安定同位体を2つ持つ元素は窒素など23種、安定同位体を3つ以上持つ元素は酸素など38種あります。

安定同位体の組成は、地球を作った原料に大きく依存していますが、地球上でほぼ一定であり「安定同位体の天然存在比」としてよく知られています。この天然存在比とは異なる組成比を人工的に作り出すことができれば、様々な産業用途が考えられます。特定の同位体を濃縮してそれを製品として流通する事業を「SI事業」と呼んでいます。

ただし、一般社会でSIと言えばまず最初に思い浮かぶのは国際単位SIです。化学の分野ではケイ素Si（シリコン）、そしてSI事業と言えば「システム・インテグレーション」が最初に思いつきます。しかし、ガスの業界でSI事業と言えば安定同位体ビジネスのことです。

なお、最近、シリコン（ケイ素）とシリコーン（シロキサン結合による主骨格を持つ合成高分子化合物）を混同して「シリコーン（樹脂）」のことを「シリコン（樹脂）」と表記する用例をよく目にします。Siはシリコン、樹脂はシリコーン、別物です。