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新漫画・ガスの話 別冊 「マスク・フィルターの科学」N

ロバート・ブラウンがブラウン運動を報告してから約80年もたって、時は既に20世紀、やっとブラウン運動の謎が解けました。
いつまでも動き続けるの粒子、その源は「生命の原子」ではなく、水や空気の分子運動であることが分かりました。
最初にブラウン運動の謎を解明したのは、スコットランド生まれのオーストラリア人、ウィリアム・サザーランドです。彼は科学が大好きで多くの論文を発表していますが、大学の教授職に就くことはできず、新聞社と大学の臨時講師を行き来する間にこの重要な論文を発表しました。1904年です。
ドイツ生まれで、スイスの特許庁で働いていたアインシュタイン。1905年はいくつもの重要論文を発表した奇跡の年です。サザーランドと同じ様に大学の研究機関での職につくことができなかったアインシュタインは、特許の審査官をしながら、数多くの重要論文を発表しました。アインシュタインが学位をとろうとした論文は、あまりにも時代を飛び越えていたため審査をできる人がおらず、拒絶されました。後に特殊相対性理論と呼ばれます。1905年には特殊相対性理論(6月)、光量子仮説(3月)という世界を変える重要論文を提出していますが、学位論文として受理されたのは分子の大きさを決める理論(5月)、この論文はブラウン運動の仕組みを解明し分子の存在を立証するものでした。