別冊 「マスク・フィルターの科学」B
ロウソクの科学には、ロウソクが燃えるには空気に含まれる酸素が必要であることが示され、それはヒトが呼吸することと似ていることが示されています。
ロウソクの科学と同じ年、何十年も無視されていたアヴォガドロの法則が見直されて、正式に科学界の理論として認められました。
空気は、酸素原子や窒素原子から作られた酸素分子と窒素分子からできているという考えが科学的に正しいと考えられたのです。アヴォガドロの理論が長く無視されたのは、これに反対するジョン・ドルトンのデータがドルトンの原子説をうまく説明していたためですが、その後、ドルトンのデータは、加工、捏造されていたことが判明しました。
ロウソクの科学の時代、原子や分子の考えが明らかになっていたのですが、なんと空気は窒素と酸素という二つの元素からできているというのが科学の常識でした。誰もそのことに疑問をもっていなかったのです。しかし35年後、空気の中には新元素アルゴンが1パーセントも含まれていることが発見されました。
ファラデーの時代、19世紀の科学は20世紀以降の科学と大きく異なることがたくさんあります。アルゴンが未発見であったことも重要ですが、何と言っても「分子」はまだ発見されておらず「仮想の粒子」でした。
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