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第一印象
左からトヨタ・プリウス(2003年型)、ダイハツ・ミラ(2004年型)、ダイハツ・ムーヴ(2007年型)。
車幅、プリウス、1725mm、2台の軽自動車は1475mm。何とプリウスは250mmも幅が広いのですが、駐車場で停まっている時はそんなに大きく感 じません。車高は、プリウス1490mm、ミラ1500mm、ムーヴ1630mm。ムーヴが圧倒的に背が高いのですが、他の2台もそんなに低い方ではあり ません。第一印象としては背が高いムーヴが大きく見えるのですが、スーパーマーケットなどの駐車場に車を停めると、やぱり軽自動車なんだと思います。本当 は小さい車なのです。
 
●走りの印象
 やはり、車は走ってナンボです。まずは走った印象です。エンジンから。
モー ターとガソリンエンジンのハイブリッド。独特の加速感と走行時でも頻繁に停止するエンジン。別次元の車なのですが、燃費計が邪魔するのか、思い切りアクセ ルを踏まないようになってきます。運転に慣れてくると何となくパワーがないように感じる時もありますが、何の不足もない車です。
低速では3気筒独特の音を感じますが振動もなくきちんと加速してくれます。タコメータがないのでどのくらい回っているのかわかりませんが、3速ATなので、 ややエンジンの回転が高いようです。大勢乗るとパワー不足を感じますが大人2人くらいまでならよく走ります。街乗りなら十分と思います
新型のCVTのおかげか、軽自動車とは思えないほどエンジンの回転数が低く、室内は静かです。
時速60kmくらいで走っている時はプリウス(ただしエンジンが回っているとき)と同じくらい。軽自動車で急な登り坂を走るとキックダウンが起こりエンジ ンもかなりうるさく回ることが多いのですが、CVTだと大きなショックもなくそれなりのパワーで登ってくれるためかなり楽です。以前のミラも58馬力でし たがずいぶんパワーがあるように感じます。
足回りの印象: 大きさは異なるものの3台ともフロントがマクファーソンストラット独立、リアがトレーリングリンクのリジッドと同じ形式。
標準でついていたタイヤは非常に横風やわだちに弱くふらふらしてまっすぐ走るのが大変でした。 タイヤを交換してからあるいはスタッドレスタイヤではそのようなことはなく、きちんとまっすぐ走ってくれようになりました。
従来の2000ccのガソリンエンジンの車を運転しているような感じです。
鼻先が重いというのが常に感じられます。軽快感はありません。
普通に軽快に走ってくれます。標準のタイヤは韓国製の13インチ80タイヤ。横風でもふらつくことはなく普通のFFの走りです。プリウスと比べるとやや乗り心地が硬いようです。
車高が高い車は重心が高くまた車重も重くなるため、足回りを固めるため乗り心地も硬めになるのが普通。
ムーヴは意外にも乗り心地がよく、それでいて筑波山などの山道でもグラっとすることもなく軽快に走ってくれます。
足回りがしっかししているのに乗り心地は悪くない、ぜいたくをいって、ものすごく大きな車や高価な車でそれを実現することは容易なのかも知れませんが、こんな小さくてコストもかけられない車でもやればできる、ということなのしょうか。
道路の継ぎ目などを拾う時のショックなどははっきりとプリウスの負け。14インチタイヤですが、直進安定性も問題なし。
ブレーキの印象
強力な回生ブレーキとエンジンブレーキ(前二輪のみ)と四輪電子制御のブレーキの協調制御。
驚くべき仕掛けのプリウスのブレーキ。初めは心配しましたが、普通のブレーキ。普通にペダルを踏んで制御できるとても使いやすいブレーキです。標準のタイヤの場合、ABSは思いの外早めに作動するようです。
ややコントロールが難しい部類のブレーキ。効きに問題はありませんが、ずぼら運転をするとカックンブレーキになりやすいようです。
ブレーキのタッチは非常によく、初めて乗ってもすぐに慣れるタイプのブレーキ。軽自動車にしては車重がありますが踏み初めからきちんと減速してくれるため安心です。
ハンドルの印象
電動のパワーステアリングは、ほとんど違和感がなく、ちょうどよい重さです。
最小回転半径は5.1m。ホイールベース2700mmのFF車にしては小回りがきく、といいたいところですが、それなりに、とりまわしは簡単ではありません。フロントのオーバーハングも通常のFF並みにあります。
油圧のパワーステアリングはやや重い。最小回転半径4.2m。かなり小回りがきく車です。
電動パワーステアリングはちょうどよい重さ。2490mmものホイールベースでも最小回転半径は4.5m。小回りがきく方です。極端に短いオーバーハング。
 
操作系
毎日使う車、操作が難しいと困ります。ギアから
キーを挿してシートベルトを装着しながらメインスイッチをオン。シフトレバーは電子式のスイッチ。慣れればとても簡単なのですが…。初めての人は違和感を感じると思います。特にギヤのPポジションが別のスイッチになっていることが家族には不評です。
  普通の車です。キーを挿してセルモーターを回してエンジンがかかったら、ブレーキを踏みながらフロアシフトのギヤをドライブに入れて発進です。パーキングブレーキはレバー式(ハンドブレーキ)
キーレスなのでドアの開錠のときからなんの特別な操作もありません。キーを使わずにエンジンを始動し、ブレーキを踏みながらインパネ(インストルメントパネル)にあるシフトレバーをドライブにします。オーバードライブなどの面倒な操作もありません。
カカは、ゲート式のマニュアルポジション付のギアやODスイッチ、プリウスのようにレバーを横に動かすものなどを、「ややこしい」と感じていたので、「一直線」でODスイッチもないムーヴのギアは好評です。
車を降りる時もエンジンを切ってキーをオフにするだけ。ドアのロックも必要がありません。
パーキングブレーキはプリウスと同じペダル式(足踏み式)。座席位置が高いため踏みおろす感じになりムーヴの方が少し操作しやすい。
座席
シートリフター、シートベルトアンカーアジャスタ、チルトステアリング、これにシートの前後移動とリクライニングでほぼ誰でも位置あわせができます。
少し硬めのシートなので疲れにくい。
シートリフターやチルトステアリングなどはないが何とかなる。 シートスライドはトヨタと同じ横幅一杯のレバーで操作が楽。比較的着座位置が高いためセットしやすい。
操作系はプリウスと同じ。前の座席は左右別々だがベンチシートになっているためやや平板的。シートの形状でホールドできるタイプではないがすべるということもない。シートは厚くやわらかめ。後部座席はスライドとリクライニングができます。
バックミラー
  普通のセダンのミラーなので上下がやや小さい。
リモコンのスイッチは従来から多い、四角の方向キーと左右切り替えスイッチが別になっているもの。あまり使い勝手がよいとは思っていませんでしたが、新しい ムーヴが来てから、1本スティックタイプの方がはるかに使いやすいということがよく分かりました。
車の中というのはできるだけスイッチの数が少ない方がよいと いう典型。
Aピラーがかなり前へ出ているためAダッシュピラーがありそこに小さな三角窓がありますが。視界はあまりよくありません。
  リモコン操作ができないのが不便。また折りたたむこともできません。(衝撃で倒すことはできるが簡単に元の位置に戻すことはできない)
三角窓がなくごく普通のAピラーなので視界は非常によいと思います。
ドアミラーがとにかく大きい。見やすい。
ドアサッシではなくドアパネルにステーが固定されているため位置的にも見やすいと思います。バックする時は自動的に左のミラーが下を向き、ギヤを変えると自動的にミラーは元の位置に戻ります。オプションではなく標準装備です。
ドアミラーについている方向指示のランプは運転席からも点滅が見えます。当初、嫌いだと言っていたカカも慣れてからは不満なし。
ミラーが大きいため、電動で折り畳めるのは非常に助かります。
リモコンのスイッチは左右切り替えと方向決定をひとつのスティックで行うタイプなので手探りで操作でき抜群に使いやすい。
計器盤
デジタルのスピードメーター。初代プリウスのようなセンターメーターではなく運転席正面に配置されています。
水温計はなく、水温の低温警告灯もありません。
シンプル。大きなスピードメータと燃料計。
独特の形状のセンターメーター。左がタコメータ。
室内灯と連動してメーターの照明もタイマーで残光。
イプサムのメーター。タコメータは右側
空調
  オートエアコン。ステアリングのスイッチで操作ができます。
エアコン専用の操作パネルはないので液晶画面(EMV)を切り替えて操作を行うことになります。ナビの音声入力でもエアコンの操作はできますがステアリングスイッチを操作する方がはるかに簡単です。
マニュアルエアコン
オートエアコン。操作は簡単。オンオフスイッチと温度設定の大きなダイヤル。
オーディオ
6連装のCDとMD、AM/FM。ライン入力にはiPodを接続しているが、運転中はほとんど音楽を聴いていない。時計は別置き
カセットテープとAM/FMラジオ。
CDとAM/FMラジオ。時計付。
 
 
室内:
室内の広さ:カタログ値の比較と実際の印象です。
長さX幅X 高さ
1,890
1,440
1,225
5人乗りのセダンとしては平均的な大きさがあります。
高さは同じくらいの大きさのシビック・ハイブリッドなどと比べると5cmくらい高い数値です。数字上は室内がとても高い車になっているのですが、運転席の 上あたりが一番高く、後部座席の頭上付近は低くなっていて、横から見ると三角形のようになっているため、実際に乗ってみると広々とした印象はありません。
幅はさすがにオーバー5ナンバーサイズなのでゆとりがあります。
長さは標準的です、後部座席では前の座席の背もたれにひざが当たることはありませんが、それほどゆとりがある訳ではありません。室内の真ん中になぜかトンネルがあります。
カタログではフロントのサイドウォークスルーができると書いてありますが、あまり実用的ではないと思います。
一応3ナンバーなのに何と室内長はわが家の車の中では最も短く、実際に2台の軽自動車に比べてプリウスの方が狭苦しく感じます。
1,895
1,300
1,250
全高はプリウスより1cm高いだけですが、室内はかなり高く、頭上に余裕があります。カタログ上の室内長はプリウスより5mm長くほとんど同じですが軽自動 車の方が座席が少し薄く作っているようで後部座席の膝元はミラの方が広々しています。
横幅はさすがにそれほど余裕はありませんが、大人4人は十分に乗ることができま す。
2,110
1,350
1,310
室内の広さを宣伝しているだけあって非常に室内長が長い車です。カタログの数値だけではなく実際にかなり広く感じます。後部座席はかなり大きくスライドすることができるのですが、中間位置くらいでも後部座席で足が組めるくらい広くなっています。
ものすごーく広いと思われているるダイハツ・タント(初代)のカタログ値は、2,000×1,300×1,330です。
何とムーヴの方が室内長が長い!
1BOXのアトレーワゴンでも、2,015×1,310×1,350
ムーヴの後部座席を目一杯下げた状態だと荷物がほとんど入らないので、本当はタントやアトレーの方が広いと思いますが、カタログ数値とは言え、軽自動車では最も長い室内かも 知れません。 高さはかなり高いので頭上に余裕がありますが、座席の位置もそれなりに高いためどうしようもないほどスカスカというものでもありません。
床が平らで窓が広いというのがさらに広さを感じさせるようです。
前席はベンチシートなのでサイドウォークスルーは簡単です。
大型セダンやミニバンなど大きな車体で広い車はたくさんありますがコンパクトカーでのこの広さはすごいと思います。
2,565
1,435
1,220
カタログ上はプリウスより室内が低いことになっていますが、実際はずっと余裕がありました。3列シートなのでとにかく室内の広さは抜群。3列目をたたんで、5人乗りワゴンとして使うときは2列目をかなりスライドできます。
運転席と助手席の間には邪魔なコンソールがなく、通路になっていたため広々しています。
質感:質感というのは個人の好みや感覚に大きく左右されます。
プリウスの室内はほぼ全面的にプラスチックで作られていることがはっきりとわかりますが、上品なデザインだと思います。操作系がEMVという液晶画面に集約されてスイッチの数が少なくなっているためすっきりとまとまっているように思います。
高級感はありませんが、逆に嫌味がないすっきりとしたデザインだと思います。
とてもシンプルな室内です。車の基本はこれでよいのかも知れません。
非常に凝ったデザインのメーターの形は今後専門家の人たちの評価が出てくるでしょうが、個人的には非常に見やすく、斬新な形に好感を持っています。
室内のパネルや内張りは軽自動車というよりももっと大きな乗用車の質感に似ています。
7人乗りのイプサムの室内はカラフルな布張りのシートが好きでした。硬めのシートは疲れにくく、サンルーフがついていたこともあって明るい室内は広々としていました。
床はまっ平らではなく少しでこぼこしています。