
アミルカーC6
アミルカーC6
1934
アミルカーMC0
直列6気筒1.1リッター・
スーパーチャージャー
1934
ゾラー
サイクル12気筒
(シングルアルミブロック6気筒2列配列)
1.5リッターツインSC
電磁オートマチック
1934
ブガッティ・T35
ブガッティ
(1934)
ブガッティ・T43
ブガッティ
(1934)
ブガッティ・T59
ブガッティ
(1934)
ブガッティ・T31
ブガッティ
(1934)



ライリー
1934
クライスラー・スペシャル
クライスラー6.3
1934-35



1935年頃
1935年10月、イタリア軍がアブシニア(後のエチオピア)に侵攻。
1936年3月にはドイツ軍がライン地方非武装地帯に侵攻。
ルマン24などのヨーロッパのモータースポーツも多くが中止となります。
   
メルセデス・ベンツW25
ベンツ直8-3.3
1935
メルセデス・ベンツW25S
ベンツ直8-3.3
1935
アウトウニオンBタイプ
1935
   
S.E.F.A.C.
サイド・バイ・サイド直列8気筒(4気筒DOHC
並列ブロック・
ツインスーパーチャージャー) 2.8-3.0リッター
オートマチック
1935-39
ブガッティ・T31
ブガッティ
(1935)
ブガッティ・T31S
ブガッティ
(1935)
ブガッティ・T31
ブガッティ
(1935)
ドラージュ
ドラージュ直列8気筒1.5SC
(1935)
アルファロメオ8C
アルファ直8
1935
アルファロメオ
ティーポB(P3)
アルファ直8
1935
アルファロメオモンツァ
アルファ直8
1935
アルファロメオ
ビモトーレ/フェラーリ製
アルファツインエンジン
1935
モナコ・トロッシ
2サイクル星型16気筒(8気筒X2)(4.0)前輪駆動
1935
 
マセラーティ・ティーポ4C
マセラーティ
1935
マセラーティ・ティーポ8CM
マセラーティ
1935
ラゴンダ・ラピード
1935/ルマン
 

アウトウニオンCタイプ
1936
ドラージュ
ドラージュ直列6気筒3.0
(1936)
ドライエ135
ドライエV12気筒4.5
(1937)
マセラーティ・ティーポ6CM
マセラーティ
1936

 
アルファロメオ12C
アルファV12
1936
アルファロメオモンツァ
アルファ直8
1936
アルファロメオ
ティーポB(P3)
アルファ直8
1936


 
1937年頃
フォーミュラ新規定
  1. エンジンの排気量は最小 1000cc 最大 4500cc (非過給エンジン)
  2. エンジンの排気量は最小 666cc 最大 3000cc (過給器付エンジン)
  3. 最小重量は 400kg から 850 kg、これはエンジンの排気量に合わせて決められる。重量には燃料、オイル、タイヤを含む
  4. 燃料は自由
主なレースカー
  1. メルセデス-ベンツ:比較テストの結果3リッターのスーパーチャージャー付V12エンジンとした。W125を使用。
  2. アウトウニオン:チームは混乱期となる。チーフエンジニアのポルシェ教授がフォルクスワーゲン社へ。3リッターのスーパーチャージャー付V12エンジン
  3. アルファロメオ:スクーデリア・フェラーリとの契約解消。チーム運営はアルファ・コルセ。直列8気筒、V型8気筒、V型12気筒
  4. マセラーティ:新型3リッターエンジンの8CTF。ドイツ車に対抗できるほど速いが壊れやすかった。
  5. ドライエ:4.5リッターV12エンジンで登場
  6. ブガッティ:旧型のタイプ59シャシーに新型の3リッター・スーパーチャージャー付タイプ50Bエンジンを搭載
ブガッティ・57G
ブガッティ
(1937ルマン)
メルセデス・ベンツW125
ベンツ直8-5.6
1937
メルセデス・ベンツW125SL
ベンツ直8-5.6
1937
マセラーティ・ティーポ6CM
マセラーティ
1937


タルボ1500C
タルボ直6-4.0
1937-38
アルファロメオ
ティーポB(P3)
アルファ直8
1937
アルファロメオ12C
アルファV12
1937


 
メルセデス・ベンツT90B
1937
アウトウニオンCタイプレコードカー
1937
アウトウニオンCタイプレコードカー
1938


マセラーティ・ティーポ8CM
マセラーティ
1938
マセラーティ・ティーポ6CM
マセラーティ
1938
アルファロメオ
ティーポ308
アルファ直8-3.0SC
1938
アルファロメオ
ティーポ312
アルファV12-3.0SC
1938
アルファロメオ
ティーポ316
アルファV16-3.0SC
1938
アウトウニオンDタイプ
1938
ドライエ155
ドライエV12気筒4.5
(1938)
ドライエ135S
(1938ルマン)
ルマン優勝車
ドライエ145
ドライエV12気筒4.5
(1938)
ドライエ165
ドライエ
(1938)
BMW328
BMW直6
1938-39
メルセデス・ベンツW154
ベンツV12-3.0
1938
ブガッティ・T59/50B3
ブガッティ
(1938)
ブガッティ・57C
ブガッティ
(1939ルマン)
アウトウニオンDタイプ
1939
 
タルボタイプ90
タルボ直6-4.5
1939
タルボタイプ90C
タルボ直6-4.5
1939
メルセデス・ベンツW165
ベンツV8-1.5SC
1939
メルセデス・ベンツW163
ベンツV12-3.0
1939
 

メルセデス・ベンツT80
1939
アルファロメオ
ティーポ308
アルファ直8-3.0SC
1939
マセラーティ・ティーポ6CM
マセラーティ
1939
マセラーティ・8CTF
マセラーティ
1939

1940年代
第2次世界戦争のためグランプリレースは行われず、1940年から1942年まで南米などでわずかにレースが行われました。
1946年4月から、ヨーロッパでのグランプリレースが復活。
1950年にFIAが設立されフォーミュラA(フォーミュラ・ワン)の世界選手権が始まります。
マセラーティ・4CL
マセラーティ
1940
マセラーティ・6CM
マセラーティ
1940
アルファロメオT158
アルフェッタ
アルファ直8-1.5SC
1940
アルファロメオ8C
アルファ直8
1941
フェラーリ125
フェラーリV12(1.5)
1947
アウトウニオン・タイプ650
1948
AFM780
1949
BMW328インタータイプ
BMW直6
1948
BMW-アイゲンバウ
BMW直6
1948
メルセデス・ベンツT80
パット・クランシー・スペシャル
1948
フェラーリ166F2-50
フェラーリV12(2.0)
1948
フェラーリ166
フェラーリV12(2.0)
1948
フェラーリ125F1
フェラーリV12(1.5)
1948
BMW-アイゲンバウ
BMW直6Spitzmler
1949
AFM 1.5
1949
フェラーリ125F1
フェラーリV12(1.5)
1949
ヴェリタス・RS
BMW直6
1949
ヴェリタス・メテオール
BMW直6
1949
タルボ-ラーゴT26C
タルボ直6-4.5
1949
EMW・インタータイプ
BMW直6
1949